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赤side
俺は昔から完璧を求められて生きてきた。
「どうしてこんな事もできないの!?」
「努力しろと言ってるだろう!?」
「この出来損ない!!産まなきゃよかったのに!!」
少しでも「完璧」じゃなくなれば罵声を浴びせられ、手を上げられた。
どんなに努力を重ねても、その過程なんて誰も気にしない。結果以外見てもらえない。
俺が結果を得られないのは努力が足りないから。ずっとそう蔑まれてきた。
「お前生意気なんだよ」
「ちょっと金持ちだからって俺たちのこと馬鹿にしてんだろ」
学校でもそう言われ、何処にも居場所がなかった。
赤「…今思い返しても散々だったな、りうらの人生。」
でも、それも今日でおしまい。
今は平日の午前9時半。本来学校にいる時間だ。
だけど俺が今いるのは学校じゃなく、海の近くにある公園。少し高いところにあるので、飛び降りるにはうってつけ。
もう遺書は書いた。学校の机と自分の部屋の机に置いておいたから、今頃大騒ぎだろう。
赤「地獄におちろ、ばーか」
ずっと心の奥に溜めていたどす黒いもの。
最後に一言悪態をつくくらい、神様も許してくれるだろう。
赤「よっ…と」
公園のフェンスを乗り越え、崖の淵に立つ。
赤「ふぅー…」
そっと目を閉じ、一歩踏み出そうとしたその時
??「まって」
誰かにそっと手を引かれた。
赤「!!」
桃「そこ、危ないよ?」
振り向くとそこには、綺麗な桃色の瞳でこちらを見ている同い年くらいの奴が立っていた。
赤「…そんなん知ってる。手、離してくんない?」
桃「えー?…無理w」
赤「は?」
苛々して、自然と声が低くなる。
赤「なんなのお前、きしょいんだけど。どーしようが俺の勝手じゃんか」
桃「ま、そうなんだけどさぁ」
桃「全く知らん奴と心中したみたいになるの嫌だからさ」
赤「は?」
言ってる意味がわからなかった。心中?どう言うことだ?
赤「どう言う意味?」
桃「あぇ、分かんない?俺も自殺志願者なの。君とおんなじ」
赤「…」
飄々とした態度でそんなことを言われ、少し思考が停止した。
桃「おーい、生きてる?落ちる前に死んでどーすんのー」
目の前でぱたぱたと手を振られ、やっと我に帰った。
赤「っ…」
赤「もう分かった、俺今日は帰るから。さっさとそっから飛べば?」
桃「あ、そぉ。どこ帰んの?」
公園の外に向かおうとした足が止まる。
桃「どーせ遺書とか書いてきたんでしょ?帰る場所なんかあんの?」
確かにそうだ、帰る場所なんてない。
そもそも、居場所なんて何処にも____
桃「帰る場所ないって顔だね?」
赤「…」
苛立ち紛れに少し睨みつけるとそいつは楽しそうな顔で言った。
桃「俺、ここで飛ぶのやーめた」
桃「君さ、俺と一緒にどっか行かない?」
赤「は、?」
桃「どーせ行くとこないんでしょ?俺と一緒に来てよ。」
桃「死に場所探しの旅。ね?いい考えでしょ」
赤「死に場所、探し…?」
桃「そーそー、俺お金は持ってるからさ。色んなとこ行って、どうせ死ぬなら自分が1番いいと思ったとこで死のーよ」
赤「…」
桃「自殺したいくらいなんかから逃げたかったんでしょ?俺と一緒に逃げよ。」
満面の笑みで手を差し伸べてくる。
その手をとるか、とらないか。
赤「…」
俺はその手をとった。
桃「あは、やっぱ来てくれるか」
桃「俺ないこ。これからよろしくね」
そいつ…ないこは、太陽のような笑顔でそう言う。
俺たちの旅は、ここから始まった。
『死にたい僕らの逃避行』____
大神りうら
完璧を強いられてきた高校2年生。
少し口が悪いところがあるが根は優しい子 ないこに誘われ、死に場所探しの旅に出る。
内藤ないこ
自由奔放な性格で謎が多い高校3年生。
りうらを誘い、死に場所探しの旅に出る。
そんな彼は______
ねぇ、これ続き見たい人いたりする?
コメント
30件
見たいめちゃくちゃ見たい 神作確定すぎるんよこれ、、🥺💞💞
めっちゃ気になります!続き待ってます!!
みたいに決まってるだろー!!! いおりんのやつみたぁぁぁいい!!!