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その日の夜、部屋に戻ると心臓がドキドキしていて、全然眠れそうにない。玲奈が布団の中でうっすら目を開けて見てきた。
「どうだった?」
「……告白された。」
「やっぱり〜!最初からわかってたけど!」
「うるさい、でも、私も……」
「あっ、華恋、顔真っ赤だよ?」
「うるさいって!」
私は布団を引っぺがして、玲奈の顔を隠すようにして押し倒した。玲奈は大笑いしていたけれど、その後は静かになった。
修学旅行の2日目、朝になっても、悠真の言葉が頭から離れなかった。
**好きだよ、華恋。**
その言葉が、胸の中で何度も響いていた。
でも、今まではただの幼なじみだった悠真。急に彼氏になったことで、なんだか変な気持ちが湧いてきた。
(こんな私で大丈夫かな……)
みんなで観光地を回るうちに、私はいつものように悠真の姿を追っていた。少し離れていても、どこかで彼の存在を確認して安心している自分がいる。
昼休み、少しだけ悠真と2人きりになる時間があった。
「……華恋、顔赤くない?」
「う、うるさい!そんなことないよ!」
「そう?なんかいつもとちょっと違う感じするけど。」
悠真がニヤニヤしながら言うので、私は顔をそむける。
「なんで悠真がそんなに余裕なのよ!」
「俺は最初から華恋を“好き”って思ってたから。」
その一言に、私はドキッとした。
「でも、なんか新鮮だな。小さい頃から一緒だったけど、今は少し違う気がする。」
悠真は少し照れくさそうに笑う。
その笑顔が、私の胸をぎゅっと締めつけた。
**修学旅行が終わる頃、私たちはお互いに少しずつ恋人らしくなっていた。**
でも、進学の話が頭をよぎる。
私は県外の進学校、悠真は地元の高校に進学する。そんな距離感に、どこか不安を感じていた。
「華恋、ちゃんと話してる?」
玲奈が突然言う。
「なにが?」
「悠真のことだよ。遠距離になるってわかってるんでしょ?」
「わかってるけど……」
「だったら、その覚悟はしとかないとねー。」
私は黙った。覚悟を決めて、これから先も悠真と付き合っていけるのだろうか。
その夜、ホテルで悠真と別れるとき、私は心の中で何度も言い聞かせていた。
「大丈夫、大丈夫。絶対に私たちなら、遠距離でも大丈夫。」
だけど、少しだけ不安だった——。
ーー続く。