風は自由を求める。
山を越え、谷を越え、川を越えて。
やっと手に入れた自由には。
孤独が待っていた。
第一話 自由の翼
とある馬車が森に向かって走ってゆく。馬車の中には一人の商人と、その付き人。さらにはたくさんの奴隷がいました。奴隷の中には新しく入ってきたものがいました。その二人は何かコソコソ話しています。「あとどれくらい馬車にいるんだろ、ね?○○」一人の女の子が自分より少し若い子に話しかけていました。「わからない、どこに行くんだろうね」そんな他愛もない話をしていると、二人の前に座っていた男性がこっちに向かって小声で話していました。「おい、あまり長く話していると後で主人の付き人にムチで打たれるぞ」「あっ、ごめんなさい」女の子は少し怖がって言いました。しばらく無言でいると馬車が止まりました。「おい、仕事の時間だ」商人がいいました。やってきたのは森の奥深くにある洞窟でした。「ここにある鉱石、全部採掘しろ、抵抗したらわかってるよな?」奴隷たちはざわめきました。この洞窟には凶暴な魔物が出ると噂でした。「こんなところで採掘なんて、頭おかしいんじゃないの?いくら貴重なものがあるからと言って」女の子が怖がっていると「どうした?これは命令だ」その言葉が放たれた途端、首輪に嵌め込まれた石が光りました。すると奴隷たちが洞窟に向かって歩き出しました。奴隷たちが逆らえないのはこの意思が原因でした。みんなせっせと採掘をしました。
しばらくして採掘が終わり撤収をしようとしました。すると洞窟が急に揺れ出しました。みんな怖がっていると揺れはおさまりました。「なんなんだ、ったく、早くずらかるぞ」奴隷たちも同じ気持ちだったのか、言うことにすぐに従いました。「なんだったのかな?洞窟の奥からだったけど…○○?」女の子が怖気付いているとその子は洞窟の奥を見ていました。「○○、早く行かないと置いてかれるよ?」その声に反応し洞窟を後にしました。
後ろに何かいることを知らずに。
「疲れたね、○○、さっきはなんだったのかな?」女の子が疑問に思っているとその子は答えませんでした。「…○○?さっきから辺だよ?」女の子が不安にしていると急に馬車が大きく揺れました。「きゃあ!なっ何が起こったの!?」周りが困惑していると馬車の窓から大きな目が見えました。それはさっきの洞窟の主でした。「ドラゴンだ!」奴隷の一人が言いました。さらに馬車は投げ出され地面に叩きつけられました。との途端馬車は粉々になってしまいました。中に入っていた人たちは投げ出され、女の子を庇って一緒に飛び出した子はなんとか無事でした。「なんでこんなとこにドラゴンが!」商人は怯えていました。「お前ら動くんじゃないぞ!」商人の付き人が命令しました。その途端体が動きませんでした。動け、どんなに体に命令しても体は微動だにしません。目の前にはドラゴン、絶体絶命でした。次々に奴隷たちは薙ぎ倒され、怯えていると、逃げようとしていた商人たちが逃げ遅れドラゴンに食べられてしまいました。その瞬間首輪がはずれました。自由になった生きている奴隷たちは逃げ出しました。女の子たちも逃げるために動こうとした途端、逃げようとした子が足をつまずいていましました。ドラゴンがそれを見逃すはずがなく足を上げ攻撃を仕掛けました。死ぬ、そう思った瞬間女の子がその子を庇いました。驚いているのも束の間。その子は女の子に近づきました。女の子は虫の息でした。それを見たドラゴンは別の標的に行きました。「なんで庇ったの!」その子が涙を流していると女の子はその子に向かって笑い「無事でよかった」その言葉を最後に事切れてしましました。その子はそんな現実を受け入れたくなくて泣いてしましました。たったの1日で大切な友達を無くしてしまったのです。するとその子の体から強い力の波動が現れ始めたのです。それに反応したドラゴンがその子に向かって行きました。しかしその子はドラゴンに向かって手を出した途端、風の斬撃が放たれました。その瞬間ドラゴンの首が落ちてしましました。その子はその後女の子の亡骸を抱いて歩き出しました。
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