テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
るな
51
17
からあげ
1,159
あくまでも二次創作です。
──「サテラ」自分をそう呼んだ相手は、自分の肩に触れる。
思わず振り返り、驚きの表情を浮かべた。
「ごめん、自分のことばっかだ。……でも、無事でよかった」
安心したような、まるで再開が嬉しそうな表情を浮かべて、自分に早口で話しかける。
「あなた……」
自分が唇を振るわせると、相手は口を閉ざす。
「どういうつもり──?」
肩に触れる相手の手を振り払い、一歩下がって間を開ける。──自分の名前は『エミリア』だ。かつて恐れられた嫉妬の魔女『サテラ』ではない。
人通りの多い街中で、しかも初対面で、自分のことを『サテラ』と呼ぶなど、どうかしている。
「誰だか知らないけど、人を『嫉妬の魔女』の名前で呼んで、どういうつもりなの!?」
白い頬を僅かに紅潮させ、強い敵意が宿った瞳で相手を見上げ、怒声を浴びせる。
「なん、だ?」
困惑したような表情で、相手は小さく呟いた。
「どういうつもりって聞いてるのよ。だんまりはやめなさい」
困惑して固まっている相手に、厳しい口調でまた口を開く。
「もう一回、聞くわ。――どうして私を、『嫉妬の魔女』の名で呼ぶの?」
「いや、だって。そう呼べって……」
「誰に言われたのか知らないけど、タチの悪い趣向すぎる。乗る方も乗る方よ。――禁忌の象徴、『嫉妬の魔女』。口にするのも憚られる、そんな名前を呼び名に選ぶなんて」
ずっと沈黙している相手。わけのわからない。もし、自分のことを『サテラ』と呼べと言われたなら…もしくは、意図的に呼んだのなら──。…考えている暇はない、自分のことを『サテラ』と呼ぶ人に、関わらない方がいいだろう。
「――用がないなら行くわ。私も暇じゃないの」
うなだれるだけの相手に断ち切るように言って、銀髪をひるがえらせ颯爽と歩き出す。
「――――っ!」
小さく息を呑む声がしたのは、露天商の屋台、その幌立ての屋根の上からだった。
跳躍。小柄な体が重力に引かれて軽やかに落ち、着地と同時に風に乗って加速する。
疾風は薄汚れた服を着て、金色の髪をなびかせていた。人込みを神がかり的な体捌きですり抜けると、スッと伸びた腕が鷹の刺繍の入ったローブの中へ侵入する。
接触は一瞬、しかし、風にとってはその二秒の邂逅で十分だった。
風がローブをはためかせ、身をよじる自分から跳ねるように飛びずさる。
「まさか──!」
徽章──これを取られたのなら、王となる資格はなくなる。目の前にいるこの少年は、これが狙いだったのか?
「フェルト!?」
少年が叫ぶ。おそらく、盗んだ相手の名前だろう。
「やられたっ。このための足止め……あなたもグル!?」
棒立ちの少年にに悔しげにエミリアがうなる。とっさにエミリアはこちらに掌を向けかけたが、すぐに思い直したように走り出し、風の消えた路地へとその身を躍らせていった。
久々ですね、さーせんッした!!🙇♀️🙇♀️🙇♀️
どんどん投稿していきます、よろしく!
コメント
2件
おお、Re:ゼロの二次創作か!エミリアとフェルトの出会いの場面、めっちゃ緊張感あって良かったわ。サテラ呼びされた時のエミリアの怒り方が原作のイメージそのままで、スッと入ってきた。フェルトの身軽さもカッコいいし、これからどうなるんだろ?続きすげー気になる!投稿再開お疲れさま、これからも楽しみにしてる🔥