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腐向けに見えますが腐向けじゃないです
蘭さんの方言わかんないです
国名呼びで短いです
「こちらが白粉で…えっと、こちらが紅です。お歯黒もありますが、私は使いませんね」
「……お前、紅なんか使っとんのけ」
「ええ、時々ね」
襖から差し込まれる太陽の温かな光は2人しかいない部屋によく透き通った。畳に置かれている白粉を優しく手に取り、小さな刷毛のようなものでぽんぽん、と頬につける。
「これが白粉。肌を白く見せるためにつけます」
「お前、もう肌白いんにつける必要あるんか」
「……まぁそうなんですけれど…」
図星を突かれた日本は少し気まずそうに目線を伏せ横にしたあと気を取り直したように目線を上げた。
「兎に角。次は紅ですね」
話をすり替えたらしい。そんな声に釣られ菊の手元にあるお猪口型の紅、らしいものを見る。紅と言われても、自分には一切紅には見えないのだが。
蘭の疑わしい視線に気付いた日本はふふ、と小さく笑って少量の水が入った杯に筆を入れ水を含ませた。そうして数回、筆をしごいて余分な水を落とす。そのあとはお猪口型の紅を傾かせ余分な水が入らぬようそっと縁を筆で少量ずつとかしていく。それがこの紅の使い方。
その手つきはどこか妖艶で、丸山にいる遊女を思い出させた。じっと様子を見ていると、伏せていた目を上げて、黒い黒曜石と目があった。
「……見過ぎ。」
思わず眉をぴくりと動かす。
「…見なんだら怒るくせによく言うざ」
「そんな、私がそんなことを言うと思います?」
彼はにっこりと笑った。
「思ってるから言ってるんや」
「ふふ、そうですか」
その言葉を最後に、日本はまた目を伏せて筆についた紅を優しく柔らかな唇へと乗せる。すると彼の唇は今よりももっと紅く染まっていく。
「……これがこの紅の使い方です」
わかりましたか?と言葉を続けた。使い方はわかったが、何故こいつは自分にこの紅の使い方を教えているのだろう。
「…俺にそれを教えても俺は使わん」
「知ってますよそんなの。気分です気分」
ちなみに、と話を続ける。こと、と筆を置きまっすぐこちらを見据えた。
「アイカラーでもチークとしてもこちらの紅は使えますよ」
「ほうか」
「あ、興味ないって顔。」
実際興味はない。こいつが実践しているから自分は見てるだけなのだ。どうせこれを自国に持って帰ってもどうせ使い方はこいつのように説明できないのだから、意味はない。
「これで遊女の方にもお話しできますね」
「別に話さんわ」