テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
今日は渡会の家にお邪魔している。
日当たりのいいリビングで、こたつでぬくぬくしながら他愛のない会話をしていた。
「日置」
「ん?」
「ちょっと来てほしい服があって」
「これ、俺の部屋で着替えてきてよ」
「え、あぁ……いいけど、なにこれ」
「普通の服。日置にめっちゃ似合うと思うよ」
普通の服、なんて嘘に決まってる。なのに俺は確認もせずにその服を手に、渡会の部屋へと向かった。
「はぁ!?!?」
渡会の部屋で丁寧に畳まれた服を広げると
上は普通のニットと、下は……ミニスカート。
「え、これ着るの俺……無理…」
「日置、どうしたの?」
ドア越しに渡会の声が聞こえた。
「いや……渡会、下スカートだったんだけど……」
「うん。似合うよ、絶対」
「そういう問題じゃない……」
全く、渡会は何を考えているんだ。俺にスカート着せたとこで……しかもミニって、想像もしたくない。
「これ、着ないとだめ…?」
「そんなやだ?」
「うーん…嫌って言うか、着ること自体に抵抗はない」
「ないんだ」
正直言うと、文化祭の時の女装でスカートに対してはもう吹っ切れている。
でも、今回は訳が違う。’ミニ’という、少しアップグレードされたスカート。
「…あのメイド…ロングスカートも似合いすぎてた。けど」
「俺はミニスカート履いた日置も見てみたい」
「そっ…か…うん」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「………」
人生初ミニスカート、履いてしまった…
「うわぁ……」
一言で表せばそうだな、自分には見苦しい。
こんな姿、渡会が見たら目が腐るのではないか……
「日置?どうしたの?入っていい?」
「あ、ちょっとまって」
「渡会…これちょっと……見ない方がいい…というか」
「え、履いたの?見たいんだけど」
「いや、だめ」
「なんで」
「見苦しすぎる」
「俺は大丈夫」
俺が大丈夫じゃない。
この間は完全な女装で、ウィッグだって被った。メイクもした。だから耐えたけど
今回はウィッグもないし、メイクもしてない。
「日置、俺は引かないし傷つくことは言わない」
「…うん、分かってる」
「入るよ」
「あ、うん…」
ついに渡会とご対面……無理無理、恥ずかしい
「……日置」
「う、うん…」
「かわいすぎ。めっちゃ似合ってる」
「…うん…え?」
勢いよく部屋の扉が閉まり、俺は気づけば後ろのベッドに倒されていた。
「え、まってわたらい」
しがみつくようなキスをされる。唇と唇が触れて、部屋に卑しい音が響く。
「ん、…っ、」
「わたらい、まって」
「待たない」
息をする間もくれず、渡会の胸板をトントンと叩く。
「っ、はぁ……」
「ごめん、日置…」
「大丈夫…」
身体の力が徐々に抜けていくのが分かる。それと同時に顔に熱が集まる。
「渡会…」
「…また腰抜けちゃった?」
「や、そんな」
「この前みたいになってるもん。かわいい」
「ちょ、渡会……その、下」
そう言うと、渡会はニヤリと笑い
「日置が可愛すぎるから」
「優しくする努力はするけど……嫌な時は止めて」
end.