どうもみなさんこんにちはー♪かきのたねです♪
今回ちょっと悲しい系です
苦手だなって人はお戻りください!!
それではどうぞ!!
2025年 12月2日_
季節はとっくに冬で、少し前まで暑かったのが信じられないほどに寒い
特にこの会社帰りが最も寒い
夜でかつ、疲労していて体力があまりない
やはり俺も歳をとったなと感じる場面がよくある
もう今年で28、三十路前だとか信じ難い事実でしかない
月日というものはあっという間に過ぎるものだと日々痛感している
__ガチャッ…
桃「…ただいま〜……」
誰もいない部屋に向かってポツリと言う
シンと静まり返った部屋に俺の声が響く
桃「さっむッ…((ブルッ」
冬になると、帰ってきたらすぐに暖房を入れ、しばらくリビングで郵便受けに入っていた手紙を確認したり、仕事を片付けたり、風呂には入らず作業をする
夏は汗で気持ちが悪いからすぐにでも入りたいものだが、冬の風呂場は地獄でしかないからだ
そして今日も何事もなく、ただ郵便受けに入っていた手紙を確認していた時だった
ふと一つの手紙に目が止まった
桃「………同窓会…?」
書かれていた内容は簡単なものだった
高校の同窓会…とは言っても、本当に仲の良かったあの6人メンバーで集まるといったものだった
正直これは、行くしかない
桃「…よしゃッ…!」
桃「……予定空けておこ♪」
もう8年も会っていない奴らに会えるのはこの上ない喜びだろう
同窓会当日
桃「……この服…変じゃないよな…?((スッ」
たかだか友達とご飯を食いに行くだけではこんなことしないのに、妙に高ぶる心情と、言葉では表現できない緊張から、鏡から目を離せない
桃「…あ、やべッ…遅れるッ…!!」
桃「いってきますッ!!」
__ガチャンッ…
桃「…ここの…店だよな…?」
よく通りかかることの多い路地なのに一度も見たことのない店で、少し動揺したが、そんなことはどうでもいい
今はあいつらに会うのが楽しみで仕方がなかったから___
ガラガラッ…
桃「…お待たせ〜ッ!」
ドアを開けるともうみんなが集まっていた
赤「あ、ないくん!!」
赤「やっと来た〜…もうみんなずっと待ってたんだよ?w」
桃「あぁッ…ごめんごめん…💦」
赤「もーッ…w」
久しぶりのりうらに、俺は少し心が高ぶる…なんて、気色の悪いことは心に秘めている
学生時代、ずっと好きだった彼女に久しぶりに会えて嬉しかった
するとまた、横から話しかけられた
白「ないちゃんないちゃん♪」
白「まだりうちゃんのこと狙ってるんか?♪」
桃「ちょッ…はッ!?!?//」
桃「んなわけねーだろッ!//((ボソッ」
白「えぇー?w ほんまかー?w」
いつものこの雰囲気…やっぱり好きだなと感じながら、こいつらと話していた時だった
青「俺らもこれから社会人になるわけやけど…みんなは何やるとか決めてるん?」
まろが意味のわからないことを言った
桃「……んッ…??」
桃「これから…??」
俺がそう独り言を呟くと、隣に座っていたアニキが言葉を発した
黒「俺はスポーツトレーナやな♪」
黒「今免許取るための勉強しとるんやで?♪」
…意味がわからない
なぜまろの言葉に疑問を持たないのだろうか
するとまた、それに便乗してほとけっちが答えた
水「僕は絶対トリマーかなー…トリマーの専門学校でいろんなこと学んでるんだよ!♪」
白「え、ウチまだそこまで決まってないなぁ…」
赤「まあ正直将来って想像しがたくない?」
黒「これから何が起こるかわからんしなw」
水「いふくんは何になるの?♪」
青「えー………サラリーマン」
水「普通ッ!!」
青「ええやろなんでも」
白「まあまだウチら20歳やもんなー♪」
赤「…あ、ないくんは?♪」
みんなが一斉に俺の方を向いた時、俺は我慢できずに聞いた
桃「まだ20歳って…どういうことッ…?」
するとみんなは不思議な顔をしてこう言った
赤「なんでって…だってまだ2008年だよ…?w」
それを聞いた時、今一度みんなの顔を見た
いや、こいつらが嘘をついてるわけではない
肌がまだ綺麗でハリがある…そして何よりよく考えれば
高校の時と見た目がほとんど変わってない
8年も経ってそのまま…?俺でもここまで見た目が変わったのにそのままなんてありえない
そこで俺はもう一度聞いた
桃「なぁッ…なんかおかしいよ…?」
桃「なんでまだ2008年…? それじゃまるで…俺がタイムスリップしてるみたいじゃんッ…??w」
そしたら初兎ちゃんがポツリと言葉をこぼした
白「……ないちゃん…忘れたんッ…?」
悲しそうな声で、悲しそうな瞳で俺に訴えかけた
忘れた…?何を忘れたかもわからない…
何を忘れたんだ…?
すると次はまろが…俺に向かってこう言った
青「俺らッ…もう8年も前に死んだんやでッ…?((ポロッ」
__8年前_
12⁄1
青「ほな明日はいつものとこで同窓会やな♪」
水「今日もあったのにまた明日も会うって…なんか同窓会感ないねw」
白「まあまあまあ、それだけ仲良しってことよ♪」
赤「誰が予約してくれたの?」
黒「俺やな♪」
赤「ありがと♪ じゃあ早くついたら獅子尾ですって言えばいいのね?♪」
黒「せやで♪」
桃「…えっとぉ…6時半からだっけ?」
水「そう!♪」
青「じゃ、また明日ー♪」
桃「ばいばーい♪」
8年前のこの日
悲劇が起きた
__続いてのニュースです
◯◯市、⬜︎⬜︎町の◯◯◯マンションにて火災が発生しました
一階が全焼し、上の階の人たちは逃げ遅れてしまったとのことです
特に、この地域は大学が多くあり、学生がたくさん住んでいたため、多くの若者の命を奪いました
この火事の原因は放火である可能性が高いとして、警察が捜査を進めています
情報が入り次第、お伝えします
俺は息を呑んだ
まさかの事故…いや事件だった
ついさっきまで笑って話していたあいつらが…この世からいなくなった…?
俺は信じられず、何度も何度も全員に電話をかけたが…出るやつがいないどころか、携帯すらも繋がらない
信じられないッ…
俺は何とも言えない感情になった
高校を卒業し、みんな一人暮らしを始めた頃、俺以外の奴らは大学が近いからという理由で、同じマンションに住んでいた
でもッ…今みんな死んだ
夢だ…きっと夢だ
そう信じていたけれどッ…夢なんかではなかった
しばらくして犯人が捕まった
やはり放火を企んだやつがいて、それをあの日実行したそうだ
理由はたった一言
“むしゃくしゃしていた”
だった
そんな1人の勝手な考えで、勝手な行動で、俺は大切な仲間を失ったと考えるともう言葉も出ないし、怒りも湧かなかった
桃「あぁッ…そうだッ…((ポロポロッ」
桃「もうッ…みんなはこの世にいないんだッ…((ポロッ」
ショックで忘れていた全てを思い出し、俺は膝から崩れた
涙が止まらなかった
でもふと思った
それならなぜ今、みんなと話せているんだと
心を読まれたのだろうか…まろが答えた
青「それはッ…ここがあの世とこの世の狭間やからやで…」
どうやら俺は今、狭間にいると聞いた
まだ成仏しきれていない5人を目の前に、見送るか、それとも自分も身を投げるか…選べるということだ
ずっとッ…ずっと会えなかった仲間に会えて幸せでしかないッ…
ずっと一緒にいたい
俺の答えは言うまでもなく決まっていた
桃「俺ッ…もう1人は辛いよッ…」
桃「…………でもッ…生きるッ…」
みんな少し驚いた顔をしたが、すぐに笑顔になった
きっと俺が残ると言うのを知っていたのだろう
桃「……もうこれで会えるのが最後ならッ…」
桃「最後の最後まで一緒にいてッ…?((ポロッ」
12⁄25 クリスマス
雪がよく降っていてとても寒い日だ
今日もまたポストに何かが入っていた
部屋に帰り、早速その郵便物を開けると、驚くものが入っていた
__自分へ__
高校生の時、学校の授業でやった未来の自分への手紙だ
周りのやつも2通ほど、別の日に設定をして送っているやつもいた
それが俺の元にも届いたのだ
__同窓会の手紙、届きましたか?
また今年もクリぼっちだろうと思って手紙を書きました(笑)
みんなと仲良くやってますか?
……いい加減りうらには告白しましたか…?
…って、人任せ…というか未来の自分任せも良くないよな、(笑)
俺もぼちぼち頑張ります。
同窓会、楽しみ
何があっても挫けない心
↑今はまってる(笑)
18歳のないこより
手紙を読んで少し笑みがこぼれた
やはり自分が一番自分のことをわかり尽くしているものだなと
だから俺も書くことにした
昔のないこへ
もうみんなはいないよ。俺ひとりぼっち(笑)
でも幸せだよ
みんなと同窓会できたから
何があっても挫けない心
今でも大切にしています
ありがとう
28歳のないこより
【過去の同窓会】
文字数えぐいなぁ…(現在3730)
読みにくかったらごめんなさい!
なんか書きながら訳わかんなくなっちゃったw
一応簡単に説明しておくと、あの世とこの世の狭間のようなところに桃くんが迷い込んでしまっているって感じです!
なのであのお店も、2025年では存在しない、空き地なんですよッ!((コソッ←なんの追記??
たまにノベル書きたくなりますw
それではまた次のお話で!!
バイバイ👋
コメント
7件
たねちゃん"ッッッ… どれだけ泣かせる気ですかっっ!! 川ですますよ川!!! えんもう、すんごい好きなんですけど… 最初は久しぶりだ!!みたいな感じで楽しく読んでたんですけど真ん中らへんであれれれ???? おっかしいぞ〜??⤴︎ ってなりましたね まさかまだ成仏してきれてない5人だったとは… 泣きますよこんなん!!!! しかも最後は桃さんが過去の自分へ向けてまた手紙書いてるのも泣けます…
あぁ、やばい泣いてしまったw きのねぇほんと読者のツボがよくわかってるよねw とにかく悲しい、どこか喪失感を伴う話で、辛すぎた… 当たり前に存在してると思ってた人たちがもういないなんて悲しすぎるよね… 私は最初あの同窓会は死後の世界でみんな生まれ変わったら何の職業になるか話し合ってるのかと思っちゃった…w そして大体犯人はしょうもない理由でしか犯罪を起こさない… それが自分の身内だった時は一生許さないくせに ほんと、都合が良すぎるよ… 🍣君にとっては家族同然の大事な、大切な人たちだったんだから、 きっと🍣君は、その事件を聞いた後なんでもっと早く告白しなかったのか悩んだだろうなぁ、w みんなが驚いたような顔をしたけどそれでも笑って送り出してくれるところはみんなも🍣君にもっと生きてほしかったのかなぁ、 今回の物語も最高でした! いつも投稿お疲れ様です!ありがとうございました♪ やっぱきのねぇ天才だわぁw きのねぇの物語めっちゃ好き💕