メモ
コメディ調 可愛い素直なwtriさんが見たかった
内容は無いです。
最近、上手く声が出ない。
特に何かあった訳でもないし、心当たりは無い。
声帯だってもう治ったはずで。
うーん。
「あ、あーっ、う゛ぅん、」
高音が出ない。
「なんでだぁ…?」
ストレス?とも思ったが、そこまで思い詰めてることもないし、特に最近人にムカついたこととかはない。
「ま、ただ喉の調子悪い説もあるしな。様子見か。」
考え事をしながら食器を洗っていると長く水に晒された手がふやけて白く染まっている。
シワシワになった手を見て思わず写真を撮って相棒兼親友、恋人に送る。
ウキウキで待っていると直ぐに連絡が帰ってきて、たくさん笑ったあとに「手はおじいちゃんなのにやってることガキすぎ」と来ていて少し笑ってしまった。
現時刻は深夜3時。
楽しいなぁ、と思っていると、電話がかかってくる。
びっくりしてすぐに出れば、いつものように会話が始まる。
「てかさー、今からひばんち行っていい?今日も明日も休みでしょ?」
「えっ、あ、うん、ええよ。でも今家に何も無いで」
「いいよ、行く時コンビニ寄ってくし。それよりひばりに会いたい」
「昨日も会ってるのにな。あーでも、」
「コンビニは、二人で行こ。」
「おぃすー」
「うぃー」
片手を上げて適当に挨拶をし、
入ってこようとする奏斗を押し退け扉を閉め鍵を閉める。
「休憩もなしですか」
「なしですよぉ」
奏斗は不満そうに唇を曲げたあと、俺の後ろを歩き出す
「久しぶりの雲雀を愛でる時間は!」
「あ、ないですよぉ」
なんて言いながら。
「おにーさん。最近の日本は物騒らしいですよ」
「マフィアが何言ってんだ」
「包丁とか持ち歩こうかな」
「普通に何もしてなくても捕まる。」
「ギリ怖がられて許してもらえるかも、マフィアだし」
「それお前だけやん。俺ただの泥棒やね」
なんて話しながら、コンビニへの道のりを歩く。
現在時刻は深夜4時。
「ひばんちからコンビニまで、結構遠いんだね」
「いつも帰り寄ってくぐらいだから、あんまわからんな」
「ま、そういうもんか」
「てか!深夜のコンビニやーん
今日は~親が寝ーたから、なんでーもやりたい放題よ~♪」
「いや知らん知らんw」
コンビニの中に入るとひんやりとした風が、少し汗ばんだ肌に沁みる。
ちょっと寒いか。
深夜4時、ほぼ早朝。そんな時間には当たり前に人はいない。
バイトくんだろうか、少し微睡んでいるように見える。
大変だなぁコンビニバイト。
そんなことを数秒考えている隙に奏斗は好き勝手カゴにお酒やら、お菓子やらを入れていく。
「身分証持ってきたかー?」
「大丈夫大丈夫、僕、大人だから」
「―身分証の提示をお願いします。」
「…………。」
「んひっ、ぐふっ…w」
奏斗はぶてくされたように財布から身分証を取り出し店員さんに渡す。
店員さんは申し訳なさそうに確認したあと、その身分証を返した。
「会計、ありがとうございます。」
「やっぱ、僕、髭はやそうかな…」
「お前生えねーだろ。」
「やっぱさ、ダンディーな男になりたいわけよ」
「お前ずっと20歳やん」
「……そうだけどさぁー!そうなんだけどさー!」
なんかちがーう!と言いながら奏斗は空を見上げる。
「俺はどんな奏斗でもいいけどな」
「…言うねぇ~」
「ね、ひば、空見て、めっちゃ綺麗だよ」
「うわ、ほんとだ。きれーな紫色だ」
「ヒバみたい」
「…言うねぇ~」
現在時刻は早朝4時36分
「やっとヒバの家ー!」
「おー、俺ん家やー」
奏斗は勝手知ったるように俺の家を歩き回りソファーに沈む。
すると両手を広げておいで、と誘う。
俺はそれに抗う訳でもなく流れるように奏斗の上に乗り抱きつく。
いい感じに奏斗の胸筋がクッションになっていて気持ちがいい。
それにいい匂いだ。
「んはーー!雲雀だあーー!!」
「あはっ、」
ほぼ毎日会ってるんだけどな
暴れ出すためにホコリが舞い喉に詰る。
「かなと、っはっあ゛っ、う゛ぅん…ちょ、喉が、っごほっ、」
「あ、ごめん、埃舞っちゃったかな。」
「ん゛、いや、最近喉の調子わるくて」
「まじか、大丈夫?お前なんか前もなってなかった?」
「あー、あれはもう何とかなったから大丈夫なんだけど…」
喉を奏斗に撫でられる。
少し擽ったいが、触っている奏斗はとても真剣な顔をしている。
喉を触ってもなんともないと思うんだが…?
「そっか、家にのど飴ある?」
「えっ、あっ、あるけど、」
「一旦はのど飴舐めといた方がいいでしょ?」
「いや、いいよ、大丈夫大丈夫」
「ええ?そんな遠慮するもんでもなくない?」
「…ぁうん、たしかに、なんでやろ。貰うわ」
モヤ、と胸にひっかかりを覚える。
さっきのやり取りに違和感を感じる。
奏斗の返しに何かを気付かされた気がするのに、それを自分で気づかないよう隠しているかのように感じる。
(ストレス?)
なんとなく、なんとなくだ。そうは思いたくなかった。
それではまるで
―まるで、奏斗との会話がストレスかのように思いたくなかったからだ
「――ひば?」
「っんあ、あう、」
長い時間考え込んでいたと思う。やっとこさ答えが出たところで
カラン、と口の中が鳴る。
固く丸いものが口の中に入り、その瞬間にいい香りと痺れるようなミントの味がする。
「ありがと」
「お易い御用~」
「ねえ、奏斗」
「ん?」
「なんとなく、なんだけど」
「うん」
「なんとなく、奏斗に心配されるなら、喉を壊してもいいなって思っちゃったんだよね」
「うん
………………………………………うん?」
奏斗はさっきまで天井を見つめていた目をこちらに向ける。
「さっきから、ずっと奏斗との会話に違和感感じてて、俺なりに考えてたんだけどさ。
多分俺は言いたくないし奏斗に余計な心配されたくなかったんだと思う。」
「…?話が見えないな」
「でも、それはちょっと嫌だなって思って」
「うむ」
奏斗はまた天井に顔を向けた。
「だから奏斗は、俺が怪我したらちゃんと心配するべきだと思うし、俺が痛がってたから奏斗も痛そうな顔をするべきだと思う」
「…うーーーん?」
お互いに天井を見つめながらなんともないように話を続ける。
奏斗はピンと来ていないようで、うーん?うーん、うーーーん?と唸っている。
「つまり…雲雀は僕に心配して欲しいってこと?」
「うん 」
「…………………………………はい?」
奏斗はゆったりと起き上がった。
俺の頭を自分の膝に乗せ、目が合う。
「だからのど飴断ったの?」
「うん」
「…酷くなれば僕が心配すると思って?」
「うーん。そうなるかもなぁ」
「…………はぁぁぁあ…」
奏斗は力を抜き俺の顔にキスの雨を降らせる。
短いキスを繰り返したあと、最後に口に短くキスをする
「…喉の調子が悪いってところからかなり心配してたんですけど?」
「………奏斗怒ってる?」
「怒ってるよ」
「…怒られたいなんて言ってない」
ぶてくされたように言えば奏斗は驚いたように目を見開く。本当に心底驚いたように。
「アンタ今日どしたの」
「わかんない。わがまま言いたい気分かも」
「~…愛らしいなぁヒバは」
「怒ったり驚いたり愛でたりと忙しいなぁお前」
しばらく見つめあっていると、瞼が落ちてくる。
暖かい奏斗の体温に、心地良さを覚えてしまっている体は、眠る合図とでも思っているのだろうか。体から力が抜けていく。
「今日はもう寝ちゃおっか。」
「…うん、」
「雲雀多分疲れてんだよ。」
「心配して」
「してるっつーの。伝わんないなぁ」
「……そっか、俺の事大事?」
「大事。僕の1番大事な人だよ」
「…んは、そっかぁ、よかった
奏斗の、1番かぁ」
「おやすみ、雲雀。いい夢見てね」
「おやすみ…かなと…」
「お酒、明日飲むかなぁ。」
痺れる足を無視して気持ちよさそうに眠っている雲雀の顔を撫で続ける。
翌日
「っぁ~!!!!しぬ!!しぬぅ!!!」
「足痺れてやんの」
「あたりめぇだろうが!っヒィ~!!!!」
「俺も首痛い」
「心配なんてしてやんねぇからな!!!
僕を心配しろ!!」
「あはははは!」
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