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本作品は二次創作、およびフィクションとなります。
不快に思われる方は、ご視聴をご遠慮ください。
ご本人様との関係は、一切ございません。
嘔吐表現 微有
桃黄表現 微有
センシティブが付いていますが、そのような表現はございません。
HSP。
黄「はっ… ふぅッ」
朝から満員電車はきつい。
ちょうど通学の時間らしく、小声で話しながら目的の駅を待つ学生の姿が多く見られた。
それがこわい。
あの声は、全部、僕に向けられたものなんじゃないかって。
実は、僕を見て嘲笑っているんじゃないかって。
僕の思い込みだ。
意識は向けないようにしている。
頭ではわかっているのにおさまらない。
寧ろ吐き気も増して悪化していくばかり。
“醜形恐怖症。
原因のひとつはこれかな、なんて。
自覚したその日から、僕はマスクが手放せなくなっていた。
< 次は ~~~ 、 ~ 。
やっとだ。
電光掲示板の光に目を逸らしながら、改札へ急いだ。
赤「るぅちゃん!おはよ ~ !」
無邪気な笑顔を向けてきたのは莉犬だ。
黄「莉犬!今日早いね 笑」
赤「なっ、!俺だって早く来ることぐらいあります ~ 」
そう言っていじける顔に、少し安心を覚えた。
橙「おはよ ~ 」
桃「おざっす」
紫「おはよ!」
続々とメンバーが集まってきた。
ころちゃんはいつも通り、ね。笑
青「おくれましたぁ ~ !」
ほら 笑。
そうこうしてダンスレッスンが始まった。
僕はこの時間が苦手だ。
すごく。
だって、爆音で流れる曲に耐えなければいけないから。
そんな僕の気持ちなど知らず、今日もスピーカーからは音の波が溢れ出ている。
その時だった。
< キ ー ン
黄「いやっ…ッ」
嫌な音。
甲高い音が、僕の耳を貫いた。
最悪。
ハウリングだ。
僕はダンスレッスン中にも関わらず、反射的に耳を塞いでしゃがみこんでしまった。
やばい。早く立ち上がらないと。
みんなにも迷惑をかけてしまう。
桃「るぅと、!大丈夫か?」
僕がしゃがみこんだのはたった一瞬。
その一瞬のあいだに、曲は止まっていた。
スピーカは揺れを失い、心做しか寂しそうに見える。
ぁ…ちがう。
僕が止めたんだ。
みんなの練習も、爆音で流れる曲も。
黄「ごめんなさ…っ、ごめんなさい、」
もちろん、みんなに僕の”気質のことは話していない。
僕のせい。僕のせい。
みんなはなんて思ってるかな。
もう、嫌われちゃったかな。
いらないとか思ってるのかな。
こんな醜い僕を見て、笑ってるのかな。
僕がしゃがんでいるからか、よりいっそうみんなからの威圧感を感じた気がした。
こわい。
桃「るぅとっ、」
黄「ごめんなさい、続けよう」
早くこの場から逃げたくて、さとみくんが言い終わるよりも先に、口を動かした。
他のみんなも何か言いたげな様子で僕を見ていたが、それぞれ配置に戻っていく。
怒ってるのかな。
呆れられたのかな。
無言のまま、居心地が悪かった。
不安で不安で仕方がなかった。
泣いちゃだめ。だめ。
唇をぎゅっと噛んで、必死に耐えた。
レッスン終わり、みんなはいつも通りに復活していた。
元凶は僕なのだけど。
まだまだ不安は残ったまま。
いつもよりも気を使っている気がする。
青「ね ~ みんなでご飯いこ ~ !」
赤「えっ!いこいこ!」
流れにのまれてご飯にいくことになってしまった。
嫌われているのかもしれないのに。
黄「ん…ッ」
不安を押し殺して、愛想笑いを貫いた。
お店までの道のりは、とっても長かった。
紫「せ ~ の!」
「かんぱ ~ い!」
真昼間だというのに、何人かの手にはお酒が握られていた。
部屋は個室。
すぐ側の壁には窓があって、そこから光が刺すように進んでくる。
店内には陽気なBGMが響いていた。
正直、環境は最悪だ。
耳も目も。
刺激が強すぎて食欲がわかない。
食欲がないというよりかは気持ち悪い。
橙「るぅちゃん食べへんの?」
黄「あんまりお腹すいてないから大丈夫、!」
苦し紛れの嘘と愛想笑い。
メンバーとの距離感も微妙だ。
僕以外のみんなで盛り上がってる気がして、勝手に孤独を感じる。
やばい、泣きそう。
黄「うぅ、…」
大丈夫。誰にも聞こえてない。
< ピンポ ー ン
黄「ぃたっ…ッ」
壁にもたれて、耳を塞いだ。
ただの呼び出し音。
いつもは反応しないのに。
なのに、。
いつも以上の強い刺激に、思ったよりも敏感になっていたみたいだ。
あぁ、まただ。
みんなが僕を見ている。
また嫌われた。
みんな、僕を好奇の目で見ているんだろう。
黄「はっ… ぃやッ」
落ち着かなきゃだめなのに。
僕の呼吸は荒くなっていくばかり。
< ピンポ ー ン
追い討ちをかけるように、再度呼び出し音が響いた。
黄「げほっ、ぃッた…ッ」
張り詰めていた糸が切れた…、音がした。
僕は壁に体重を預け、体を丸めて縮こまった。
気持ち悪さと戦いながら全身で息を吸う。
目を瞑っているため、周りの様子が何もわからない。
息をする度に自分の中で音が響くのが嫌で、ぎゅっとおさえた手を耳から離した。
だから、僕はイヤホンが嫌い。
ヘッドホンも嫌い。
耳のそばで音が鳴る不快感も、自分の心臓の音で耳が支配されるのも全部嫌い。
どれぐらい経っただろうか。
僕はようやく目を開けた。
開けた瞬間、眩しくて目を細める。
気持ち悪さは抜けなくて、まだ呼吸すらもままならない状態だった。
僕を気遣ってくれたのだろうか。
僕が目を開けるまで、誰も、一言も話さないでいてくれた。
僕のせい。
罪悪感でおしつぶされそう。
紫「もうそろそろ帰ろうか」
僕が雰囲気を悪くした。
黄「ごめんなさいっ…」
桃「大丈夫。だいじょうぶ」
過呼吸のせいか、安心感に包まれたからか。
僕はさとみくんの肩に頭をのせ、また目を閉じていた。
黄「ひゅっ…ッ、はぅッ」
その瞬間も束の間。
黄「ゔぇッ」
危ない。吐くところだった。
みんなの前では嫌だ。絶対に。
僕は一点を見つめたまま、動けなくなっていた。
桃「るぅと、ごめんな」
僕の体が宙に浮かぶ。
さとみくんの背中に乗せられたと気がついた時には、もう外にいた。
会計は既に済ませてくれたらしい。
申し訳なさでいっぱいで、僕の無能さに打ちのめされた。
そういえば、マスクは、?
黄「…ッ」
誰にも言い出すことは出来ずに、そっとさとみくんの背中に顔をうずめた。
あの声も、会話も。
全部僕に向けられているみたい。
光も、音も、視線も。
全部が僕を刺してくる。
耳は塞げないから、ぎゅっと目を瞑るだけで我慢した。
目を開けたときには、さとみくんの家にいた。
早く自分の家に帰りたくて仕方がない。
幸い僕の家はすぐそこだ。
でも、言い出せない。
何もわからなくてこわい。
部屋の電気は控えめで、僕に配慮してくれたのかなと自己満足な推測をする。
そんなはずはないのに。
黄「んぅ…ッ」
自分で期待して、自分で傷ついて。
ばからしい。
今は、ひとりになりたかった。
黄「ごめん、お手洗い借りるね」
さとみくんの方を見ると、少しだけ睨まれた気がした。
黄「はぁ…ぅぐ、ッ」
やっとひとりになれた。
僕は扉を閉めた瞬間、力の抜けたように座りこんだ。
いろいろな感情が混ざりあって、我慢していた涙が溢れてくる。
嫌われちゃったかな。
怒られるかな。
僕のどこが気に食わなかったんだろう。
黄「お゙ぇっ」
負のループに陥り、共に嘔吐く。
< ブ ー ン
バイクの音も、僕にとっては凶器だ。
一瞬だけ耳を塞ぐ。
もうそろそろいかないと。
ポケットからマスクを取り出し、少しの胃液をのみこんだ。
リビングではみんなが笑い合いながら談笑していた。
たすけて、なんて。
言えたら楽なのに。
みんなに嫌われたくなくて、言えない。
赤「るぅちゃん、大丈夫?」
あの裏表のない赤だ。
なのに、裏がありそうでこわい。
みんな僕の違和感に気づいている。
全てが恐怖。
橙「なにがあったか聞いてもええか?」
そっと、優しく話しかけてくれる。
あのジェルくんだ。
誰よりも心の痛みをわかっているはずの。
黄「大丈夫。なんにもないですよ 笑」
でも言えない。
たぶん顔は歪んでいた。
黄「もう僕かえります」
桃「そんな顔色悪いやつ、帰らせるわけないだろ」
黄「じゃあ、部屋貸してください。お願いします」
桃「ん、わかった。好きに使いな」
これで少しの間自由だ。
顔を隠して、階段を上がった。
< るぅと。るぅとの話せるときでいいからな。
スマホを開くとメッセージが届いていた。
たったそれだけの事に、僕は涙を零した。
メッセージでなら言えるかも。
HSP >
それだけ送って画面を閉じた。
もちろん明るさは一番暗い。
そうでもないと目が痛いから。
ひとりは嬉しい。
だけど悲しい。
今も脳内でひとり反省会中。
あのときこう言えばよかったな。
なんで迷惑かけちゃったんだろう。
あの間はなに、?
やっぱり僕のせいじゃん。
迷惑をかけるのはいけないことだから。
10分も経たぬうちに階段を下った。
桃「るぅと、教えてほしい」
扉の開閉音と同時に声が届いた。
さとみくんの目は真剣で、さっきの冷めた目とはまるで違う。
黄「逆になんで教えてほしいのっ…」
鼻の奥がつんとする。
泣くのはだめ。
桃「るぅとが心配だから」
本音は話したくない。
みんないるのに。
泣く姿は見せたくない。
紫「るぅちゃんごめん。俺からもお願い 」
青「僕からも」
そんなこと言われたら勝てないよ。笑
黄「メッセージ見ましたかッ」
やばい。
そっぽを向いて涙を堪える。
桃「みたよ。みんなで」
黄「そうなんですね。HSPっていうのは簡単に言うと”気質のことです。病気とかじゃないので診断が確実に下されることはあまりないです。他人の気持ちに敏感になったり、耳や目などが過敏になったりすることが多いです」
淡々と話す。
僕の気持ちが見えないように。
黄「今日は迷惑かけてごめんなさいッ」
ちょっと苦しい。
少しだけ本音がのってしまった。
桃「こちらこそ。気づけなくてごめんな」
桃「で、るぅとはどう思ってた?」
なんて答えるべきだろう。
僕は本音を話すと泣いてしまう。
さっきの質問でさえもぎりぎりだった。
黄「別になんとも。生まれつきだし」
桃「ほんとうは?」
さとみくんは、どれほど人の気持ちを察するのが得意なんだろう。
もう無理だ。ちょっとだけ。
黄「迷惑かけてごめんなさいって。光も音も、みんなも、こわかった…ッ」
僕の頬を雫が伝う。
桃「ごめんな。よくがんばったね」
さとみくんの言葉に追い討ちをかけられた。
桃「ハグしていい?」
黄「ぅん…」
許可を取ってくれるその優しさに救われた。
黄「ん …っ」
さとみくんの手に震えた僕を、包み込むように抱きしめてくれた。
嫌がらず、しっかりと。
ほかのメンバーも、許可をとってから頭を撫でてくれた。
青「音が苦手なんだよね?イヤホンとかしないの?」
黄「イヤホン…苦手なんです。自分の心臓の鼓動とか呼吸音が、頭に響くから」
橙「へ ~ そうなんや」
紫「考えたこと無かったな」
赤「俺いつも音楽がんがんだわ 笑」
涙声だけど大丈夫かな。
さとみくんの腕の中で、詰まりながら答える。
みんなが笑い話にしてくれて助かった。
ほんと、優しすぎる。
また泣いちゃう。
黄「ぐすっ…ぅ」
桃「おい、またるぅと泣かせたのだれ?笑」
いちばん近くにいたさとみくんには気づかれていたみたい。
これからもずっと大変だけど、なんとかなりそうです。
HSP。
みなさんはHSPという言葉をご存知ですか?
HSPとは、生まれつき感受性が強い性質をもった人のことです。
全人口の15%程度は当てはまると言われています。
HSPの方は不安や恐怖を感じやすく、些細なことでストレスを溜めてしまう傾向があります。
しかし、不便な事ばかりではありません。
他人の気持ちに寄り添いやすく、誰かの逃げ口になることもできます。
でも、抱えすぎないでください。
HSPは病気ではなく”気質です。
あなたのもって生まれた”個性です。
だから大切にしてあげてください。
本作品が誰かの心を動かすこと、HSPで悩む多くの人に届くことを願っております。
コメント
2件
うわぁ……読み終わってしばらく動けなかったよ。るぅとの「こわい」「迷惑かけた」っていう言葉のひとつひとつが胸に刺さって、でも最後に「なんとかなりそうです」って言えたのが本当に救いだった……😭💕 さとみくんの「よくがんばったね」とハグのシーン、泣いた。周りが無理に励まさずに、ただ受け止めてくれるって、こんなに尊いんだね。作者さん、るぅとの繊細さをこんなに丁寧に描いてくれてありがとう。この作品、HSPで悩む誰かの支えになると思う🌸
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ことの✨💎♬♡
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