コメント
0件
なんてことないけど、かけがえのない会話
学校の昼休み――。
私は莉央(りお)、中2。
ごく平凡な、普通の中学生だ。
突然だけど、私には好きな人がいる。
その人の名前は、星太(しょうた)っていうんだ。
すごく運動神経が良くて、イケメン。
人見知りな私は友達が少なくて、学校に行くのが毎日嫌だった。
だけど、星太くんに片思いし始めたときから、学校に行くのが楽しくなったんだ!
あと、私にはゆういつ1人だけ、大の親友がいる。
その親友の名前は佑香(ゆうか)だ。
佑香は運動も勉強もできるし、クラスの人気者。
それに、優しくて人付き合いがめちゃくちゃ得意だから、私とも仲良くしてくれるんだ!
で、今は学校の昼休み。お昼ご飯を食べてますが‥‥。
「えーっ!莉央、星太が好きなの?」
佑香が叫ぶ。
私は、信頼できる佑香にだけ、星太に片思いをしていることを話したんだ。
そしたら案の定、佑香はすっごく興奮した。
「星太が好きなんだ!!」
「しーっ、大きい声で言わないでよ‥‥」
私があせって言うと、佑香はハッとして、「ごめん‥‥」と苦笑した。
「確かに、星太ってイケメンだし、優しいよね!」
佑香がそう言って、私は勢いよくうなずいた。
ちなみに私のお昼ご飯は、自作のお弁当。佑香のお昼ご飯はカツサンドだった。
すると佑香が突然立ち上がった。
「ねえ莉央、星太に手作りのお菓子とかをあげたらどう?仲良しになれるかもよ?」
「え!?なんで手作りなの?」と私が聞く。
「だって莉央は料理上手いでしょ」
私は、恥ずかしさで顔を赤くしながら、ミニトマトを口に含んだ。
すると、佑香が何かを思い出したように手をパンとたたいた。
「思い出した!あのね、莉緒、星太は莉央が好きなんだって、星太の友達が言ってたんだよ!」
それを聞いた途端、私の恥ずかしさは頂点を超えた。
「ありえないよ!」と言おうとしたけど、から揚げを口に頬張っていたからしゃべれない。
____________
なんてことない会話。でもかけがえのない会話。
だって、佑香といつお別れになるのか分からないんだもん。
1日1日を大切に生きて行かなきゃだから――。