この作品はいかがでしたか?
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注意書___。
・初心者の為、誤字脱字がある場合が御座います。
・此方は二次創作となっております。
・所々あやふやな所が御座います。
↓其れでも良い方はどうぞ。
「俺を織田作と呼ぶな」
「敵にそんな風に呼ばれる筋合いは無い」
あの言葉は私の決意を固めてくれた。
私の背を押し、私が私であると気付かせる有難くとても残虐な言葉だった。
彼が悪いのではない。
全て”此の世界”では事実だ。
私は彼に最後のさよならを伝え、思い出のあったbarを後にした。
ポートマフィア本部の屋上へ行くと、其処には矢張”新双黒”の姿があった。
随分と激しく闘ったのだろう、二人はもう戦える様な身体じゃない。
“船上の戦い”…、私の記憶にある正に其れを連想させた。
本の話、外の話を彼等に話した。
現実離れし過ぎた話を二人は信じざる終えない状態だった。
何故なら私は敦君からすれば恩人兼首領、芥川君からすれば妹を奪った憎き相手、ある意味…私が始まりだったのだから。
今迄縛った来た敦君や鏡花ちゃん…、芥川君も銀ちゃんも、中也も巻き込んだ。
ほんの少しだけれど後悔していた。
謝りは出来ない、私は今ポートマフィア首領の太宰治として居るのだから。
殂して私は二人の目の前で”跳んだ”。
嗚呼、太宰治として…謝れもしなかった。
御免の一言すらも。
真っ逆様落ちている最中、過去の…外の織田作や安吾との走馬灯が流れて行く。
ゆっくりと、じっくりと…。
ぐしゃッ…。
もう死ぬのか、即死が良かったな。
「太宰 … !!」
微かに織田作の声がして、私の名前を呼んだ。
「…織田作ッ…ッッ………?」
そう声を掛けると、多分私を抱き抱えてくれたのが分かった。
どうして此処に居るのだろう、何故…私を呼んで駆け寄ってきてくれたのだろうと、回らない頭で考えていた。
彼は探偵社へ連れて行く積もりだろう、だから私は其れを止めた。
織田作は何かを言うではなく、只静かに私を見ていた。
「…織田作ッ、私は…もう持たないよ…ッ」
此の身体は時期に息絶える。
私の残りは後死ぬだけ、連れて行っても多分既に死んでいるだろう。
「…でも死際に…君に会えて良かったッッ」
私は彼と最期に会えて良かった、声が今にも消えそうだ。
涙ながらに笑っている私は不気味だろうか。
否、抑張と笑えているだろうか…。
織田作は何かを話そうとして、漸く口にした。
「…太宰、…頼む、生きてくれ…。」
…もしかしたら私の様に外の記憶があるのかもしれない、そう思った。
織田作が私に放った言葉は、頼みはそう簡単ではない。
「…御免ッ」
私にはその言葉しか出なかった。
視界がぼやけてきた。
織田作、君には泣かないで欲しい、私は君の腕の中で死んで、君が私を見届けてくれるなら本望なのだからね。
此の時間が堪らなく惜しい…。
「…あーぁッ…死ぬ前に君の小説を読んでみたかったなッ………」
計画は漸く成功を遂げた。
だけれど私の待望の死を、此処まで怨んだのは此れが初めてだ。
彼が記憶を思い出したのなら、私の死を彼は悔やむだろう。
何故なら彼は人一倍優しい人だから、私の一番の理解者で親友だったから。
自身を怨まないで欲しい、どうか…幸せに生きて欲しい。
もしこんな私にも来世があったのなら、今度は三人で…会って話して笑って居たい。
コメント
2件
ハッピーエンド……なんですかね。でも最後を織田作に看取ってもらって、幾分か幸せを味わえたでしょうか、太宰は。これからこの世界がどうなるのか妄想が膨らみます!!!!!神作ありがとうございました!!!!!!