テラーノベル
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nmmn、死ネタ注意
口調が多少違ってもお許しください
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伊波side
小柳が死んだ。
大きなCOZACA-Cが何体も出現し、西だけでなく東までも応援に来ては夜明けまで戦いようやく討伐した…あの任務だ。
戦いが終わり、喜びと疲弊を漂わせながらもいつも通り8人集うと誰もが思っていた。
でも、俺らはヒーローだった。
全員が悲しんだ。お通夜なんて、ヒーローしかいないからとマナやらイッテツやら、 カゲツやら…とにかく色んな人が、成人のくせして子供みたいに泣き喚いて大変だった。
俺も悲しかったし、正直泣いた。そこはウェンもリトも同じみたいで、肩を抱き合って支え合ったのすら懐かしく感じる。
今日は、小柳の葬式だった。
チーン、とお坊さんが鏧を鳴らしぐじゃぐじゃと念仏のようなものを唱える。
鼻を啜る音が複数。手を合わせ念仏が終わると、 出棺の前に花を棺桶の遺体の横に詰めることになった。
赤、白、ピンク…様々な色が小柳の顔の横に置かれる。殉職、と言えば聞こえはいいが体は散々なようだ。最後に見る顔が綺麗だったのが、唯一の救いであろう。白い布越しに体が浮き出ているが、その形はほとんど整えられただけであって。本当はグロい、などじゃ済まされない状態であった。
カゲツ 「…なぁ、これどうするん?」
ライ 「花好きなの取って置くの。かっこよくしてあげな」
分かった、とカゲツは元気よく言うともりもりと花を持ち、慎重に体などを覆うようにして花を入れていった。
オリエンスの方もゆっくりと花を入れていったが、途中ウェンはふざけて鼻の穴にでも入れようとしてたけど。流石にそれだけは止めてやった。感謝しろよ、小柳。
…そして、出棺となり霊柩車の音がファー、と鳴る。実感がまだ湧かない部分もあるが。この音も聞くとなぜか、小柳が死んだという事実が心の中でストン、と落とされつい涙ぐんでしまう。
この後は、火葬場に移動となる。
そして、ここまで聞いた人は分かるであろうけど…まだ話に出ていない人物が1人。そう、星導。星導は涙ぐむことも、悔しがることもせず。ただただ、いつも通りの飄々とした表情で霊柩車を眺めていた。
このザ、お葬式テンションというような中で1人異端のように、俺の目にもその場の人にも映っていただろう。
待合室のようなところのソファで待っていると、担当の方に呼ばれて火葬するところまでを見届ける。
みんな目元にハンカチを当て、背中を支え合いながらも見守っている。俺の隣では、マナが号泣しながらもしっかりと運ばれていく棺に目を合わせ、真剣に見送っていた。星導はといえば、やはり飄々とした表情で見つめているだけだった。
食事を食べ、少し落ち着いた間に火葬も終わったらしく、また呼ばれる。
担当「ご遺骨を箸で2人ずつ運んでいただき、骨壷に入れていただきます。」
俺とマナが最初に、残った少し大きめの骨を箸でつまんで骨壷に入れる。次はリトと星導、ウェンとイッテツ。カゲツは俺とやり、次は1人ずつ手掴みで顔の骨を収めるそう。
イッテツ「ここ耳の骨だよね…このへん?」
ライ 「そうそう、俺反対のところ入れるね。」
そうして、1人ずつ順々に骨を収める。そしてまぁ色んなのを飛ばしはしたが…これで本当に最後の式となった。
ヒーローはそもそも殉職が基本なため、ここまで丁寧にやられたのはそれこそ貴重であろう。…そして、皆がまた泣く。俺も視界が滲み、自然と涙が溢れる。
やはり星導は泣かない。むしろ、葬式では終始笑っている。そのことに、少し体力も精神も限界がきたのか、俺は突っ込んでしまった。どうせ星導のことだから、ああでも意外と考えてることくらいは頭の隅で分かっていたはずなのに。
ライ 「…ねぇ、星導。なんでずっと泣かないの?仲間が死んだんだし、普通泣くでしょ!」
マナ 「ライ…一旦落ち着こ?こういう時こそ支え合いやん」
ライ 「でも、でもあんまりだって。おかしいよ」
イッテツ「…ごめん、俺も思ってはいた。何か考えはあるのかもだけど、こんな場だし…」
カゲツ 「そうよ、タコだって悲しいくらいあるやろ!?信じられん、8人めちゃつえーでずっとやってきとったやん!」
ウェン 「イッテツにライ、カゲツもそこら辺にしときな?マナの言う通り、不安定な時こそ団結!でしょ?」
リト 「なぁ、るべ。考えあるなら教えてくれよ。せめてそうじゃないとごめんだけど、納得できない」
星導 「…簡単なことです、1人くらいしんみりしてない要員も必要でしょ?小柳くんもそういうの慣れてないだろうし」
星導はやはり飄々と続ける。
ライ 「…だからって!」
リト 「ライ、その辺にしといてやろ?…流石にこういう場ではあんま良くないし、このあと落ち着いたら…話そ。ライも、るべもそれでいいよな」
ライ 「………うん、ごめん」
星導 「俺もなんでもいいですよ。」
そのまま、気まずい空気で火葬場を出る。このあとはそれぞれ別行動だが、仏壇を作るためにDyticaの拠点へと移動する。
ーーDytica拠点ーー
星導side
拠点に1番に着いたのは俺のようで、周りは静かだった。真っ先に小柳くんの部屋に行き、ぼふんと布団の上に寝転がる。
前はこうやったら、降りろとか言ってキレてたっけ。その声がもう聞こえない事実に、目を瞑る。小柳くんの香りは、空気はまだしているのに。どうしてこうなったのか、自分でもモザイクがかかったように思い出せない。
あの時、俺が小柳くんの状態に気付いてフォローに回っていれば。あの時、俺が身代わりになっていれば。何度もシュミレーションをするが、毎回小柳くんが死ぬ。これが本物のしょうがなかった、というやつなのであろう。
でも、俺は納得できない。小柳くんが笑って済ましても、俺はきっと納得し切れないのだろう。だって、小柳くんが死んだから。
涙が溢れて止まらない。
星導 「あーあ…俺が死んじゃえば、よかったのに。」
きっと小柳くんがこれを聞いていたら、バカタレとか言って、スパーンと綺麗な音を鳴らしながら叩かれるんだろうな。その剣士としての骨ばってるけど、誰よりも優しい手で。
無力だった。
しばらくして、みんなが拠点に来た足音がするため俺は涙を拭い立ち上がる。
マナ 「あれ、るべ誰か知らん?」
星導 「あぁいますよ。すみません」
そのままいつも通りをなぞって笑うと、ライの視線が痛かった。しかし、ライも何か感じ取ってるかのように、さっきのように言うことはなかった。
葬儀屋の方が来て、仏壇の説明を受ける。遺影の中の小柳くんは無愛想に口をへの字に曲げ、カメラ慣れしないように仕方なく目をこちらへ向けていた。遺影のくせに、なんとも彼らしかった。それにすら、涙が出そうだった。
ご飯を仏壇にあげる時の説明、宗派によるご飯のNGなもの、葬儀屋の人は案外フレンドリーにそれを話した。その空気に、他の人たちはしんみりと落ちくぼんだ空気ながらもかすかな笑い声が聞こえる。
そして、説明が終わった。俺は、ウェン、カゲツと仏壇のお供え物をさっそく作ることにした。夕飯ついで、というのもあるが。料理はウェンに任せ、配膳などをカゲツとともにやる。
カゲツ 「…まーたヘラヘラしとる。虚言顔、あほ!」
星導 「言いようが酷くないですか?虚言顔ってなんだよ」
ウェン 「ほらおっさんズ〜、唐揚げ運んで!」
2人 「「まだおっさんじゃない!!」」
なぜかシンクロ。それには食卓で険悪な表情をしてた他の4人も大笑いしていた。
そして、お供え物とともに晩御飯もできた頃。カゲツはお供え物をあげるために、ウェンとともにウキウキで仏壇へと行った。
その間に俺たちも夕食を食べ始める。
思い出話もそこそこに、これからのことを冗談混じりに話して。夕食が終わると、今日はOriensも泊まり込みをしてくれるということになり野郎7人で、むさ苦しくも夜を過ごした。誰も寝れてそうにはなかったけど。
深夜、すすり泣く音が小さく聞こえた。本人的には抑えようとしてるのかもしれないが、なにせ静かなためバッチリ聞こえてしまってる。…多分、カゲツかウェンあたりだろう。忍者の任務で慣れてしまっているカゲツはまだしも、ウェンなんて元々はただの大学生だしヒーローにしたって人を目の前で失うのはそりゃ堪えるだろう。
…というか、小柳くんがいなくなった今最年長は俺だけなんだ。元々俺だけど、他はもはや俺にとってはひ孫のようなもの。あんな、20数年しか生きてない子たちに何も寄り添えなくてどうする。
次の日。
俺は1番最初に起きて、久しぶりに料理というものをした。最初は焦がしたけど、案外自分も器用にできるもので8個分ができた。1個は、小柳くんの分。
みんなが扉を開けた時、あんぐりとしていた。俺なんて小柳くんと共にライに叩き起こされるのがDyticaの日常だったし、ちょっと不満ではあるが当然だと思う。自分でもこんなことするタチじゃない。
でも、みんなを支えるために。
そして、6人の子供のような同期と1人のめんどくさいけど、もういない友人を抱え生きていけばいい。
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Thank you for watchng !!
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