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「、、、実は、僕の家は剣術の家で、、、そこで僕も剣やっとるんやけど、今日技ミスって、師匠にあんたもう刀握るな言われまして」
名門だとミスひとつ許せないのか。暗殺と同じだ。
「、、、ミスすると怒られるよね、ボクもよく、会社でミスして怒られるよ」
架空の話をする。本当はそんなことなんてない。
「でも、ミスひとつなんて自分の得意なことで覆せばなんてことなくなるよ!」
そう言うと保科は微笑んだ。
「ありがとうございます。鳴海さんは優しいんやね」
違う。本当はお前を殺すためだ。
「いやいや、そんな。そうだ、袴が乾くまで少しボクのベットで寝たらどうだ?」殺しやすいから。心の中で呟く。今日、殺してやる。
「何から何まですみません。、、、では寝させていただきます」
そう言って寝室に案内し、寝かせた。
そろそろ寝たか。時計の針が一周くらいしたころ。鳴海は自分愛用のナイフを持ってそうっと寝室に行く。保科は既に寝ていた。殺しやすい。今しかないんだ。ごめん保科。
、、、最後に顔でも拝んどいてやろうか。そう思い、寝顔を覗く。目に入ってきたのはまるで美しい桔梗。いつもは笑っているが、寝た時の顔はとても美しい。目が離せない。いつのまにか、鳴海はナイフをしまっていた。
「ん、、、鳴海、、さん?おはようございます」
「んん〜、、、」
目を開けると腕の中にすっぽりとハマった保科がいた。
「えっ?!」
「声でか」
つい大声をあげてしまう。ボクはいつから保科と寝てしまっていたんだ?確か殺そうとして、、、寝顔をみて、、、。もしかしてその後保科の隣で寝たのか?!暗殺者が??!!
「あ、あぁ。おはよう、気分はっ!どう?」
「落ち着きました。ありがとうございます」
そう言って鳴海の胸に顔を埋める。
、、、可愛いな、、、
殺す相手にこんな感情を抱いたのは初めてだ。心の中ではお祭り騒ぎだ。
「本当にありがとうございました」
保科はそう言って頭を下げて出て行った。外はすっかり暗くなっていた。傘を貸してまた返しにくると言っていたからまた会えるんだ。返す時は家に来てと伝えたからまた会える。
、、、なんでボクはこんなに会えるのが楽しみなんだろう。