好きな 曲 で 曲パロ する .ᐟ.ᐟ
「 顔も覚えてない 」 って 曲 なんだけど …
知ってる .ᐣ
これ を 機に 、好き に なって ほしい な ー って 思ってる 。
はい 、皆 大好き 紫赤 です 。
紫視点です。
前半曲パロメイン。
後半はオリジナル
start ෆ
眩しい 。
まぶたの裏を焼くような光に、俺は顔をしかめた。どうやら思いのほか寝すぎていたらしい。
明け方に帰ってきて、ちょっと横になるつもりだったのに、もう外はすっかり朝を通り越して昼の気配がする。
「 ん”、ん” … 」
喉が焼けるように渇いている。昨日、飲みすぎたせいだ。それにしても、頭が痛い。記憶が、ところどころ抜け落ちている。
最後に覚えているのは、あの店で酒を……
「 洗濯物干さなきゃ … 」
ぼんやりつぶやいて、体を起こす。
いつもならこの時間、洗濯物が乾く陽の強さになる前にベランダに出すのが日課だ。
だがその前にスマホで今の時間を……
視線を向けた瞬間、思考が止まった。
「 …… は ? 」
1拍置いて声を出した。
俺の視線の先には、知らない男がいた。ベッドのシーツを胸のあたりまで引き寄せて、俺のことを見ている。 何も言わず、ただ黙って。少し、上目遣いで。
「 …… 」
顔が赤い。 それが酒のせいなのか、他の理由なのか、俺にはわからなかった。
「 ぇ、は ?いや … 」
俺が体動かすと、自分の体に掛けていた布団がずり落ち、 冷たい空気が肌に触れた。
( ……あれ
俺も裸じゃん……
「 ぇ … ? 」
「 … っ 」
冷や汗が背中を伝って、布団の下に消えていった。息をするたびに喉がひりつく。
何がどうしてこうなったのか、頭の中で必死に状況を整理しようとする。
昨日のことを思い出せ。
__仕事でミスをして、上司に怒鳴られた。
帰り際に同僚が飲みに誘ってくれて、居酒屋で生ビールを…何杯のんだっけ?
気づいたら笑いながらテーブルに突っ伏してた気がする。 そこから、どうした?誰かと話したか?帰ったのか?
( … 思い出せない。)
脳の奥がぐらぐらして、まぶたの裏に白い光が残る。 俺はごくりと唾を飲み込んで、もう一度隣の男を見た。
「 …… ⸝⸝ 」
彼はまだ何も言わない。
目だけが俺を見ていて、どこか怯えたようにも、観察しているようにも見えた。 肌は薄く汗ばんでいて、唇は少し震えている。
知らない顔だ。
見たことも、名前も、何もわからない。
なのに、なぜか……ほんの少しだけ、見覚えがある気がした。誰かに似てる。
かち、かち、かち…
「 ………… 」
「 ………… ⸝⸝ 」
沈黙が長い。
時計の針の音だけが、やけに大きく聞こえた。
カーテンの隙間から入る朝の光が、ゆっくりと男の頬を照らしていく。
俺はというと、固まったまま。 頭の中ではぐるぐると同じ言葉が回っていた。
( んだこれ … どういう状況? 俺、ほんとになにした? )
だって覚えてない。 昨日の夜のこと、まるごと抜け落ちてる。 記憶が霧みたいに消えて、何ひとつ手がかりがない。飲み会のあとで記憶が飛ぶなんて、初めてじゃない。
でも、目が覚めたら全裸で知らない男と一緒って…これはさすがに、レベルが違う。
「 …… 」
喉が動くけど、声が出ない。
気まずい。めちゃくちゃ気まずい。
( 覚えてないのは本当に申し訳ないけどさ…… お前もお前で、なんか言えよ!)
心の中で叫んでも、沈黙はびくともしなかった
どれくらい、沈黙していたんだろう。 空気がひりついて、耳の奥で自分の鼓動が響いている。
そのとき、 隣の男が、ふいに息を吸った。
「 … 覚えてない? 」
「 … ! 」
小さな声だった。
でも、その一言がやけに鮮明に聞こえた。
やっと開いた唇から落ちたその音が、部屋の中に重く沈む。顔が真っ赤だ。 耳まで熱くなってるのが見て取れる。 その赤さに、どんな感情が混じってるのかはわからない。
だけど
少なくとも、俺の中ではもう、答えが出てしまっていた。
( あーもうこれ … 確定やん )
男は、視線を泳がせながら、言葉を探すように口を開いた。
「 その、あんたすごい酔ってて、 大丈夫なのかなって思って、声かけたら…… 」
そこで一度、息を詰まらせる。
耳まで真っ赤に染まって、シーツの端をぎゅっと握りしめていた。
「そしたら突然、あんたの上司の愚痴が始まって……」
「 …… はい ? 」
……上司の、愚痴?
脳内のどこかで、かすかに誰かを罵倒してる自分の声が再生された。
思い出したくもないトーンで。
「“あのハゲ上司め”って……」
「 い、言わなくていいから !」
思わず声が出た。
頭を抱えたい。いや、もう抱えてた。
( よりによって、初対面の前で上司のディスだなんて … )
「 あんたの話、聞いてたら、 共通の趣味、見つかったんだ。 気づいたら、なんか凄いお互いに共感し合って、熱く語ってた 」
そこまで言って、口をつぐんだ。
喉の奥で小さく息を呑んだ音がする。
「……俺も、酒飲みすぎちゃって…」
「 そし … たら ⸝」
途切れた声。
そして、ゆっくり顔が赤くなっていく。
首筋から頬、耳の先まで、見る見るうちに熱が上がっていくのがわかる。
……そしたら?
言葉が出てこない。
代わりに沈黙が落ちて、俺の心臓の音だけがやけにうるさい。
「そしたら……」
そこまで言って、男は目を伏せた。
その先を言う勇気が、どうしても出ないみたいだった。
( ぁーうん、なんとなく分かった気がする。分かりすぎたくなかったけど… )
男は唇を噛み、目をぎゅっと閉じた。
顔はもう真っ赤を通り越して、湯気が出そうだ。
「 そのまま家でまた飲もうって話になって 」
嫌な予感しかしない。
胸の奥で警報が鳴る。
「で、家入った瞬間__」
一拍置いて、
男が叫ぶように言った。
「ベッドに押し倒されました!!! ⸝⸝ 」
「 ………… …え? 」
一瞬、何の音も聞こえなくなった。
思考が固まって、世界が静止したみたいに。
男は顔を覆ったまま、肩を小さく震わせていた。 俺は何も言えず、ただ息を飲む。 頭の中で、言葉にならない言葉がぐるぐる回っていた。
どうすればいい。 なんて返せばいい。 てか俺、ほんとに押し倒したのか?いやいや、嘘だろ?
そんな混乱の最中、 男が小さく息を吸い込んだ。
「…でも、優しかった……です」
「……ぇ?」
声が裏返った。
何を言われたのか、理解するまでに三秒かかった。 男はうつむいたまま、シーツを握りしめる。 耳まで真っ赤。 唇が震えて、次の言葉を押し出すように。
「き、気持ちよかった、です……っ⸝⸝」
「 !!?!!?! 」
頭の中で何かがパーンと弾けた。
( それ、はっきり言うなよ!? )
男は、しばらく顔を伏せたまま黙っていた。
けれど、何かがぷつんと切れたみたいに、ふっと息を吐いて顔を上げた。
「 気づいたら、あんなに触られて… あの時の自分がどういう顔してたのか、今でも思い出せるくらいでっ!」
語りながら、男の頬がまた赤くなっていく。
それは恥ずかしさというより、思い出した熱そのものみたいだった。
「怖いとか、嫌とかじゃなくて…! むしろ、ちゃんと見られてる気がしてっ、!」
言葉が重なっていくたび、 部屋の空気がゆっくりと甘く、重たく変わっていく。
「何かを確かめるみたいに、優しくて。
ちゃんと、覚えててほしかった…」
「 ! 」
最後の一言だけ、かすれるように落ちた。
その“覚えててほしい”が胸に刺さって、俺は何も言えなくなった。
喉の奥で乾いた息を飲み込む。
頭が熱いのに、指先は妙に冷たかった。
「 ……… 」
(……俺、何やってんだ、ほんと。)
沈黙の中で、自分の鼓動だけがやけにうるさかった。
終わり方わかんねー
コメント
1件
この後の解釈はご自由に。 できれば誰でもいいから続き作って欲しい(願望)