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ひなと居れば何だって出来る気がした。富士山登ったり、太平洋泳いだり、
目の前がパッと明るくなったようだった。
前が見えなくなるぐらいまで酒を飲んで、風邪薬をアホみたいに乱用して、エロ本盗んで、私はひなが大好きだった。
「はい」
「な、何これ…?」
「指輪。あいに似合うんじゃないかなって思って買ってきたの。」
「何でそ、そそんなこと、」
「別に。喜ぶかなーって」
「お、おお金は、?ひ、ひなお、金ないよね…?」
「おぢに決まってるじゃん」
「そっ、か。」
「最近暑いね~。もう9月後半なのに全然暑い。」
「確かに、。そそ、そうだね。」
みーんみんみー
「え、蝉の鳴き声止まった?w」
ぽとっと木から蝉の死骸が落ちてきた。ひなはそれをひょいと持ち上げ握り潰した。
ぐしゃっ
「うぇ…?」
「あいはさ蝉好き?」
「私は好きだよ。」
「だって1週間で死んじゃうし、少し力入れたら潰れちゃう。」
「…」
「儚くて好き。」
「私は…」
「羨ましいと思う。」
何故かこのときは言葉が突っかからなかった。
「だって蝉って1週間で死ねるから辛いこともないだろうし。」
「あと痛みも感じなさそう。」
「うるさいくせに夏の風物詩的な存在になってるのがむかつく」
「苦労してないくせに。」
「…wあいってたまに面白いこと言うよね。」
「今すらすらと言葉出てたし。」
「た、確かに…?」
「痛っ…」
ひなが私を殴るようになった。
何度も何度も力強く殴って来て。骨も折れてるかもしれない。殴られて出た血が指輪に着く。
赤黒い私の汚い血が銀色に輝く指輪を汚していく。
「ひ、ひな」
「私さ、飾ってないあいが大好きなの。」
「あいの体内にあるものが好きなの。」
「透明の涙とか赤黒い血とか、おしっことか、げろとか?」
「あいの中にある汚いもので可愛いあいを汚すの。」
「そしたら本当のあいが見れる気がするんだ。」
「上辺の愛情とか友情とか、形だけの交尾とかキモいじゃん。」
「偽りの愛情とか私それが1番嫌いなの。」
「あいはさ私のこと愛してくれてるでしょ?」
奥が熱くなる。
じわじわと我慢してた汁が垂れてくる。
「私、ひひ、ひなが1番だだ大好き。愛してる…。」
大切なところだけ言えない。
「ひな」ってちゃんと呼んだことないかもな。
「ひ、ひひひな…!ちょっとどこ行くの?」
「あ、あい。ばれちゃった。」
「なんで。なんで夜中に1人で出ていこうとするの?」
ひなは沈黙を貫く
ひなは口を開けるとこう言った。
「私は人を愛せない。」
「あいとつるんでるのだって私の存在意義を確かめるため。」
「私のあいは上辺なの。」
「だから私は自分がとっても嫌い。」
「可哀想で可愛い女の子の傷口に浸ってはポイ。」
「私はそんな人間なんだよ。あい。」
「じゃあね。あい。」
「ま、まって。!」
「さ、最後に私を抱いてほほ欲しい…」
ひなと私は最初で最後のHをした。
1人裸けた状態でラブホのベッドでそこに指をいれる。
「っ、ぁッ/、ひ、ひなぁ/ 」
ベッドに残ったひなの香り
1人裸で21歳のニートアル中ヤク中パパ活女子がベッドに顔を突っ伏して声が枯れるまで泣いた。
この世界は止まることなく回り続ける。世界の1人が欠けたってなんの問題もなく人間は生き続ける。ただその1人の人間を異常な程に愛していた人間は問題なく生きることは出来ないのではなかろうか。
後に続いて命を絶つものが少なくないだろう。
しかし世界からたった2人欠けただけで気付く人は1割もいないだろう。