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カリンの花言葉
______ねえ、1つだけ質問してもいい?
んぁ?なんだよ、
__愛を…__
ぁ?あい?
愛を知らないけど、健康…愛を知ってるけど、短命…愛斗(あいと)だったらどっちを選ぶ?
と、空気みたいな軽さと透明度を持つ君がつぶらな瞳で見つめてきた。
んぁ〜って、…聞かれてもなぁ…まぁ俺だったら、愛を知らないけど健康…を選ぶかな?
へぇ、やっぱ君は分かってないんだな
って、聞いたのお前だろ!
えへへ、愛斗見たいに軽くなれたらなあ
と、自分の方が軽いことにも気づかず、不穏な空気が流れ始める。
ヒューヒューと、細くて冷たい風が窓の隙間から流れ込んでくる。
今年の春は早いねぇ、
早い…って、なんだ?
夏が来たらさ、クラス替えももう終わってるんだなぁ
って、それ当たり前だろ?
当たり前かあ…笑私にもいつか、その”当たり前”が来たらいいのになぁ。
ねぇ、愛斗くん、私ね、実はあと3ヶ月なんだぁ…
ポツポツと透明な肌に水が滲んでくる。
それって…どういう…
愛斗くん、
と、君の軽くて透明な綺麗な手が僕の頬に触れて来る。
愛斗くん、私たち、別れよっか笑笑
今にでも死にそうな目で問いかけてくるきみに、なにも反応ができなかった。
い…いやだ…いやだよ、そんなの…やだ、やだ、やだ!
愛斗くん…
やだ!やだやだやだやだ!!絶対にやだ!
愛斗くん!!、愛斗くん、もうダメなんだよ、私たち、もう終わりにしよう?ね?
________。。。
あれ、今思えばどんな名前だったっけ、昔の死んだ恋人の名前、なんだったっけ。
今日も家の近くにある古臭くて暗いコンビニのアルバイトをしている。大体遅刻して店長に怒られて、仕事終わりに3時間、正座でお説教。これが俺の毎日の風習。
おい、河西!!!今日もお前遅刻か、なぁ!!!
バコンッッ!!!
いってぇ…てんちょー、これ暴行罪じゃないんすか?
おい、お前少しは黙ることも出来ねぇのかよ!!!
バチンッッ!!!!!!
…
いや、痛てーわ、叫びたいわ、逃げたいわ、なんで俺こんなんになっちまったのかねぇ…
事は7年前の5月。丁度別れを告げられた。