テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
#ご本人様には関係ありません
yomi
495
ち び
277
「躾」という漢字は、「美の身」と書いてできている。
美しい、身体…。
躾をされることで、美しい身体が手に入るのだろうか。
俺は柔に一途やった。
柔のことが大好きで、なにがあっても柔の言う通り。何がなんでも柔を最優先。
そして、柔も俺に一途…やと思う。
ただ、柔の愛の伝え方は少し違かった。
🤍「これはだめなんだよ?前に言ったよね。……ちゃんと躾しないと。 」
俺の活動はほとんど柔に管理され、間違えれば躾(お仕置)をされる。
傍から見れば、おかしいのかもしれない。
でもそれが、柔の愛の伝え方で、俺の愛の感じ方。
だから、俺は今のままでいい。
このままずっと、柔に管理されていたい。
柔の好きなようにされていたい。
そう思っていた。
🤍「舜太。」
家のソファに座っていたら、突然呼び出された。
🤍「今日、なんの日かわかってるよね?」
そう言われてすぐに返事をする。
❤️「当たり前やん!」
そう____今日は俺らが付き合った記念日。
これでもう4年か。
早いものだな、と思う。
🤍「そうだよね、このために仕事休んだしね。」
柔は笑顔を絶やさなかった。
それが、どこか不気味さを感じた。
いつもは、こんなに笑ってなかった気がする。
🤍「せっかくだから、お昼は食べに行こうよ。」
そう誘われびっくりする。
今まで食べ物は制限されてきて、一緒に柔と同じ食べ物を食べることはなかった。
久しぶりにあんなものやこんなものが食べられる、、そう思うとなんだか嬉しくなってきた。
と同時に、これからは食べ物に関して管理されなくなってしまうのか、という不安も込み上げた。
だがそれはぐっと押し込んで、柔についていくことにした。
❤️「な、お店ってどんな感じなん?」
🤍「レストラン。」
かえってきたのは意外な言葉だった。
付き合う前…だいぶ昔だけど、俺らがよく行っていたのはラーメン屋とか焼肉とか、そういうがっつりした感じだった。
レストランとか…、あぁでも、他の人と打ち上げとかで行っとんのかな、、
変な考えが脳をよぎり、違う違うとその考えを消し去った。
❤️「なんでレストラン?」
そう聞くと、
🤍「特別な日だから。」
たったそれだけだった。
でも、去年も一昨年もその前も、記念日に外食など行ったことがない。
それに、4年という数字にキリの良さや重要さもあまり感じない。
新しいことに挑戦してみようと思ったんかな、と深く考えないことにした。
着いたのは山奥のレストラン。
周りは木々に囲まれ、動物たちがいる気配を感じる。
こんな、現実では無さそうなファンタジーなとこあったんやな、、
辺りを見回しながら柔の後ろを歩く。
ドアの上についている鈴が軽い音を鳴らした。 柔がドアを開けていたのだ。
中に入れば、至って普通のレストランだった。
ひとつおかしいところがあるとするなら、
───誰もいないことだ。
客も、店員も、本当に誰もいない。
驚くほど静かで、ドアが閉まれば広い店に2人だけという虚空が感じられる。
❤️「店員さん、おらへんな、、」
少し不気味な雰囲気に引っ張られ、恐る恐る聞く。
柔は黙っていた。
それがまた怖くて、また話しかける。
❤️「柔、?なんか答えてや、、」
しばらくして、ようやく柔が口を開いた。
🤍「舜太。」
かと思えば言われたのは名前だけで、どんどん自分の恐怖心を煽られる。
❤️「っな、なに……、?」
🤍「記念日に何するか…まだ言ってなかったね。」
柔は店に入ってから、ずっと一点を見つめている。
❤️「記念日は、ご飯を食べるんじゃ、、」
🤍「うん。食べるよ」
🤍「でも、一緒には食べれない。」
🤍「今から舜太が食べるのは、俺。」
柔が、ようやく俺の方を向いた。
❤️「……え、?」
話が呑み込めず、フリーズする。
何を言っているのか、さっぱり分からない。
🤍「舜太は、俺の身体を食べるの。」
後から説明になってるようななってないような一言が付け足される。
それでもやはり脳で処理ができない。
俺が、柔を、食べる、?
❤️「……なに、どゆ、こと…、?」
すると柔は細かく説明し始めた。
🤍「今から、舜太と俺は飲み物を飲む。そこには、俺の飲み物だけ睡眠薬が入ってるから、俺が寝たタイミングで舜太は俺を殺す。」
❤️「……は、?」
🤍「俺が死んだのを確認したら、舜太は俺の身体を解体して、好きに調理して食べる。」
細かく説明されてもやっぱり理解できない。
柔を、俺が、殺して、食べ、る?
🤍「これが、俺から舜太への最後の躾。」
現実味を帯び始めた柔の言葉が、俺の脳内をぐさぐさと刺し始めていた。
コメント
5件
身体が美しいと書いて躾…!! 着眼点が凄すぎる……
めっちゃ好きです( ᵕ ᵕ̩̩ )🫶
うわ、これ…タイトルからして甘い記念日話かと思ったら、とんでもない方向に転がっていったわ。最初の「躾」の漢字の話からして既に違和感あったけど、まさかそんなオチが待ってるとは思わんかった。4年間の支配と愛の終着点がこれか…ラストの「最後の躾」の台詞、めっちゃ背筋冷えたわ。心理描写の積み方が上手くて、最初はほのぼんやりした不安→不気味→恐怖って段階踏んでるのが上手い。続きめっちゃ気になる!まだ最終回じゃないよなこれ…?