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恋愛短編集
始まり~
ーーゴミ箱ーー
「ねぇ、今日も仕事なの?」
悲しそうにしゅんとした顔を
しながら此方を向いている彼を
安心させる為にも頭をわしゃわしゃ
と撫でてやる
『ごめんねぇ、仕事ばっかで』
なけなしの申し訳ないという気持ち
を込めたような言葉で彼に
そう言う
「うん、早く帰って来てね!!」
ニコッと微笑みながら此方を向く彼
彼の笑顔は本物なのであろうと
思った、此方は別に本物では
ない事に心痛む事はなかった
『じゃあ、行ってくるねぇ』
「うん、待ってるね」
出迎えも見送りも欠かさず行う
マメな彼が少し気に入って
一緒に過ごしているのだが
俺にとってもうそろそろ見飽きて
しまう 頃だ こまめ過ぎて逆に癪に障る
『はぁ、待ち合わせ場所はぁ…』
片手でスマホのメール画面を開き
待ち合わせ場所までスタスタと
早足で向かう
【あ、来た来た】
『ごめ~ん、遅くなっちゃって』
【うん、全然気にしてないよ】
【仕事で遅れたんでしょ?】
『うん、毎回仕事仕事でごめんね?』
【いいよ、スマホ見てたし】
少しドライな彼
彼の素っ気ない態度が気に入って
振り向かせればどのような態度を
取るのかと好奇心がくすぐられた
彼は先程の彼奴よりグチグチと
小言を言わない為楽ちんだ
【じゃあ、買い物行こ】
『うん、行こ~ 』
また別の日には
《ねぇ~、遅くて心配したぁ~》
小柄で可愛らしげのある彼
ゆったりとした喋り方と
子供のような性格
今迄の恋人にいない様なタイプに
少し興味があっただけ
『ごめ~ん、その代わり何か』
『奢ってあげるよ~』
《え!?じゃあ、クレープ!》
皆俺の事が大好きで好かれたい
でも皆はピッタリな恋人では ないのだ
他の人と関わりを持つことの何が悪い
一夫多妻制と殆ど同じだというのに
何人も恋人を作っては 手放してを
繰り返している
皆俺の事は好きでも俺は好きじゃない
意見が合わないなら…
捨ててしまえ
『あ~ぁ、また面倒になっちゃった』
『結構良いと思ったのになぁ~』
要らないや
ぽいっ
ーーゴミ箱ーー
また次の話で
なう(2025/10/19 22:42:56)