テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
rslpです!
地雷の方は🔙
↓余談(ワンクの意図もあり)
5000字で終わらせるぞ!と意気込み書き始めたところ、ちゃっかりlilpとかprlpみたいに長くなってしまいました…。(10000字😂👏🏻)
いや、書きたい要素が多すぎた!仕方ない!
お時間ある方、是非お付き合いください
一応読み切りなので続きは あまり考えておりませんが、 まあ需要があれば書きたいですね!
はい長々とすみません
ではどうぞ!
彼は駅の改札を出たすぐの壁に寄りかかっていた。
「おはよー。ごめん待った?」
「ん、おはよ。ううん、さっき来たとこ」
そうニコッと微笑むのは、俺が所属している『めておらいつ』というグループの赤色担当、ロゼ。
「じゃあ早速行く?」
彼がそういって指したのは、信号の向こうにある大手チェーンのカラオケ店。
「ん、行こ行こ。寒いし早く中入りたいわ」
「んね。寒いよな~今日」
そうフワフワと話す彼は、カラオケボックスに入ると凶変するのだ。
圧倒的な歌唱力を見せつけられる。
ビブラートは驚異の40超え。
点数は…
「ぇ、は、94!?!?」
「おおーやったぁ~」
「いや反応薄ない!?」
「ww」
今日はプライベートでロゼとカラオケにきた。
誘ったのは俺から。
新しい歌ってみたを投稿する上で色々と教わりたかったからきた…というのは建前。
「いやいや、うますぎやろw流石すぎるんやけど」
「wwありがと 」
本当は普通にロゼと遊びたかっただけだ。
ロゼとは話の波長が合う。
ロゼの方が年上で年齢差も結構ある中、やはり彼とは話しやすい。
いつもは服やアクセサリーを買いに行くことが多いが、ライブも控えているので歌の練習がてら、たまには2人でカラオケに行ってもいいのではと思い、思い切って誘った。
「でもまあ、JOYSOUNDだから点数高いよね」
「そうなん?」
「うん。だからこんなもんだよ~
はい次らぴちゃんね」
機種のおかげだと言う謙虚な彼は俺にマイクを渡した。
もっと自慢していいのに、と思う。
俺の入れた曲が始まる。最近流行りの曲だ。
「〜〜♪」
「あっ知ってるよ、コレ!」
俺が歌う時はスマホをちゃんとしまってくれるところが好き。
知ってる曲だって教えてくれるところが好き。
「 ♫(にこにこ( 頷」
頷いて画面見ながらノってくれるところが好き。
「〜〜〜〜!♪」
「うわ!今のとこ流石にうまい」
そうやって要所要所で褒めてくれるところが好き。
…好き?
曲が終わる。
「うぇ~い!めっちゃいい!」
「ほんまに!?えぇ嬉しいありがとー!」
「コレ90あるでしょ」
「えぇ~あるかなぁ?」
ドキドキと採点結果を2人で待つ。
すると画面にはデカデカと『89』と表示される。
「ぐわぁぁぁあ!!」
「惜っし!!それはもう90でいいだろ!」
「それなぁ!?
…ってなると94えぐいな」
「wwたまたまでしょ。らぴちゃんの曲がムズいんよ」
素で優しくフォローしてくれるところが好き。
そう笑ってドリンクを飲む横顔が少し幼くて好き。
…好き?
「……ぁ、次、ロゼな!はい!」
「ん!ありがとっ」
受け取る手のネイルが慣れない色だった。
思わずロゼの左手をとって、指先をみる。
「ネイル変えた?」
「ぇ、うん!変えた!よく気づいたね」
「いいでしょこの色」
「うん、めっちゃええわ!似合ってる」
「ありがと~」
するとロゼは左手を俺に任せたように力をぬく。
ネイルを小指から順番にふにふにと触らせてもらう。赤と黒のグラデーションで綺麗。
けどそれ以上に手が丸くて可愛くて愛おしすぎる。
ロゼの曲が始まる。
イントロが流れる。
「そろそろ曲始まるから、そろそろふにふにやめて?w」
「えぇ~…w」
そんなこと言われたら
いじわるしたくなってしまう。
ロゼの曲のAメロが始まった。
俺はしぶしぶ手を離す。
ロゼは難なく歌い上げる。
やっぱり上手だなあって思う。
さっきまでふざけて笑っていた同じ人とは思えないくらい、真っ直ぐで、綺麗で、強い歌声。
「〜〜〜♪」
サビに入ると、自然と鳥肌が立つ。
ビブラートが震えるたびに、胸の奥がくすぐられるみたいで。
彼の歌唱力は、めておらの中でもレベチだ。
知ってるはずなのに、毎回驚かされる。
(やっぱ、すげぇ)
画面なんてほとんど見てない。
俺はずっと彼の横顔を見ていた。
歌うとき、少し目を細める癖。
リズムを取るために左右に揺れる肩。
高音の前にほんの少し息を吸う瞬間。
全部、やけに鮮明に目につく。
(……なんでこんな見てんだ?俺。)
ロゼが歌い終わる。
俺は視線をロゼから画面にパッと戻す。ずっと見ていたこと、バレていないだろうか。
「__はいっ、どうよ!」
「いやえぐすぎ!!がちで上手い!」
「えぇ?ほんと?w」
「なんで曲ごとに声色変えれるんや…がちで天才」
「wwそんな褒める?」
照れたみたいに笑って、ロゼはマイクを机に置く。 かわいい。
画面に出た数字は 『96』。
「はぁ!?!?!?」
「え!?がち!?」
「いやいやいやいや!!
さっきより上がっとるやん!!」
「まじか〜…今日調子いいかも?」
「かも?じゃないやろ!!w」
「ww」
ロゼはケラケラ笑ってる。
その顔が、なんか…やばい。
(なんなんやろこの感じ)
胸がざわつく。変な感じだ。
いつも一緒にいるのに、今更なんなんだろうか。
どこか距離が近い気がして落ち着かない。
「らぴちゃん」
「ん?」
「次らぴちゃんだよ。なに歌う?」
ロゼがそう言いながら、タブレットを渡してくる。
さっき俺が触ってた左手が視界にうつる。
赤と黒のキラキラのネイル。
丸くてふにふにの指先。
柔らかかった感触。 温度。
「……」
「……らぴちゃん?」
「ぁ、あ、ごめん」
「どうした?ぼーっとしてたけど」
ロゼが少し顔を覗き込んでくる。
近い…!
「顔ちょっと赤くない?」
「…え、そうかな」
「うん。部屋暑い?冷房かける?」
そう言って彼は、俺の首に手を当てた。
「っ、」
冷たい。
俺の襟足にロゼのネイルが少し当たる。
「んー…熱はなさそう」
(無理無理無理)
心臓がうるさい。
こんなの今までもあったのに。
「らぴちゃん心臓バクバクしてない?」
「え」
この距離なんて慣れっこだったのに。
「ほら、ここ」
ロゼが俺の胸に指を当てる。
トンッと軽く。
「めっちゃ速いけど」
「……っ別に」
「どうしたん?緊張?w」
パッと手を離して首をかしげて笑うロゼ。
「いまさらメンバーの前で歌うのに緊張はないでしょ~w」
「もう俺、先に曲入れちゃうからね?らぴちゃん次の曲、俺が歌い終わるまでに決めといてよー?」
その顔が、あまりにも無邪気で。
(……これ)
やっと気づく。
さっきから頭の中でぐるぐるしてた言葉。
好き。
「やっぱFFDMかな~…よしっ」
ロゼは独り言を言いながらタブレットと一生懸命にらめっこしている。
「………ロゼ」
「ん?」
「俺さ」
喉が少し乾く。
なんで今言おうとしてるんだろう。
でも、止まれなかった。
「多分、」
ロゼがこっちをまっすぐ見る。
「ロゼのこと__」
_ピコン♪
画面が光る。
「「!?」」
ロゼが入れてた曲のイントロが爆音で流れる。
「うわ待ってびっくりした!!まって一旦止めるw」
ロゼが笑う。 曲が止まる。
「ごめんwタイミング最悪だわww」
「…それなww」
俺もつられて笑ってしまう。
ある意味助かったのかもしれない。
「ごめん!何言おうとしてたの?」
「……いや」
言葉が喉の奥に戻る。
「なんでもない」
「えぇ〜絶対なんかあったじゃん」
「なんもないって、!」
「ええ~…w」
ロゼがマイクを持ちながら笑う。
「…じゃあ歌い終わったら聞くからね?」
そう言って、曲を再開してロゼは歌い始めた。
また、あの声。
また、あの横顔。
(……あーもう)
俺は赤く染まった顔を覆う。無意識に見てしまうあたり、もう手遅れらしい。
(俺、ロゼのこと完全に好きやん)
ロゼの歌声は部屋いっぱいに響いていた。
歌が終わるころには、俺の心臓はまだ全然落ち着いてなかった。
「はいっ、終わり〜!」
「……うま」
「反応うっすwさっきの勢いはどうしたのよw 」
ロゼは笑いながらマイクを置く。
画面にはまた90点台の点数が出ていたけど、正直それどころじゃない。
自覚した瞬間から、全部がおかしい。
ロゼが動くたび、視線が向いて。
笑うたび、胸がドキドキして。
「らぴちゃん?」
「ん?」
「さっきの続きは?」
「……いや、なんでもないって」
「絶対なんかあるやーん」
ニヤニヤしながらロゼが近づく。
近い。
「言ってよ」
「いや無理」
「なんで?隠し事ですかぁ?」
「…恥ずい」
「えぇ?なにそれw」
ロゼは楽しそうに笑う。
「まぁいいや」
「次らぴちゃんだからね!歌!練習したいんでしょ?」
「あ、そうやったw、いれますいれます」
「忘れてたな?!」
「wwwバレたわ」
「ww」
「…あ、らぴちゃん、めておらの曲はさ、一緒歌わない?」
「もちろん」
ロゼは俺のことをこれ以上深掘りせず、
そのまま時間は流れた。
ちなみにFIRST1MPACTを2人で歌ったが88だった。なんでやねん。
「はーっ、歌った歌った!満足やわ」
「ちゅぃーん♫ちゅぃーん♫ちゅぅぃーん♫」
「まだカラオケボックスの人いるんやけどw」
「ww、ぬけないんだって余韻が」
ロゼとちゅぃんちゅぃん言いながら駅の方に歩く。もう目的は果たしたので解散なのかなと思い、ロゼに聞く。
「もう帰るん?」
「え?いやだよ」
「ん?」
「だから、次行こ」
「次?」
ロゼが上目遣いでニコッと笑う。
並んで歩くと俺のほうが視線は上だ。
「いつもの服屋さん」
「お、行く?」
「行く」
そう言ってロゼはクイッと俺の腕を軽く引いた。
「………//」
駅前の通りを少し歩くと、いつも行く服屋が見えてくる。
メンバーともよく来るけど、今日は2人。
ドアの鈴が鳴る。
「いらっしゃいませ〜」
ロゼは慣れた様子で店内を見始める。
「うわ、このジャケットかわい」
「ほんまや」
ロゼがラックから黒いジャケットを取る。
「らぴちゃんこれ似合いそう」
「え?俺?」
「ほら」
そう言って、俺の肩に軽く当ててくる。
近い。
「……ちょ、/」
「絶対似合うって」
ロゼは俺の前に立って、服を当てながらじっと見てくる。
「うん、やっぱ似合う」
「そんな見んといて」
「なんでw」
「なんか恥ずい」
「また言ってるw」
ロゼはふふっと笑う。
「らぴちゃん今日ずっと恥ずかしがってない?」
「そんなことない」
「あるって」
ロゼが俺の手を取る。
指先を軽く触る。
「じゃあ、なんでこんな震えてんの?」
「……」
「寒い?」
「いや、ちゃう、けどっ、」
手をギュッと握られる。
「…ッ、ロゼっ、!/」
「ん?」
顔を下に向けると、すぐそこにロゼがいる。
近い。
「…っ」
「今日のらぴちゃん
なんか可愛いね」
「っ、!//」
ほんとに、なんなん、この人。
「いじめたくなる、w」
完全に無自覚だし、 絶対わかってない。
俺がどんな気持ちで振り回されてるかなんて、きっと知ろうともしてないだろう。
「ねね、らぴちゃん」
「…なんや」
「このあとさ」
ロゼは俺の手をまだ握ったまま言う。
「もう一軒行こ?」
「どこ」
「アクセサリーのとこ」
「いつもの?」
「うん
らぴちゃん、このあいだ新しいアクセサリーほしいって言ってたくない?」
「……言ったけど。よく覚えてるなあ」
「そりゃあ覚えてるでしょ」
そして、さらっと言った。
「俺がプライベートで2人きりで1番お出かけしてるのは、らぴちゃんだもん」
「……は、//」
「…あっ!まってあのズボン似合いそう、!」
ロゼはルンルンで次の服を見に行っている。
俺はその場でしばらく固まっていた。
心臓が、ドクドクと、うるさかった。
なんとか足を動かして追いつく。
ロゼは次々とラックから服を取っていく。
「これも良くない?」
「いやあのさ、多くない?そんな買うん」
「大丈夫大丈夫」
腕の中に服をぽんぽん積んでいくロゼ。
もうすぐライブだからなのか?とか思うが、にしても多い気がする。
黒のジャケット、ゆるめのニット、デニム、あとよく分からないシャツまで増えていく。
「ほら」
「え」
「試着してきて」
「いや多いって!」
「いいからいいから」
「待って全部俺?」
「当たり前!」
ロゼは笑いながら俺の背中を押す。
「嘘やろ…w」
試着室のカーテンの前。
「ほら入って」
「ロゼは?」
「ここで待ってる」
「…えぇ…恥ずいんやけど」
「なんで?」
「見られるやん」
「見るに決まってるじゃん」
ロゼはケロッとしてる。
「俺がらぴちゃんに似合うかチェックするんだし」
「…はいはい」
「ほら!早く着て!」
(この人ほんまに…)
俺はため息をつきながら試着室に入る。
靴を脱いでカーテンを閉める。
「らぴちゃーん」
外から俺を呼ぶ声がした。
「なに」
「まずジャケットね」
「はいはい」
服を脱いでジャケットを着る。
鏡を見る。
自分で言うのもあれだが…普通に似合ってる気がする。 流石ロゼ。
「着た」
「見せてー」
カーテンを少し開ける。
するとすぐ目の前にロゼがいた。
「近っ」
「見るって言ったじゃん」
「そんなにじろじろ見るんや」
ロゼは俺を上から下までじーっと見る。
「…どう」
「うん」
ロゼが少し近づく。
肩を軽く触る。
「サイズぴったり」
指がジャケットの肩を整える。
「ちょっと回ってよ、1周」
「なんで」
「後ろ見たい」
言われた通りに回る。
「うん、いい」
「ほんま?」
「うん。 めっちゃ似合う」
「ほんまに?」
「うんwそんなに疑う?w」
「だって…あんまり着ない素材やから」
「そ?大丈夫だよ」
そしてふっと笑う。
「ちゃんとかっこいい」
「っ」
心臓が跳ねる。
「……ありがと」
「ねぇ」
「ん?」
「中のニットも着てみて」
「はいはい」
1度カーテンを閉める。
ジャケットを脱ぐ。 ニットを着る。
鏡を見る。
…これも良いなあ。
「らぴちゃーん」
「着た着た」
カーテンを開ける。
ロゼにまたじっと見られる。
今度は腕を掴まれる。
「ちょっと袖見せて」
手首を持ち上げられる。 指が触れる。
近い。
「……/」
「うん」
ロゼが満足そうに頷く。
「それも似合う」
「…ほんまかぁ?」
「ほんと!」
そして、ボソッと言う。
「今日のらぴちゃん、なんかいつもよりかっこいい」
「……は?」
「なんでだろ」
ロゼは俺の顔をじっと見る。
「髪かな」
「いや変えてないけど」
「じゃあ雰囲気?」
「知らん」
「んー」
ロゼは少し考えてから、さらっと言う。
「俺と2人だから?」
「……はッ、?/」
息が詰まる。
「まあいいや何でも」
「ッ~~~!…//」
…この無自覚野郎が…!
「んじゃ、らぴちゃん、次デニムね。」
カーテンを閉められる。
俺は我慢していた分、顔を覆う。
無理、 ほんま無理、 この人。
人のこと好きにさせておいて 、こんなに無自覚で振り回されるなんて聞いてない。
そんな届かない文句を心の中で言っていると、外からロゼの声がした。
「らぴちゃん」
「……ん」
「遅い」
「ズボン履き替えてんねん!」
「ww」
デニムを履いて、試着室のカーテンを開ける。
「どう」
そう言うと、ロゼは少し下がって 腕を組んでじっと俺のことを見る。
「……おおー」
「なに」
「いや」
ロゼはゆっくり頷く。
「めっちゃいい」
「ほんま?」
「うん」
後ろ向いて、と言われたのでクルッとロゼに背中を向ける。
するとロゼが近づいてきて、デニムの腰のあたりを軽く触られる。
「このシルエット好き」
「ッ!…ちょ、触んなって、!/ 」
「んぇ?いいじゃん別に」
まじでこいつ…と思った、 その時だった。
「いかがですか〜?」
後ろから店員さんの声がする。
正直助かった。
2人で振り向くと、服を整えながら微笑んでいる女性店員がいた。
「あ、すごく似合ってますね!」
「ぇ、ですよね!!」
ロゼが嬉しそうに答える。
店員さんは俺とロゼを見比べて、それからニコッと笑った。
「背が高い方なので、シルエット綺麗に出ますね」
「だってよ、らぴちゃん」
「へっへーん」
店員さんは楽しそうに続けた。
「お連れの方が選んでくれたんですか?」
「そうです!!」
ロゼが即答する。
「センスいいですね〜」
ロゼはちょっと照れたように笑う。
「いやぁ、そんなことないですよぉ」
「ww」
店員さんはそんな俺らを見て少し首を傾げる。
それから、ふふっと笑った。
「お2人、仲いいですね」
「え?」
「もしかして」
少し声を潜めてロゼに聞いた。
「彼氏さんですか?」
「……」
「……」
時間が止まる。
ロゼが一瞬きょとんとする。
俺の心臓は一気に跳ね上がる。
「ぁ、えっと…」
言い淀むロゼに店員さんは慌てて手を振る。
「違ったらすみません!雰囲気がすごく仲良しだったので…!」
ロゼは少し黙ったあと、
「……あー」
と、小さく声を出す。
そして、 くすっと笑った。
「どうなんだろ」
「…どうなんだろってなに」
ロゼは俺を見る。
自然と上目遣いになっていて、可愛い。
「らぴちゃん」
「……なに」
「らぴちゃんって、俺の彼氏?」
「は、!?//」
思わず声が出る。
店員さんが、すみませんすみません!と慌てている。
ロゼはケラケラ笑う。
「冗談冗談」
「ちょ、ッ ~……やめろや!!//」
顔が熱い。
店員さんもつられて笑う。
「すごくお似合いで、つい」
「ほんとですか?」
ロゼは嬉しそうに聞く。
「はい、身長差も素敵ですし」
「身長差」
ロゼが言葉を繰り返す。
それから、俺の隣に並ぶ。
俺の肩ぐらいの位置にあるロゼのふわふわな髪の毛。つむじがくるっとしていて可愛い。
ロゼは再び俺を見上げる。
「んー、らぴちゃんでかい」
「今さらすぎん?」
「いや改めて思うと」
ロゼは笑いながら言う。
「彼氏感あるね」
「やめろ!!」
「ww」
店員さんはニコニコしている。
「そのデニム人気なんですよ」
「じゃあ買ってくるね」
ロゼが即答する。
「え」
「似合ってるし」
「いや俺が払う」
「いいって」
「じゃあ半分ずつね、決定です」
「えぇ…」
「らぴちゃん」
「…もーなに?」
「忘れてないと思うけど、これ買ったらアクセサリー屋さん行こ」
「まだ行くん?」
「行く」
ロゼは俺の腰に両手をおく。
そして、上目遣いで小さく言う。
「らびちゃんは、俺の、彼氏なんでしょ?」
「っ…!!//
ロゼぇぇ!!!!//」
「あははっww」
その無邪気な笑顔にキュンとする。
俺は顔の熱を見られたくなくて最高速度でカーテンを閉めた。
服屋を出ると、外の空気はさっきより少し冷たかった。まだ熱い気がする顔が冷やされる感覚がある。
さっき買った服屋の紙袋を揺らしながら歩き出す。
「次こっち」
「ほんまに行くんや」
「行くって言ったじゃん!えぇ嘘だと思ってたの!」
「いや、そんなことはないけど」
「ほんとかあ?ww」
ロゼはこちらを見て笑う。
「らぴちゃんに似合うの見つけたいから行く」
「……そっか」
…もっと好きになるから
それをやめてくれ。
歩いて数分。
小さなアクセサリーショップに入る。
ガラスケースに並ぶネックレスやリングが照明でキラキラしていた。
「うわー!」
ロゼが楽しそうに覗き込む。
「ここかっこいいよね」
「それな」
俺はロゼにかぶさるように後ろから見る。
「これよくない?」
ロゼが指差す。
シンプルなシルバーリング。
「らぴちゃん似合いそう」
「また俺?」
「うん」
「俺ばっかやなくて、ロゼが好きなのも買ってや」
「分かってる。でもこれはらぴちゃんが似合うと思って」
本当にこの人は、そういうことをサラッと言う。
ロゼは店員さんに声をかける。
「これ試着できますか?」
「はい!大丈夫ですよ~」
店員さんがリングを出してくれる。
ロゼがそれを受け取る。
そして俺の方を向く。
「手出して」
「あ、はい」
俺は反射で利き手の左手を出してしまう。
ロゼは俺の手を取る。
触れた ロゼの手は少しひんやりしている。
「どの指かな〜」
「どこでもええやろ」
ロゼが俺の手を見ながら考える。
「…… ん、ここかな」
薬指。
「……待って」
「ん?」
「なんで薬指」
「バランス」
「バランスって…」
そう言って、ロゼはリングをゆっくり通す。
するっと入る。 ぴったり。
「おお」
ロゼの目が少し輝く。
「めっちゃ似合う」
俺の薬指を持ったまま、じっと見る。
「シンプルでいい
らぴちゃん手大きいからリング映えるね」
そう言って、軽く指を撫でる。
「っ……そう?」
心臓がまたうるさい。
そのとき、店員さんがふっと笑った。
「お似合いですね」
「え?」
「リング」
店員さんは優しく続ける。
「彼氏さんが選んでくれると嬉しいですよね」
「……」
まただ。
ロゼが少し笑う。
「…………ふはっ、w
彼氏じゃないですよ」
「ぁ、失礼しました!」
店員さんが慌てる。
でもロゼは俺の手をまだ離していない。
むしろ、少し強く握る。
「でも」
ロゼがぽつっと言う。
「似合ってるのは本当」
俺を見る。
「買う?」
「え」
「プレゼント」
「いやいらん」
「なんで」
「高いやろ」
「いいって」
「いやいや」
ロゼは俺の薬指のリングをくるっと回す。
「……俺があげたいんだけど」
「……っぇ、」
「今日いっぱい付き合ってくれてるし」
本当にこの人は、どこまでも優しくて謙虚だ。
今日の誘いに付き合ってくれたのはロゼやろ、と思う。
ロゼは俺の薬指のリングをまた見る。
「やっぱ好きだな、これ」
「かっこいいよ」
…ああ。この人は本当に。
「…ッ…ロゼ」
「ん?」
ロゼは首を傾げる。
その仕草も声も
全部可愛くて。
限界だった。
俺はそのリングをつけたままの左手でロゼの手首を軽く掴む。
「……らぴちゃん?」
ロゼが驚いた顔をする。
「ロゼ」
「ん、なぁに」
「…これ以上」
声が少し震えて小さくなる。
「振り回すのやめてや」
ロゼがじっと俺を見る。
「振り回してる?」
「……うん」
すると少し慌てた表情になる。
「 あ、色々買い物付き合わせてるってこと、??それはごめ__」
「ッそうじゃなくて!!!」
思わず大きな声が出る。
「……付き合わせてなんてないわ。
…今日の誘いに付き合ってくれてるのはロゼやろ」
「じゃあ俺、何を振り回してる…?」
「……そ、れは」
まぎれもなく
俺の、恋心。
言葉が詰まる。 ロゼは少し黙る。
そして、ふっと笑った。
「…ねぇらぴちゃん」
「……うん」
「もしかしてさ」
目を細めて言う。
「俺のこと好きになった?」
コメント
13件
うわーーー‼️‼️‼️‼️😿💖本当に可愛いです本当に好きです😭😭 rsさんの行動ひとつひとつにドキドキしてるlpさんが可愛すぎてもう😭 「lpちゃんは俺の彼氏なんでしょ?」←これ本当にやばいーー🤦♀️💗 続きまってます‼️🙂↕️
このペア初めて見たけどめっちゃ好きになりました!!にとるさんが書くものはなんでも好きになります!笑
ねぇぇぇぇ…!!!好きですぅぅぅ🥹尊すぎる!!!
3,952
4,605