けどやっぱり君には勝てない
さっきのクライマックスとは裏腹にエンディング画面が静かに流れている。やっと終わったこの映画。エンディングが終わってから右の腕に血が通う気がした。何分間……ボクは右腕がなかったのか…そんなことはまあどうでも良くて。
「……」
放心状態の恋人をどうにかしてやらないとならぬのだ。
「保科??」
「わっ、はい?!」
「どうだった??」
「え、えっと、、……」
どうだったってなんやねん!!!!
思い出したくないぐらいなんやけど!!??!?正直むっっっっっちゃ怖かった、、、なんなら拷問でも受けてるんかと思ったわ、、
でも実はホラー苦手なんですなんて言うたらこの人ずっといじるやろな、、たぶん気づかれとらんし……このまま誤魔化せば、、
「むっちゃおもろかったわ」
「本当か??」
こいつきっとボクが気づいてないと思ってるな。残念。最強だから気づいてるぞ。嘘言ってるのもバレバレ。どれだけの時間を過ごしてきたと思ってる。まあ、ちょっとおもしろそうだから、、
「ふーん、」
「よし、見終わったしもう寝よか??」
「…なあ保科??」
「はい、??」
「お前」
「ホラー苦手だろ」
「は、、、??!!?!??」
「もー、何言うてるん鳴海さん、笑」
おぎゃーーーーーーーーーーーなんでバレとる?????!!!!!完璧に隠しとったやろがい!!なんで??!!もしかして知っててこの人映画見とった??は!!??!?趣味わっっrrrrrrrrrrる……
BINGOーーーーーー
やっぱり図星だこいつホラー苦手だあんなすました顔してやがるのにこいつ苦手なものがあるんださすがよく気づいたボクいいことを学んだぞこいつにも苦手なものがあったんだッ、!!!!(一息)
「いや、映画見てる時ずっとボクにくっついてたしお前ビビりすぎだぞ」
「は、は??そ、そんなわけあらへんし、」
「図星だな??お前ホラー無理なんだな??」
「っっ、、」
いっちゃんタチ悪いんの気づかれた、……終わったもう、………、。。。
「だからあんなに今日行動がおかしかったのか」
「まあ人は誰しも苦手なものだってあるよな??」
「まあ??ボクは??最強だし??まっっっっったく怖くなかったが??」
「それにしても必死にボクの腕を掴んで震えてた保科サイコーに可愛かったぞ」
今目の前で散々いじりまくってるこの人を罵倒したいが、返す言葉がない。そーやってここぞとばかりに人の弱点突きまくって、、……
あかん、だんだんイライラしてきた。
なんなんこいつまじ
「まあーー??ホラーが怖くてもいいと思うが??」
「っ、なんやねんもう、!!!!」
「ここぞとばかりにいじりまくりよって!!!」
「もう知らへん!!今日は一人で寝てくださいッ!!」
「え、??まっ、保科?!!?!」
「いやや!!」
「もう嫌い!!」
オワアーーーーーーーーーーーーッ終わった!!!!
ど、どうしよう……いじりすぎた、、…
見事に拗ねた恋人。いつもならごめんね、と謝って一緒に寝るが、なぜか今日は手を取ることができなかった。そして夜。別々の部屋で今日は横になっている。
どうしよ、、保科のところ行った方がいいか、??
謝った方がいいよな、、……でも拗ねてる時ってどうすればいいんだ、??!!下手に動いたら喧嘩になるかもしれない……、、せっかくの3日間、。そんなんで終わらせたくない。。
てかそもそもボクがあんないじらなければ良かったんじゃないか??おわった、……どうしよう、、
てか嫌われた、??いや、……うそ、
まっ、……どうしよう、……
✮
一人で寝てくださいって言ったものの全く寝れない。鳴海さんはもう寝たかな??風の勢いで窓が揺れてガタンッと音が鳴る。びっくりして布団を頭から被る。ずいぶんと悪影響なものを見てしまったものだ。やっぱり途中でリタイアするか寝るかしとけばよかった。それか初めから断っとけば…。
こんなにひとりって怖かったっけ、と思いながら必死に目を瞑る。きっとそしたらすぐ寝れる。そう思ってもなかなか寝付けない。
さいあくだ、。
もしかしたら鳴海さんが来てくれるかも、、そんな甘い考えをしてからはや50分ほど。あと少しで1時間。いつもならすぐ来てくれる。けどもうこんな時間経っても来ないなんて……、、被害者ヅラ……情けな、、。。
もしかしたらもう寝た??それとも、、
僕もあんな酷く言ったのが間違いだったのかもしれない。
嫌いなんて、、そこまで言わんかったら、……
はー、、、
あっかん、。。
暗い部屋。ガタガタ鳴るうるさい窓。
涙目で寂しくて怖くて
ひとりがこんなに孤独だったなんて。
がさ、………、
厚手の布から抜け出して静かにドアを開ける。
静かな部屋。寝室まではすぐそこで、普通に歩いてもちょっぴりしか歩かない。なのに、ものすごく長く、暗く、怖く感じる廊下。
ぺた、、ぺた、と自分の足の音が聞こえる。
後ろから自分以外の足音がついてきそう。
そう思うともう心臓はうるさく跳ねて歩くスピードも早くなってくる。
鳴海さんがいるドアノブに手をかける。
かちゃ、………
ねくすと70
またじかい✩.*˚
コメント
14件
わー!!見るの遅くなっちゃった・・!!! 今回も素晴らしいお話ありがとうございます✨ 血止まるくらいぎゅーーーってしてる保科さんが可愛すぎてもう・・💞 今回のお話書き方面白くて大好きです😖😖😖💞💞 応”援”し”て”ま”す”・・・・・!!!!
かわちい
もう怖くなって自分から部屋に行っちゃうの可愛すぎます〜💖 2人の心情が面白く書かれていて楽しく読ませていただきました! 続きが楽しみです😊