「ハヤト、Collar“Take”」
「はい。」
Collarを取ってこいと投げかければ即座に持ってきて、差し出される。
「ん、じゃあ後ろ向いて。着けるよ。」
Collarを着けるために首の辺りに手を回すと、くすぐったそうに軽く身を捩る。
「動かないで、“Stay”」
「…ぁ、」
動きを止めさせようとCommandを使うと、すぐに大人しく、ピタリと動きが止まった。playの回数を重ね、信頼も深まってくれたから、やり取りもスムーズになってきたと思う。
「苦しくない?大丈夫?」
「大丈夫です。」
「ん、いい子。よく出来ました。」
Collarが苦しくないかの確認をして、先程のCommandを聞いてくれたことを褒める。
「んー、ベッドの上でいいか。“Kneel”して?」
「上でいいんですか?」
「こっちの方が触れやすいから。」
ベッドの上でKneelの姿勢を取り、次のCommandを待っているハヤトが、自然と上目遣いで見上げてくる。
「目、閉じて?」
「………、?」
素直に見上げたまま目を閉じる顔がかわいくて、にやけてしまう。律儀に待っていてくれるから、軽く触れるだけのキスを落とす。ハヤトの桜色の唇は自分とは違い艶やかで、手入れが行き届いているようだ。
「ねえ、新しいことしていい?」
「なんですか?」
「“Attract”…ハヤトから俺のこと誘ってみせて?」
「…!?」
自分から誘って、なんて言われると思ってなかったからか、ハヤトは驚いた顔で硬直する。
「ほら、早く。」
できるだけ優しく急かすと、ようやく意味を理解したのか、一気に赤面する。耳まで赤くしてアワアワとぎこちない動きになるから、笑ってしまった。
「く、ふふ…ふはっ笑」
「な、なに笑ってるんです!?」
「ごめんごめん、慌ててるのが可愛いくて笑」
「〜〜っ、揶揄わないでください!」
揶揄ったつもりは無いのだけど、咎められてしまった。むくれる顔まで可愛くて、また笑いそうになったけど、今度は堪える。
「ハヤト、“Attract”。ほら、誘ってよ?」
煽るようにほんの少しGlareを強める。今度は素直に従おうと、顔を赤らめながらそっと近付いてくる。
「………、チュッ…ん、チュッ」
恥ずかしがって暫くの間を開けてから、僕の首に腕を回して触れるだけのキスを繰り返す。
何度か繰り返されて、それから控えめに舌が僕の唇を突く。意味は理解しているけど、いじめたくなって気付かないフリをする。
「んん、…ちゅ、ぅん…」
俺が口を開かないことに不服そうに声を漏らし、再び舌が唇をつついてくる。それからさっきよりも長いキス。二度目の催促に観念して口を開けば、ハヤトの舌が口内に侵入してきた。
「ん…ふ、はぁ、ちゅ…んん…」
不慣れそうに、ぎこちなく、控えめに口内を荒らすからくすぐったい。こちらからは何もしないでいるから、時折、不服そうな声が漏れている。
「…んっ、!?ふ、あっ…んゃ…待っ、んちゅ…」
「んー、ちゅ、…ふふ笑」
いい頃合いだろうと、こちらからも舌を絡み合わせれば、驚いて首に回されていた腕の力が弱まる。離れそうになるから、後頭部の辺りを掴んで引き寄せた。
ペースを乱したからか、ハヤトの呼吸が荒くなっていく。
「ふ、ぁ…んぅ、んんっ!ひゃ、っんゃあ…」
歯列をなぞったり、上顎を舐めたり、時折舌を吸えば、甘く鳴く声が大きくなる。
「…っ、ふ、はぁ…はっ、はぁ、、〜っ夢追さん!」
「ハヤトが可愛いから、我慢出来なくなっちゃった。」
「ばか…」
満足したので離すと、真っ赤な顔で威嚇されちゃった。ハヤトは『可愛い』と言われることに慣れていないらしく、手で顔を隠すのだけど、耳が赤くなっているのがモロ見え。そういうところも愛おしくて堪らない。
「ねえ、顔見せてよ。」
「うぅ…」
恥ずかしがりながらもゆっくりと顔を隠していた手を退ける。
紅く染まった頬に、長いまつ毛に囲われた潤んだ色素の薄い瞳、桜色の艶のある唇が露になる。引く手数多だろうに、これで経験が浅いとか、俺ラッキーすぎじゃない?
「いつもはここで終わりだけど…ハヤト、“Strip”」
「…はい。」
恥じらいつつも、素直に服を脱ぐ。躊躇うと思ってたから、意外な反応だった。
「あの、」
「ん?どうしたの?」
着ていたシャツを脱いで、上半身を晒したハヤトは顔を赤らめながら何か言いたげな様子。どうやらさっきの顔を見せるよう指示したのもCommandとして受け取っているらしく、隠す素振りはない。
「えっと、夢追さんも、脱いでくれませんか?その、俺だけは、恥ずかしいから…」
「あ、そゆこと。」
僕も服を脱げということだったらしい。同じように着ていたTシャツを脱いで、上裸になる。
「…触っていい?」
頷いたのを確認して、そっとハヤトの上半身に触れる。適度に鍛えられていて、キメ細やかな肌はとても触り心地がいい。
「んっ、!」
腹筋の辺りをなぞるとハヤトから声が漏れて、恥ずかしいのか口元を隠す。
そのまま胸の方に手を滑らせて、突起に触れる。
「っ、はぁ…ぁ、ふ、…ん!?」
弄られたことは無いのか、あまり感じてはいないようだけど、隠された唇からは控えめな声が漏れている。もっといじめたくなって、押し倒せばびっくりして目を丸くする。
「ふふ笑 そういえばさっきの褒めてなかったね?
Good boy…ハヤト、かわいいよ。」
「ぁ、んっ、かわいくなんて…ない、ですよ。
んっ!ふぁ、ゃん…んんっ、待っ…」
胸の突起に吸い付くと、さっきよりも善い反応が返ってきた。硬くなってきたそれを舌で転がしたり、歯を立てる度にハヤトの身体が小さく跳ねる。
「はぁ、ふっ、…ん、それ、ゃっ…」
「嫌なの?」
「っ、…や、じゃないです、」
意地の悪い聞き方をすれば、フイッとそっぽを向いてしまう。それでも素直に答えてくれるんだから、ハヤトらしい。
「ハヤト、こっち向いて?“Look”?」
「ぅ…は、恥ずかしっ、」
「これからもっと恥ずかしい事するのに?」
「〜っ、知ってますよ!もう!///」
目を合わせると、ハヤトは更に頬を染めて照れている。そんな様子にくすくすと笑いつつ、意地悪を言うと、弱く手のひらを押し付けられた。それは凡そ抵抗と呼べなくて、うっかり頬が緩みきってしまうところだった。
「“Strip”、今度は全部だよ。」
ニヤける顔を引き締めて、次のCommandを下す。
「っ、ぅぅ…」
「隠さないで。ハヤト、“Present”。」
恥ずかしがりながらも素直に脱いでいく。全て脱ぎ切ると、身体を縮こまらせて隠してしまうから隠さないよう更にCommandを重ねる。
「…ぅん、は、ゆ、夢追さ…」
行き場を失った手を枕やシーツに誘導する。それから安心させようと、血色のいい唇に一つキスを落とす。
「ん、いい子。痛かったら言ってね?」
「は、はい…。」
事前に用意しておいた潤滑剤を手に取って、露わにされたそこに塗り付ける。まずは指を一本、ゆっくりと入れる。
「いっ…ん、ぅぅ、、」
「力抜いててね。」
ハヤトが深呼吸をして、少し力が抜けたのが分かる。少しずつ解していき、二本目を飲み込ませる。二本の指をバラバラに動かして中を暴いていけば、ハヤトの呼吸が荒くなっていく。
「ひゃ…ぁぅ、はっ、んぅ、ぅぅん…」
「こら、唇噛まないの。ねえ、ハヤトの声聞かせて?」
「ゃっ、ぁ…ん、ひゃう、は、ぁん…」
声を抑えようと唇を噛むものだから、注意すればハヤトは素直に言うことを聞く。
更に、中の指を増やして、ハヤトのイイところを探す。
「…んぅ、ぁ、…っは、、ぁ゛っ!?」
「ここ、気持ちいい?」
「わ、っかんな…ぁっ!や、だめ、んんっ…」
反応の良いそこを刺激する度に、ハヤトの身体が跳ねる。
「ぁんっ、待っ、やぁ…っふあ、ぁっ、!」
「抑えなくていいよ、」
「は、んん、ぁっっ…〜〜〜っ!」
「こっちでも上手くイけたね、ハヤト。」
絶頂を迎え、荒く呼吸をする放心状態のハヤトの頭を撫でて、おでこにキスを落とす。
「そろそろいいかな。」
「ん、はぁっ…」
「力抜いててね、」
柔らかく解され、受け入れる準備の出来た入口に自身のソレを押し付ける。
「っ、キツっ…」
初めての経験にやっぱり力んでしまうようで、中がかなりキツイ。
「ぁ、はっ、ぅっ…」
「ハヤト…ちゅ、ん…」
「…っ!ふっ、ぁ…んぅ…」
少しでも脱力すれば、とハヤトの唇に噛み付くようにキスをする。舌を絡ませて口内を荒らして回れば、自然と力が抜けていき、僕のソレを全てハヤトの中に収めることが出来た。
「ゆめ、おいさっ…、待っ、まって、」
「うん、慣れるまで待つね、」
今すぐにでも動きたいところだけど、ハヤトを傷付けたくなくて、ハヤトが落ち着くまで動かずに待つ。
「ん、夢追さん…?ぁ、ぅん、」
代わりにキスを降らせていくと、ハヤトはキョトンとした顔で?を浮かべている。額や頬、耳にゆっくりと何度かキスを落として、最後に唇に触れて離れる。
「はぁっ、ん…もういい?そろそろ我慢出来ないんだけど…っ」
「っ!ぁ、、ん…動いてくださ…あっ!?」
思わずGlareが溢れてしまって、ハヤトは少し驚いたようだったけど、すぐに扇情的な表情になる。遠慮なく中を突くと、ここまでで一番のイイ声で鳴く。
「ぁ、ん!は、ぅぁ…っ、ひゃ、んんっ、」
「はぁ、ハヤトっ、」
「っ、ぅ、ぁ…あ、っあん、はぁ、…ひ、あっ!」
律動を繰り返しながら名前を呼ぶと、中がうねるのを感じる。控えめだった声に遠慮が無くなり、喘ぐ声がはっきり分かる。
「ハヤト、“Come”」
「…っはぁ、ん、ゆ、めおいさ…っ、んぁ、」
おいで、と指示をすれば、ハヤトが首に腕を回して抱き着いてくる。
「ん、いい子…ふ、ちゅ、、はぁ…」
「んん、っ…はぁ、ぁっ、ん…んんっ、」
貪るように唇を重ね、口内を蹂躙して回る。ふと目を開けると、生理的な涙がハヤトの瞼の縁から零れていて、それを指で拭う。
「は、んっ、ゆめおいさ…んんっ、ふぅ、ぅん…」
熱と涙で蕩けた瞳と目が合って、名前を呼ばれる。また噛み付くように唇を重ねて、ハヤトの細い腰を掴んで、ラストスパートをかける。
「んぁっ、、ゃあっ、はぅ…ぁ、まっ、っ…」
「はぁ、っ、は…ハヤト、“Cum”」
「っ、!ぅぁ、はっ、…んぅっ、〜〜〜っ、!」
高まった快感にCommandを重ね、ハヤトを絶頂へ導く。精液を吐き出すと共に、中が大きくうねって締まった。その快感に刺激され、僕も絶頂を迎えた。
「…っ、はぁ、ごめん、中に出しちゃった、」
「はぁ、ん…っ、いいですよ…夢追さんなら…、」
お互いに呼吸を整えながら、中に出してしまったことを謝ると、ハヤトは蕩けた顔のままふにゃっと笑って、俺ならいいと言ってくれた。
「落ち着いたらお風呂行こうね。そのままだとお腹壊しちゃうし。」
「そうですね。」
ハヤトの横に倒れ込むように寝転び、顔を見合わせる。
「受け入れてくれてありがとう。
…好きだよ、ハヤト。」
「…!こちらこそ、ありがとうございます。…私もあなたが好きですよ、夢追さん。」
身体の熱を冷まして呼吸を整えている最中、ハヤトの髪を梳くように撫でると、キョトン、と不思議そうな顔をする。ふと口から溢れたのは、感謝と何度目かの告白の言葉だった。ハヤトが少し驚いた顔をして、同じように告白の言葉を返される。
少しの間雑談なんかをして、それから一緒にシャワーを浴びた。男二人では少し狭い気もしたけど、恋人なら許される距離でしょ。なんて、少し優越感を感じたり、感じなかったり。
後処理をしながら、ちょっと興奮したとかそういう話は、まぁ、怒られそうなので秘密にしておこう。
ハヤトより少し先にシャワーから上がり、ベッドのシーツを取り替えたり、片付けをする。この家の物の配置も、すっかり馴染んできたなぁ。
「あ、おかえり。ハヤト、眠いでしょ?ベッド綺麗にしといたから、先に寝ちゃっていいよ。」
「…ん、おやすみなさぁい。」
ハヤトが体力のある方と言っても流石に疲れたようで、今にも眠ってしまいそう。先に寝てるよう促すと、いつもからは想像できないほど柔らかくはにかんで“おやすみ”と言われた。
「…あー、もう、ホント可愛いなぁ。」
ベッドに入るなり、ハヤトからはすぐにスヤスヤと寝息が聞こえてきた。それを確認してから、部屋を出て、さっきの表情を噛み締める。
ハヤトのあんな顔を見れる立場にあることに優越感を感じつつ、そして他の誰にも渡してやるもんかと独占欲が出てきた。僕って、こんなに独占欲強かったっけ?
コメント
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初コメします!! すっっっっっごくこの作品が 大好きで何回も読み直してます!! これからも頑張ってください!!応援してます! そしてフォロー失礼します! 長文失礼しました!