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ありがとうを伝えたい

1 - 東日本大震災

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2024年02月24日

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これは主人公八尋真緒の物語。真緒は二十四歳。

 

 

真央が十二歳の時に体験した、悲しくて少し不思議な話。

真緒は明るく、責任感の強いしっかりした少女だった。

 

────東日本大震災────

 

 

死者:二万二千二百十五人

負傷者:約五千四百人

行方不明者:三千二十一人

 

計:三万六百三十六人

 

 

真緒は当時宮城県北部の栗原市に住んでいた。彼女は小四の時に、東京から転校してきたのだ。

 

地震が一番揺れた場所だ

 

十二年前

 

キーンコーンカーンコーン

「やっと終わった〜〜!!」

「まーちゃん。外行く?」

その時真緒は、同じく四年の時に京都から転校してきた愛華と仲が良かった。

「えー。寒いしやめとこ〜?」

「そうだねー。やめとこ、やめとこー」

 

十四時四十六分

カチッ

 

────────────────────────

 

グラッ

 

真緒は体制を崩したのを感じた。その瞬間────────真緒の見ている世界が歪み、壊れていくのをみた。

 

真緒は止まったかのように呆然とした。現実から逃げようとして、一瞬だけ夢を見た。真緒が花を摘み、真緒の母がカメラを持って真緒を追いかける。

時計が落ちた衝撃で現実に引き戻される。

愛華が真緒の裾を引っ張って机の下に潜り込む

「真緒!」

「はっ」

「真緒?大丈夫?」

「・・・多分大丈夫やと思う。愛華は?」

「うちは平気」

愛華は笑っているが、目の奥が恐怖で揺れてるのが真緒にはわかった。真緒はこういう目が嫌いだ、嫌いというか苦手だ。向こうが不安を隠して自分を安心させようとしている目。

シーン

地震が止まった。真緒の担任、小林香織先生が素早く合図を出して教室から出る。

真緒は焦ってしまい、早足で小林先生の後ろにピッタリとくっつき歩く。

 

真緒は母親のことでいっぱいだ。昔の事故で足が悪い母 紗香は足が不便でいつも杖をついている。今の時間、父 正孝は仕事中で助けれない。今、紗香は家に一人だ。

 

校庭についたらみんな一斉に座り込んだ。後ろにはボロボロになり、まだ嫌な音を出す校舎。

 

真緒はやっとそこで気づいた。

─────────愛華がいない。

真緒はバッと立ち上がった。

「先生!!!小林先生!!!」

「八尋さん?どうしたの」

「愛華が・・・林愛華、さんがいませんっっっっ」

「・・・すぐ探しに行きます。八尋さんは・・・座って待っててね」

真緒は思わず目を逸らしてしまった。小林先生が「あの目」をしたからだ。

「きゃあああああああああああああああああ」

どこかから大きな悲鳴が聞こえた

「津波っっ。津波だ!!!」

津波が押し寄せていた。真緒の通っていた学校は海の近くにあって、すぐ津波が来るのだ。

「みんな校舎に上がりなさい!!!」

校長先生の声が響き、みんな慌てながら一斉に校舎へ登る。

結局、愛華は救えなかった。がれきの下で亡くなっていた。真緒は自分を責めた。真緒が一人で小林先生に着いてしまったから愛華がいないのに気づけなかった、と。

真緒は泣き崩れ、絶望の世界を見た。

 

この学校での死亡者数・・・およそ五十人。その中に愛華がいることが真緒は辛くて仕方なかった。すぐに、帰ることになり、みんなは体育館で親を待った。

 

正孝は来なかった。

 

最後まで残ってしまった真緒を小林先生が家まで送ってくれた。

しかし────────そこには「家」はなかった。

 

一度小林先生と学校に戻った。

親が来なかった真緒と教師二人は体育館で寝ることになった。

夜中

ダンダン!

ドアを叩く音が聞こえた。真緒は飛び起きた。

「真緒!!」

ドアの奥から正孝の声が聞こえる。

「パパ⁉︎パパ!」

「真緒!無事だったか。遅くなってごめんな。」

真緒はそこに紗香の姿がないことに気づいた

「マ、ママは・・・?」」

正孝は視線を逸らした。数秒後、正孝は視線の先に向かってまっすぐに言った。

「ママは、亡くなったんだ」

「え・・・・・・」

「・・・ごめんな。・・・守ってやれなかった」

正孝は項垂れた。

「・・・嘘・・・」

真緒は愛華と紗香の死を信じれなかった。

紗香は津波で遺体すら発見されなかった。

 

その後も余震が何度も何度も続いた。正孝と真緒は避難所へ

 

その夜

「ママ・・・愛華・・・。嘘だ・・・死んだなんて・・・嘘だ・・・」

真緒はずっと泣いていた。

「真緒」

「ママ!!!」

「まーちゃん」

「愛華!」

目の前には死んだはずの紗香と愛華。

「真緒。真緒は大事なことを忘れているわね」紗香は微笑みながらいう。

「まーちゃんは・・・このままずっと私たちのこと受け入れないの?」

愛華は泣きそうだ。

真緒はやっと気づいた。真緒は愛華と紗香の死を受け入れず、嘘だと自分に言い聞

かせていた。

「真緒。真緒ならできる。

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