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この業界に染まりすぎたせいか、人の言葉に敏感で素直に受け取れない。言葉の裏ばかり見て粗ばっかり探して最悪だなと思うけどやめられない。
「仁ちゃん、今日なんや可愛いなぁ」
「は?何急に?しかも、今日可愛いって何?いつもの俺は可愛くねぇって?」
あぁ…悪い癖。
こんな奴が可愛くてたまるか。
「なんで、そんな怒るん?!」
ほら、舜太困らしてなんになるんだよ。
あー素直にありがとうって言えばいいだけの話なのに。
「お前さ、よくこんなんと付き合えるよな…」
自分がひねくれてるなんて誰よりも自分がわかってるからこそなんで舜太が俺なんかと付き合ってるのかたまに不思議になる。
「仁ちゃん」
舜太が俺の名前を呼ぶ声があまりにも真剣で恐る恐る舜太の顔を見れば悲しそうな辛そうなでも、ちょっとだけ怒ってる顔をしていた。
「仁ちゃんの事悪く言わんで」
「…は?自分のことだぞ?」
「それでも、嫌だ」
嫌だってガキか?
「仁ちゃんが素直になれないのも、ひねくれてるのも全部意味があるじゃん。自分を守るために仕方なかったことでしょ?そんな頑張り屋さんな仁ちゃんだから俺は好きになったの。だから、俺の好きな人のこと悪く言うのはたとえ仁ちゃんでも駄目だよ」
舜太の言葉は限りなく真っ直ぐで、こんな俺にもちゃんと届く。
「ん…ごめん」
「いいよ!俺は今日も仁ちゃんの事が好きだよ!」
零れそうなほどの想いをくれる舜太に俺はなにか返せてるのか?誰かの為に自分を変えたいと思うのが恋ならば、俺は舜太の為に変わりたい。
「……俺も」
「ん?」
「俺も好きだから…」
フリーズした舜太を置いて逃げ出す。
後ろから「えぇぇぇぇ!!」なんて馬鹿でかい声が聞こえるけど振り返れない。
こんな俺を好いてくれる舜太の為に少しづつでも変わっていこう。
恋ってほんと馬鹿にできねぇな。
END