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スーパーのある敷地に併設されているレストランに、足を向けた柳田くんの
背中に話しかけた。
「柳田くん、あの時はごめんなさい。酷い態度をとってごめんなさい」
「謝ってくれるんだ。驚いたよ。実は最初声を掛けた時もドキドキだったんだ。
もしかしたら、また昔のように無視されるんじゃないかとね」
「ごめん。あなたを傷付けたこと──今更許されることじゃないけど、
それでもごめんなさい」
「じゃあさ、今日のお茶代、奢りな? さ、行こう」
「席について注文が済むと、私は当時の自分の過ちを改めて詫びた。
そして、掻い摘んで理由を話した」
「あの頃、宗方がよく俺の席に来ていろいろ話し掛けてきてはいたけど、
そんなことになっていたなんて……」
「……」
「真理恵に無視されるようになってから、もしかして彼女とのことで何か疑われていた
のかも? って考えたこともあったんだ。ほんとはね。
だけど、責める言葉もなく突然だっただろ? 何か、確認するのも怖かったかな。
あれから何度かあの時のことを振り返ることがあって、考えた。
俺も言葉が足りてなかったかもって。一言話しておけばよかったのかなって。」
「一言?」
「うん。何故かやたらと話し掛けられてグイグイこられてるけど、自分の気持ちは
少しも彼女には向いてないってことを真理恵に話しておけばよかったなって。
心の中ではね、俺の中心は真理恵で──俺が付き合っているのは真理恵なんだから、
改めて話さなくても真理恵にはわかってるよねって、わざわざ話さなくてもって思ってた」
「そうよね。何で柳田くんに確認も取らずにあんな態度をしたんだろうって、
私、ずっと後悔してた。
思い違いだったってわかったあと、すぐに謝らなきゃって思ったのに、
それもできなかったの」
「ほんとっ、よかったよ。今日ここで会えてさ。
実はお袋に頼まれてここまで遠出したんだけど、親孝行はしとくもんだな。
ははっ」
「それっ、私も似た感じかも。母親からパスタとかグラタン食べたいっていう
リクエストがあって、それ用の食材を見に来てたから」
コメント
1件
柳田くん、ほんと良い奴だな……! 無視された過去があるのに「俺も言葉足りてなかった」って自分を省みるところ、大人だわ。真理恵が「後悔してた」って打ち明けるシーンでじんときた。親孝行がきっかけで偶然再会っていう運命的な流れもいいね。お互い母親思いってのも共通点で和んだわ。次、この二人どうなるんだろう🔥