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### **「溺愛なんかいりません!」**
**第7話:撫でるとか、ありえないんですけど!?**
—
「……お前、そんなに拒否することか?」
「当たり前でしょ!!!」
私は全力でソファの端に逃げる。
だが琉翔は余裕の表情で、スマホをくるくる回しながらこちらを見ていた。
「動画撮るって言ったのお前じゃん。だったら、それっぽいのが必要だろ?」
「……っ!」
た、確かにそうだけど……!!
(でも、頭ポンポンとか無理すぎる!!)
私は必死に別の案を考える。
「……じゃあ、私が一人でぬいぐるみとか抱きしめてる動画でいいじゃん!」
「それ、親に即バレるだろ」
「ぐっ……」
それはそうかもしれない。母の勘は異常に鋭い。
ちょっとでも嘘っぽいことをすれば、 **「優月、ちゃんと甘えてないでしょ?」** と追撃LINEが来るのは確実だった。
(どうする……!? ここは妥協するべき!? でも、琉翔に撫でられるとか……!!)
私は膝を抱えて悩む。
すると――。
「じゃ、もういいや」
琉翔がすっと手を伸ばしてきた。
「え、ちょ、まっ――!!!」
抵抗する間もなく、 **ぽん、ぽん。**
琉翔の手が **私の頭の上に乗った。**
「…………。」
「…………。」
**――え、待って、めっちゃ意識するんだけど!?!?!?**
(え、なにこれ、やばくない!?!?)
(なんか、ふわっとした優しい手の感触なんだけど!?)
(ていうか、なんでこいつ、こんなに普通の顔してるの!?)
(私は、私は、私は――!!!!)
「……っ!!!!!」
限界がきて、私は **全力で琉翔の手を振り払った。**
「お、お、お前、何してんの!!??」
「は? 撮影だけど」
「勝手にやるなぁぁぁ!!!!」
私は顔が熱くなるのを感じながら、ソファのクッションを琉翔に投げつけた。
「お前が考えてる時間長すぎるからだろ! ほら、動画ちゃんと撮ったぞ」
「え!?!? ちょ、ちょっと見せ――!!」
琉翔がスマホの画面をこちらに向ける。
そこには――
**呆然とした顔で固まる私と、めちゃくちゃ自然に私の頭を撫でる琉翔の姿。**
しかも、 **めちゃくちゃ雰囲気がいい。**
「うわ、めっちゃそれっぽく撮れてんじゃん」
「ちょ、なにこれ!? こんなの送れるわけ――」
ピロン♪
スマホの通知音が鳴る。
画面には **「送信完了」** の文字が。
「――――」
「――――」
「……お、おまえぇぇぇぇ!!!!!」
「ははっ、お前の親、どんな反応するかな~?」
私はスマホを奪い取ると、すぐに母のLINEを確認する。
すると――。
**『優月、ついに……!?!?!?』**
**『もうこれは正式に付き合ってるってことね!? お父さんに報告しなきゃ!!!』**
「ちがあああああああああああう!!!!!」
私は絶望のあまり、クッションを抱えて転がった。
「よかったな、これでお小遣いゲットじゃん?」
「喜べるかぁぁぁ!!!!!」
――こうして、 **私の”家出生活”はさらにめんどくさい方向へと進むことになったのだった。**