けどやっぱり君には勝てない
〜お知らせ&あとがき🈶〜
激しい熱帯夜から一変、静かで穏やかな朝。寝起き早々昨日あったことをじっくり思い出すなんてことはしない。だからいつも通り体を起こして地に足をつける。体を起こした時点で異変には気づいた。でも止まる暇などなく気づいたら足を付けていた。静かだった部屋にドンっという音が響く。するとその音に気づいたのか、隣からバサバサっと慌ただしく布団をまくる音が聞こえた。
「ほ、ほしな、……?!!?!」
慌ただしく名前を呼ぶ。
「な、なる、み、さ、……」
「あ、あかん、……立てへん、…」
昨日の記憶、隅から隅までフル回転で思い出してみる。
昨日……昨日、、、、
思い出した途端に顔は熱を帯びる気がした。ただそれに負けないぐらいほんの少し怒りがふつふつと上がってきた。
少し目線をあげると姿見が置いてある。見ると全身赤かったり青かったりと、中には傷やら内出血やら。……え、??全部これはキスマと噛み跡。昨日どれぐらい自分はぐっちゃぐちゃにされたのだろうか。
「は、……、??」
「……?」
「あんたっ、…これ、!!!」
大きい声を出して主張をする。いくらなんでもこれは今日中に全部は消えない。傷とか内出血とかこれ…1週間は残るんちゃう、??
「あんたッ、!!これ!!昨日どんだけ、!!」
ようやく気づいてくれたのか??と言わんばかりのねその顔。前髪はちゃんと目までかかっていて口はもにゅ、と猫のような口。
「これ消えるのにどのぐらいかかると思ってん、!!??!」
大人しく床にもたれ座り怒る。
「明日から仕事やん、!!もーーー、…」
「傷になっとるし、、…内出血やんこれ、…」
「ほんまにアホなん、??!!?!」
するとようやく事の重大さに気づいたのか、少し小さい声で話しかけてくる。でもそれはなんというか、”焦り”と言うよりかしょんもりしたような、”悲しみ”のような声で問いかけてきた。
「…ほ、保科、……は、」
「その、…ボクの印がついてたら嫌、、か、??」
しょんもりとして僕の顔や機嫌を覗いて伺う。少しばかり可哀想に思えてきた。きっと鳴海さんが思ってた僕の反応は違かったのだろう。
「その、……嫌だったらもうつけないから、」
「ご、ごめん、……」
そう言われると、、
別に印が嫌というわけじゃない。愛されてるなあ、と思うしぶっちゃけすごく嬉しい。ただね今回は少し、、
きっとこのことはちゃんと言わないと伝わらないんだろう。
「……嫌、やないよ」
「ぇ、……で、でも、…、」
「鳴海さんが僕につけてくれるのはすごく嬉しい。愛されとるなあ~って思うし、」
「で、でも、……その、…隠すの大変やし、」
「もし、……仮にバレたとしたら、その、……」
「鳴海さんって存在を、…色んな人に知られたくない、っちゅーか、……」
「いや、鳴海さんはみんな知っとるけど、……その、…」
「なんか、……嫌やねん、そーゆーの、……」
顔あっつ……、。
こんだけ言っても鳴海さんの返事が来ないから少し目線をあげて鳴海さんを見る。
「っ、」
顔は全部が真っ赤に染まっていて布団をギュッっっと掴んでいる。それから少し、気持ちが落ち着いたのか、はああああ、と深いため息をする。
「……ごめん、」
「少し気をつける、。」
「……うん」
それから少し立ち上がり僕の方へ寄ってくる。気づいた時には体は浮いている。
え、??な、……は、?
鳴海さんの右手は僕の肩を持ち上げ、左は膝裏を抱えている。
「は、??」
「腰、痛むか」
今日始めて見た目。心配そうに申し訳なさそうに。すごく愛が伝わる気がした。
「、すこし」
「……無理させたな、ごめん。」
胸がキュッと締め付けられる。好き、。
それから1階へと行きソファに優しく降ろされた。それから毛布をかけられ、この前読み途中だった本を渡される。
……よう見とんなあ、、…
「ん、」
「…読み途中なの知っとったん、?」
「…うん」
「……ふふ、ありがとうございます」
たまにはこーやって少しぐらい甘えるのも悪くない。鳴海さんがこんなに僕のためにしてくれるなんて。スタイル良くて顔良くて声良くて気も使えるなんて……僕の恋人最高すぎる、。。。
~
それから掃除やらご飯やらいつもやっていることを全てやってくれた。
いつもならゲームしてるのにここまで僕の為してくれると思うと、好きという気持ちと申し訳ないという気持ちがこみ上がってくる。
するとようやく座り始めゲームを開く。
「鳴海さん、いろいろありがとうございます」
「別に大したことしてない。」
うそつき。そーゆーとこやで、自覚ないうちに人に好かれるところ。そーゆーことするから、、。。すこし憂鬱になった気持ちをコーヒーと一緒に底へ流し込む。そしてまた本を片手に読み始める。
数十分。少しづつ鳴海さんが近づいてきてる気がする。ずっと僕はソファの上で横になっていて、さっきまで鳴海さん僕の足元ら辺に座ってたのに、今は腕の所にいる。何がしたいんやろか、……。。そして時間は経つ。気付いたらもうすぐ顔の横にまで来てる。しかも驚くことにゲームを辞めてる。え、なにがしたいん、……??
頭を僕の肩に埋めてグリグリと動かしている。
こちょばい、……、。
未だなにをしたいのか分からず僕はずっと本を読んでいる。
何が不満なのか。いきなりやめてこっちを睨んで見てくる。そしてそのまま立って僕の上にまたがって寝てきた。読んでいる本の下から鳴海さんが僕の顔を覗き込んできてる。そして鬱陶しく名前を連呼してくる。
「ほしな」
「ぉぃ」
「そーしろう」
「ほしな」
「そうしろう」
「しろ」
「ん、もう、……なんですの」
「……いつ読み終わるんだ」
「えぇ、……まだ全然ですよ」
「……、、」
不満そうに僕の胸に顔を埋めてきた。
「…どうしたん」
「………」
「……」
「かまえ」
ええーーーーうっそーーーーっっ、……っ!!
あっかん、……何そのえっ、…やめえその顔、!!綺麗なその上目遣いやめ!!あーーーあかん、!!無意識に本閉じてもうた、、、。。。。
両手を鳴海さんへと伸ばす。思いっきり、それでも優しく頭を撫でる。するとようやく、少しづつ満足したのか、優しく微笑み出す。
心臓がもぎ取られそうな程に痛くなる。
「っっ、……~~かわえぇ、、…っ」
「ん、………うるさい、」
「………、好きやで」
そう言うと顔を真っ赤に染めて少し目を伏せる。ほんとにどこまでも可愛い恋人。
今一緒に居られることがすごく幸せ。そう思うと休みが終わるのが寂しい。ずっと2人で毎日平和に過ごせたらいいのに。何度願ったことか。怪獣が発生する度に心配になる。最強とか言ってるけど所詮人間。限界は来るし、いつ死んでしまうかも分からない。Rt.0001の使用しすぎで目が充血して帰ってくる時は本当に、、特に、、。。いつ失ってしまうのか。第1と第3。距離も少し離れているし、まずまず部隊の考え方も違う。すごく心配で心配。だけど今、こーやってまだ余裕を持って過ごせることができると安心する。この人を守る為にも、と思うとまた明日から頑張れる。
「おい」
「ん、?どないしたん?」
「……もっと」
「…ふふ、ずいぶんと甘えたさんやね」
「いいだろべつに」
そーゆーとこ。
勝てへんなあ、
[完]
おしらせ⬇️
⬆️
🩷泣きからの甘々を見たいやつはみーんなここに集まりやがれ💜
あとがき
けどやっぱり君には勝てない を読んで頂きありがとうございます🥹🥹💞💞
もうK氏常連の皆様は毎回素敵なコメントたくさんありがとうございます🥹🥹🩷💜
最近読み始めたよ〜っていう皆様も、最後まで読んで頂きありがとうございます🥹🩷💜
もう皆様のコメントを見るとすごく胸がいっぱいになって、……皆様私が頑張った所に気づいてくれたり、素敵なリクエストくれたり……🥹🥹もーすべて素敵な読者様のおかげです🥹💞💞
この場を借りてですが、ほんとーに皆様のおかげでたくさんの作品を書くことができます🥹心から本当にありがとうございますまじびっくらぶです🩷💜🩷💜
そしてリクエストくれた方、とても素敵なリクエストありがとうございました🥹‼️‼️
また、上の
『酔いどれ本音、鳴海弦行き』
もリクエストです!!
とっっっっっっっっっっても素敵なリクエストを頂いたので、しっかり期待に応えられるように書かせて頂きます!!
「やっぱり君には勝てない」
最後まで読んで頂きありがとうございました!!
ぜひ次の作品もご愛読して頂けると嬉しい限りです🥹🥹🩷💜🩷💜
コメント
13件
今回も、いや、このお話も最高でした!! K氏さまの書く作品ってやっぱ魅力がたくさん伝わってきます💞 鳴海が甘えたさんになるのもほんとかわいすぎます もう心臓飛び出るかと思いました。 二人の心情にあわせて様子をかけたりするの本当に尊敬しかないです😖💞 もう漫画出しましょう 小説でも 全部買い占めます(( ってくらい書き方も上手だし、何より一番好きで尊敬しているK氏様ですから 本当に本当にこれからもずっと読んでいきたいです💓 リクエストに応えてすぐさま書けるK氏さん本当に天才です💘💘 最初から最後まですごい楽しませてもらいました🥰🥰 これからもぜひ書いていってほしいです😖💞 どこまでも応援してますっ💓 さっそく読みに行かせてもらいます! 長文失礼しました(o*。_。)
最高でした! 書いてくださってありがとうございます😭鳴保の休日2人らしいですね笑微笑ましいし、表現が上手すぎて.....読んでいてもワクワクでその場の雰囲気やその場の2人の様子がめっちゃわかりました😍また頑張ってください💪
マジで最高でした!! 💖💖💖💖💖💖💖💖 最初から最後まですごくて 国宝級ですってこれ(?) (すいません語彙力が 大谷選手の球速並みの勢いで飛んでいきました) 次回も絶対読みます!!!!!!!!!!!!