「 … 元 貴 、 … 好 き 。 」
「 だ か ら ね 、 … 僕 と 、 付 き 合 っ て ほ し い の 。 」
震 え る 声 で 掠 れ た 口 調 で 僕 は 元 貴 に 想 い を 伝 え る 。
ず っ と 、 初 め て 会 っ た 時 か ら 、
そ の 雰 囲 気 と 目 と 優 し い 声 が だ い す き だ っ た 。
「 … … 、 そ う 、 か 。 」
元 貴 は 一 言 呟 く と 、 ぽ り ぽ り と 頭 を 掻 い た 。
彼 が 困 っ た と き に す る 、 無 意 識 な 癖 だ っ た 。
「 … 返 事 、 あ と で も い い か な 。 」
「 … … 駄 目 か 。 … せ っ か く 涼 ち ゃ ん が 言 っ て く れ た の に … 」
「 い い よ 。 」
「 そ の か わ り 、 絶 対 逃 げ な い で 。 」
彼 は 目 を 少 し 細 め た 。
「 わ か っ て る 。 」
そ れ か ら 僕 は 一 人 で 家 に 帰 っ た 。
そ れ か ら 、
一 人 で く だ ら な い テ レ ビ の お 笑 い に 笑 っ た 。
C M で 見 る 元 貴 の 姿 に も う 一 度 惚 れ て 、
次 の 日 の レ コ ー デ ィ ン グ で 交 差 し た 一 瞬 の 視 線 に 打 ち 抜 か れ た 。
そ し て 、 今 日 。
元 貴 か ら 手 渡 し で 渡 さ れ た 、 曲 の デ モ 。
「 … こ れ 、 気 持 ち だ か ら 。 」
「 … 不 器 用 だ け ど 、 こ れ が 精 一 杯 の 気 持 ち 。 」
元 貴 は 一 言 そ う 僕 に 投 げ つ け る と 、
足 早 に レ コ ー デ ィ ン グ 室 を 出 て 行 っ た 。
僕 の 腕 の 中 に は 曲 の デ モ が 埋 ま っ て い る 。
返 事 を 聞 く の は 、 怖 い 。
で も 、 聞 か な き ゃ 意 味 が な い 。
「 … B F F … 、 」
繊 細 で 、 綺 麗 で 、 懐 か し い メ ロ デ ィ 。
ふ っ と 入 っ て き て ふ っ と 消 え る 元 貴 の 歌 声 。
優 し い 若 井 の ギ タ ー の 音 に 、
寄 り 添 う 様 な キ ー ボ ー ド の 音 。
大 切 な 宝 物 を 扱 う よ う な 、 優 し い 旋 律 。
「 … B e s t 、 F r i e n d 、 F o r e v e r 、 か 。 」
携 帯 で B F F の 意 味 を 調 べ る と 、 そ の 英 単 語 が 大 き く 映 し 出 さ れ る 。
永 遠 の 友 達 。
つ ま り 、 貴 方 と は 、
永 遠 に 、
友 達 で し か い ら れ な い 。
何 故 か 笑 え て く る 夜 だ っ た 。
優 し い 旋 律 で 、
優 し い 口 調 で 、
優 し い 音 で 、
元 貴 は 僕 に 柔 い 決 断 を 押 し 付 け た 。
悲 し く は な ら な か っ た 。
だ っ て 元 貴 は 、
僕 な ん か を 恋 愛 対 象 と し て 見 て る な ん て 、
思 っ た こ と な か っ た か ら 。
「 … ふ ふ 、 笑 」
僕 は 自 分 に 必 死 に 言 い 聞 か せ る 様 に 、
大 丈 夫 、 僕 な ら 、 と 繰 り 返 し た 。
頭 の 奥 に は 、 ま だ あ の 綺 麗 な 旋 律 が 踊 っ て い た 。
コメント
5件
BFFって、メンバー思いで、メンバーへの愛を歌として語っている曲と同時に、永遠の友達っていう、友達以上の関係になることは望んでいないっていう解釈もできてしまうなぁ、と思いました。
ぐはっ…😭 自分は恋人になりたくても、相手は友達と思われてて、 普段の様子で「恋愛対象として見られてない」と分かってはいるけれども、やっぱり恋人になりたい… あぁぁぁぁ、切ないし、もどかし過ぎて、心が痛い😢
泣いてます… 泣いてるんです…… BFFってそういう意味でも読み取れて、感動の意味でも、切ない意味でも感じられるんだなぁって思いました… んぅぅぅ泣いてます… 好きです…泣いてます…