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こんばんは ~!
何となく思い浮かんだネタ。
あのね、夢に見たものを書く。
妖怪パロの夢を見たのよさ。
其れでは!
此処は、周りを山で囲まれた田舎の村。
所謂「都会」「街」と呼ばれる場所に行くには、
此の村唯一の国道を通らなければ行けない。
そう、本当に田舎なのである。
そんな此の村には、ある伝説がある。
『山奥の神社には玉藻様が住んでいる』
というもの。
玉藻、と言うのは【妖狐】の呼び名である。
妖狐とは、人間に害を及ぼす危険な存在。
何方かと言われれば、忌み嫌われる存在である。
しかし此の村では、妖狐を信仰視している。
今や其の理由は不明だが、其の信仰は耐える事無く続いている。
そして、ある「しきたり」というものも存在した。
「四年ごとに村の十歳以下の子供を生贄として玉藻様に差し出す」。
此の村に住んでいる妖狐は【仙狐(センコ)】と呼ばれる、
神通力を蓄えた、九本の尾を持つ狐。
妖狐は人間の精気を吸って喰らう。
なので定期的に生贄に差し出す。
其れが村の掟。
生贄に選ばれた子は例え親が居ても。
其れに反抗する者は親でも容赦無く消す。
何故か?
生贄を差し出せなかった年。
村が大火事に遭ったからである。
村の者が次々と、
「玉藻様の祟りだ」
と言った。
其れ以降は絶対に生贄に差し出す、
と躍起になっている。
そして、生贄を差し出す年となった。
「ふわあぁ……暇だなぁ…」
ある青年は、年季の入った樫の板が貼られた床に寝そべって居る。
「なあんにもする事なあい…」
油揚げをはむはむと喰み乍らころころと寝転がる。
「てかあの人達…来る度に油揚げしか置いてかないよなあ…
私結構何でも食べられるのに」
と青年は言う。
「…本当に邪魔…」
自分の体の二倍程の大きさがある、九本の尻尾。
「でも寄り掛かるのには便利…」
其のふわふわとした尻尾に背中を付ける。
がさっ。
神社の外で物音がした。
青年の狐の耳がぴくりと反応する。
(此の音は…兎かな)
静かに外に出る。
尻尾をふりふりと振る。
「むぅ………ぇいッ!」
がし、と兎を掴む。
暴れる兎の首に噛み付く。
「ん”ッ…」
ばり、と噛みちぎる。
「うん、美味い」
妖狐は人間に姿を見られてはいけない。
昔、神とは見えない存在であると信じられて来たから。
神とは、そういう空気、雰囲気…の様なイメージらしい。
「別に見られたってなあ…特に何かする訳じゃ無いしぃ…」
そう呟き乍ら妖狐の青年は神社の中に消えて行った。
此の日…村は祭りであった。
そう、生贄の為の祭りである。
村中で明るい声が響いている。
生贄になる子の基準とは、
「親の居ない子」
まあ此れは『なるべく』の基準である。
「10歳以下である事」
若く、新鮮な体だからである。
今年生贄に選ばれた子は…。
獅子色の紅い髪。
海の底の様に碧い目。
零れ落ちそうな程大きな目をしている。
「…中也君」
ちゅうや、と呼ばれた其の少年。
そう呼んだ男の手を取る。
「君は此れから玉藻様の処に行くんだからね」
「たまも?」
少年は首を傾げる。
いまいち、玉藻の伝説を知らないのだろう。
「そう、此の村の神様だ、光栄な事だよ?」
「、そうか!」
と言い、きらきらと目を輝かせた。
生贄の子は、村の大人の1人と
神社迄一緒に行く。
勘付かれない様に振る舞わねばならない。
自分が、死ぬという事を。
そして、其の時は来た。
「行くよ、中也君」
男は中也の手を引き、神社へと繋がる階段へ歩を進める。
「ん…」
少年は、足を止めて仕舞った。
「如何したんだい」
「こわいんだ…」
「大丈夫だよ、君の事を守って下さる素敵な神様が待っているよ」
男は少年の手を引く。
10分程で神社に着いた。
男は少年の背を優しく押す。
「さあ、此の中だ」
「ここに、たまもさまが?」
少年は小首を傾げる。
「そうだ、何も心配する事は無いからね」
とだけ言い、男は階段を降りて行った。
「あっ…」
此処から先は、生贄の人間1人で行かなければならない。
「ん…」
びくびくと怯え乍らも、少年は神社の扉に手を掛けた。
其の時。
「おや、もうそんな時期なのだね」
「ひっ…、!」
中から声が聞こえた。
「入っておいで」
とても優しい声だった。
「ぁ…うん……」
ゆっくりと、扉を開ける。
奥に、青年が座っていた。
「ぁ、あの…」
「怖がらなくても良いよ」
にこ、と青年…いや、九尾の狐は微笑んだ。
「あなたが…たまもさま、?」
「ん、そうだ…」
じっ、と青年は其処に立つ小さな少年を見詰める。
(とてもか弱い…でも、可愛い…)
青年は立ち上がった。
「っ、!」
少年は少し身をすくめた。
「君が…今年の生贄…だね」
少年には聞こえぬ様に呟いた。
青年はゆっくりと少年の前にしゃがんだ。
少年と目の高さを合わせる様に。
「さて…君は此れから如何なるのか…知っているかい?」
青年は大きな尻尾をふわりと揺らして言った。
「わ、わからない…」
怯えた様に言った。
「正直に話すとねぇ…君は私に喰われるのさ」
「えっ、?!」
分かりやすくびくっ、と反応した。
今にも泣き出しそうな表情だった。
青年は頭を掻き、
「でもね…気が変わったのさ」
と言った。
「んえ、?」
「君は喰わない!」
笑顔になって言った。
「な、なんでっ?!おれはいけにえなんじゃ…」
「んー?何故君は自分が生贄だと知っているんだい?聞かせない様にしてたんじゃあ…」
と問うた。
「あ…きこえちゃって…」
如何やら、大人達が話していたのを聞いていた様子だった。
「てかさ…別に私、人間なんて食べたくないんだよね…」
「え、?」
「いやあ、ね?別に食べられない訳じゃ無いんだけど…申し訳なくなるんだよね…」
との事だった。
「だから、私と一緒に暮らそう」
少年をぎゅっ、と抱いて囁いた。
其の言葉には、不思議な力が込もっている様だった。
「ん…」
何故か、安心できた。
親に抱擁されているかの様な安心感を感じた。
「っ…ぅ…」
少年は泣き出した。
「ええっ?!如何したんだい?!」
「ずっと…さみしかったんだ…」
少年には、両親がいなかった。
捨てられた子だった。
「なあに?安心したの?」
青年はもっと強く抱き締めた。
「可愛いなあ君は、こんなに君に惹かれるなんてッ…」
青年は自分でも分かる程に心臓の鼓動が強く、速くなっているのに気付いた。
「此れからずーっと一緒だからねっ!」
少年を尻尾で包み乍ら言った。
「、うんっ、!」
難し。
でも、いつも読んでくれてマジありがとな、!
next→❤️1000!
コメント
31件
うわぁぁぁあッッッッ😇😇😇 あ、あ、あ、好きッッッ!!!!😇 なんかもう設定から大好きだし文才ありすぎて好きだしだざむ優しくて好きだしちゅやん可愛すぎて好き🫠💕
太宰さん優しすぎる… そして生贄にした奴らは尊いのありがとうね!けどちゃんと痛めつけるよ?