テラーノベル
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楽屋のドアが閉まると、外のざわめきが嘘みたいに静かになった。
ライブ本番まで、あと少し。
鏡の前で髪を整えていた景瑚は、ふっと鏡越しに後ろを見た。ソファに座っている瑠姫が、スマホをいじりながらどこかぼんやりしている。
景瑚「瑠姫くん、今日静かだね」
軽くからかうように声をかけると、瑠姫は顔を上げた。
瑠姫「…別に。いつもこんなもんでしょ」
景瑚「うそ。絶対なんか考えてる顔してる!!!!」
景瑚は立ち上がり、瑠姫の前まで歩いてくる。その距離が思ったより近くて、瑠姫は少しだけ照れる
瑠姫「なに?⸝⸝⸝」
景瑚「いや、ほんとに何考えてるのかなって」
景瑚はそう言って、瑠姫の隣に腰を下ろした。ソファが少し沈んで、肩が軽く触れる。
それだけで、瑠姫の心臓が少し速くなる。
瑠姫「…ライブのこと」
景瑚「え!?あのるっくんが!!!珍しいね。緊張?」
瑠姫「景瑚うるさい!…さすがの俺でもちょっとは緊張するよ」
瑠姫が素直に言うと、景瑚はくすっと笑った。
景瑚「瑠姫くんでも緊張するんだ」
景瑚「俺はさ」
景瑚は天井を見上げながら言った。
景瑚「瑠姫くんがいると安心する!!!!多分みんなもそうだよ^^」
その言葉に、瑠姫は一瞬固まった。
瑠姫「…なにそれ」
景瑚「だってさ、いつも冷静じゃん」
瑠姫「別に冷静なわけじゃない」
景瑚「でも頼れる」
景瑚はそう言って、ふと瑠姫の方を見る。視線がぶつかった。
近い。
思ったよりずっと。
瑠姫が目を逸らそうとした瞬間、景瑚がふっと笑った。
景瑚「照れてる?」
瑠姫「照れてない」
景瑚「絶対照れてる」
瑠姫「照れてないし⸝⸝⸝」
景瑚 「照れてるね。お顔真っ赤だもん」
言い合いながら、なぜか二人とも少し笑ってしまう。
騒がしい楽屋に、笑い声が小さく響いた。
瑠姫が視線を落とすと、景瑚の手がすぐ隣にあった。長くて綺麗な指。
少しだけ迷ってから、瑠姫はぽつりと呟く。
瑠姫「…俺も」
景瑚「ん?」
瑠姫「景瑚がいると安心する⸝⸝⸝⸝⸝⸝」
その瞬間、景瑚の目が少し大きくなった。
景瑚「え、!?!?!?」
景瑚は少し止まってから口を開いた。
景瑚「初めて聞いた」
瑠姫「言ってないだけ\(//∇//)\」
瑠姫は少し照れくさそうに笑った。
すると瑠姫が、急に距離を詰めた。
瑠姫「景瑚」
景瑚「どうしたの?」
瑠姫「今日さ」
景瑚「うん」
瑠姫「ライブ終わったら…夜おれん家きてぇ?」
景瑚は一瞬きょとんとして、それから笑った。
景瑚「え?瑠姫くんが家に誘ってくれたの初めて!!!!!!」
瑠姫「あまえたい⸝⸝⸝⸝⸝⸝⸝⸝⸝」
景瑚「るっくん可愛すぎる!!!!もういっぱい甘えてね!!!!」
瑠姫「やった(,,>ω<,,)」
景瑚は子どもみたいに笑う。
その笑顔を見て、瑠姫は思った。
(やっぱり、景瑚といると落ち着く)
その時、楽屋の外から声がした。
ス「本番5分前でーす!」
二人は同時に立ち上がる。
ドアに向かいながら、景瑚がふっと言った。
景瑚「瑠姫くん」
瑠姫「ん?」
景瑚「今日、絶対成功させるし夜楽しみだね😏」
瑠姫「誤解招く言い方!!!!」
景瑚は振り返って笑った。
景瑚「ライブ楽しもうね!!!るっくん!」
景瑚「あと夜も楽しみだね!!!笑」
瑠姫は少しだけ目を細めて笑う。
瑠姫「…バカ」
でもその声は、どこか嬉しそうだった。
二人は並んで楽屋を出る。
ステージの光の方へ。
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