テラーノベル
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3月○○日
『キャーーー!?』
暗闇の空から大雨が降る中、つんざく悲鳴がいくつも重なり、長距離フェリーの船中に響き渡る。船中は混乱と水で埋まってくる。『皆さん!早くボートに乗ってください!』船員の声を聞いた途端、皆が餌を与えられたピラニアのように船に向かっている。「人が多くて出れない…!」そうこうしているうちに、船は水で満たされていく。どんどんと足、膝、腰と水位が上がってくる。「やだ…早く乗らないと――」その時、ドカン!と大きな音と共に船が急に沈んだ。「なっ!?――」そのまま沈み、やがて意識を失った。
3月20日
「…しょっぱ。」
海水の独特な味で目が覚めた。瞼を開けるとそこは、雲1つ無い青い空、どこまでも続く綺麗な海。そして――「ここは…無人島…?」サラサラとした砂、優しい緑の植物、空に向かって伸びてる山。「遭難してしまった…」そう、私は遭難したのだ。「こんな本で見る展開あるんだな。」でもどうやって生きようか。サバイバル知識があるわけでもないし、体力に自信があるわけでもない。「まあ私はマルチクリエイティブだから、なんとかなるでしょ。」そう言い、草の生えた地に行く。
少し歩いていると、「ここ…どこぉ…」黒の髪型、スラッと長い足、黒い服装。「…リズ!?」「ツクリぃ!」その子は雨夜リズ。私の友達だ。「よかったぁ!」リズは泣きながら私に抱きついてくる。「怪我はない?」私は優しく黒い髪を撫でる。「怪我はないよ。雨夜さん、ツクリとはぐれちゃって怖かった。」「本当に。リズが適当に走り回るから…」「うぅ…ごめんね。」とにかく、友達が生きていることに安堵した。これからどうする。とにかく、食料と水を確保しよう。私達は役割分担した。私は食料を取りに木々の中へ。リズは水を取りに海辺へ。幸いなことに海辺にはペットボトルとビニール袋が落ちている。リズはそれを拾いペットボトルに海水を入れてビニール袋を被せる。そこからあとは待つだけ。ついでにとズボン裾を折って海に入り、魚を取る。一方ツクリは、食べれる木の実を取っていた。そこそこの量を取れた。
数時間後。空は綺麗な青色から温かいオレンジ色に変わっていた。「もうすっかり夜だね」「雨夜さん達どこで寝るの?」その通りだ。ベッドも無ければ家すらない。「あ。あそこの洞窟みたいなとこは?」私が指を指す。そこは少しスペースのある洞窟だ。「そこじゃん!ツクリ天才!」さう言い、私に抱きついてくる。「はいはい。」私は立ってリズの手を引き、洞窟へと歩く。
洞窟に着くと、そこは暗闇だった。怖い暗闇ではなく、なぜか安心できる暗闇。「じゃあ寝よかった。」「お休みツクリ。」「お休み。」お互いに抱き合い、やがて目を瞑る。
3月21日
「んん…朝か。」微かな隙間から漏れる太陽の光と朝特有の匂いに包まれて起きる。「リズ起きて。今日は少しTANKしよ。」「んぅ…やだぁ。」「だめ。」「はぁい…」洞窟を出て、木々の奥へと足を踏み入れる。
緑で包まれた世界、虫の鳴く音、ペチャペチャと踏む度になる地の音。「ここになにがあるの~?」「私にも分からない。」そんな会話をしていると――ガサガサ。茂みから生き物の気配がする。「な、なに。」「リズ下がって。」リズの前に立ち、ガサガサと音のなる茂みを睨む。「…わあぁぁぁ!」ポコッ。「痛ぁ!?」飛び出してきたオレンジの髪の子に拳骨をする。「いきなり暴力とか酷いよ!」「驚かすこまのほうが悪いじゃん」「だって~…」このオレンジの髪の子は小廻こま。こまも友達。「2人共生きててよかった。」「ほんとに。」「じゃあこまつくりーずで暮らそ!」「それいいね!」リズとこまがハイタッチをする。本当にこの子達、危機感というものがないんだから。「まあ帰れそうになるまで生活するか。」私達は緑で包まれた木々を抜けた。
やがて夜になり、洞窟に戻る。「ここで寝てるの!?痛くない?」「痛いよそりゃ。これしかないの。」「ぶぅー。」こまが頬を膨らませて、大きめの草に横になる。「2人に会えてよかった。」「雨夜さんも!独りぼっちじゃなんにもできないし。」「私もかな。いつも説教してる気がするけど、怒らない日もいいな。」私達は少し照れくさそうに微笑み、抱き合った。お休み。
3月27日
青い空から太陽が照らしてくる。私が海辺に座って日記を書いていると「ツクリー!」と、元気なこまの声がした。「なに書いてるの?」「日記だよ。今まであった出来事書いているんだ。」「へぇ~。見せて見せてー!」こまに日記を見せた。遭難したこと、リズと会ったこと、一緒に寝たこと、こまに会ったこと――。今まで起こった出来事を記録している。「最初はどうなるかと思ったけど、案外なんとかなったね。」「こま達、お家に帰れるかな…」こまが不安そうな表情で問う。「大丈夫。私達なら帰れるよ。」こまをめいいっぱい抱きしめた。「…うん!絶対帰ろ!」腕で涙を拭き、「泣いてないよ」と笑って誤魔化す。思わずクスッと笑いが溢れる。「あ!いたいた~!」後ろからリズの声がする。「食料あるけどいる?」「欲しい!」
お昼。太陽が真上でこちらを見ている。3人で遭難前の話をしていた。「お買い物とかしたいね~。」「こま可愛いお洋服買う!」そんな他愛もない話をしていた。「…ねぇ2人共。」私が2人に問う。「イカダ作って出てみない?」こまとリズは一瞬ポカンとした表情を浮かべたが、すぐさま目を輝かせる。「いいねそれ!」「どんなの作る!やっぱかっこいいの!」「それは無理だけど、作るか。」そう言うと2人が、ツクリに言う。「ねぇねぇあれ言って!」「ツクリと言えばね!」「ふふ、いいよ。」私は1度目を瞑り――『ツクリが~、ツクるぞ!』
そこから私達は、四六時中イカダツクりをした。材料を集め、木を切り、時には休憩をして。そうしてひたすらツクった。雨の日も猛暑の日も。風で材料が飛んでったこともあったけど…。
コメント
4件
※彼は小説を書くのが初めてです。下手ですが、温かい目で見ていただけると幸いです。
あー、これいいわ…! 無人島×女の子3人の友情モノ、王道だけどめちゃくちゃ刺さる。 船沈むとこ一瞬で意識飛ぶ描写がリアルで、そこから「マルチクリエイティブだからなんとかなる」ってツクリのポジティブさが頼もしい。リズとこまもそれぞれキャラ立ってて「こまつくりーず」の掛け合いが自然に温かい。 最後のイカダ建造「ツクリが〜、ツクるぞ!」でグッと来たわ。続き読みたい🔥
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みろ🌈ミロプロオタ🌷
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