コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
### **第4話「修学旅行の夜、止まらない鼓動」**
修学旅行1日目の夜。ホテルの部屋で玲奈とおしゃべりしながらも、私はずっと落ち着かなかった。
悠真は今、何をしてるんだろう?
誰と話してるんだろう?
スマホを握りしめても、メッセージを送る理由はない。でも、気づけば悠真のLINEを開いていた。
——すると、その瞬間。
**《悠真》「今、ちょっと時間ある?」**
「えっ……!」
思わず声を上げる。玲奈がニヤニヤしながら覗き込んだ。
「お、悠真から?夜に呼び出しとか、これはもう告白確定じゃん!」
「ち、違うよ!ただ話があるだけでしょ……!」
「ふーん?」と言いながら、玲奈は私の背中を押した。
「とりあえず行ってきなよ!ここでモヤモヤしてるより、直接会ったほうがスッキリするって!」
玲奈の言葉に、私は迷いながらも部屋を出た。
***
悠真がいたのは、ホテルの中庭。夜の空気はひんやりとしていて、静けさが心地よかった。
「……話って?」
私がそう尋ねると、悠真は少し黙った後、ゆっくりと口を開いた。
「さっきさ、華恋のことをクラスのやつが可愛いって言ってた。」
「え?」
突然の言葉に、思わず目を瞬かせる。
「別に嫉妬とかじゃないけど……なんか落ち着かなかった。」
悠真は少し照れくさそうに視線をそらす。
「俺、華恋のことずっと幼なじみだと思ってた。でも、最近それだけじゃない気がして……」
悠真の声が、静かな夜に溶けていく。
「……好きだよ、華恋。」
心臓が大きく跳ねる。
今までずっと一緒にいた悠真。その悠真が、私を“好き”って言ってる。
「……」
言葉が出てこない。けど、胸の中が熱くなっていくのがわかった。
「華恋?」
悠真が不安そうに私の顔を覗き込む。私は、ぎゅっと手を握りしめ——
「……うん。」
静かに頷いた。
それが、私たちのはじまりだった。
ーー続く。