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めっちゃ良き(๑•̀ㅂ•́)و✧それ以外が言葉がないのが悔しい(;`皿´)グヌヌ
本部への報告が終わり、立華からも逃れ私は家への道を辿っていた
帰ったら寝ようかなとかを考えながら歩いていると……
「なぁ?お前他にもなんか持ってねぇの?」
「そんななりしてるから良いお家だと思ったのによぉ」
……………
まじで?ほんとに?
ガチでやめてくれよ
正直なところ、こんなの微塵も興味はない
助けてやろうとも思わないから突っかかる気もない
ただ今回の場合問題なのは
(私の進行方向……)
私はこれまで裏路地を通って歩いてきていた
その方が人波に飲まれることもないから早く帰れる
それだってのに…
「…………はぁー」
やるしかねぇのか…
なるべく穏便に、喧嘩にならないように、そうしよう
そう決意し、私は一歩踏み出す
「……あの」
そう声をかけると相手はびっくりしたようにこちらを向いた
「あぁ?なんだお前?」
「…そこ、通りたくて」
「……マジ?」
「?マジだけど?」
「………」
………何を話し合ってるんだ?あいつら
そう思っていると
「やっちまうぞ!」
……嘘だろ。私、敵意向けてないよね?なんで襲いかかってきてるわけ?
「…めんどくさ」
「こいつを売って一攫千金だ、!」
「う、うぐ、」
「な、なんなんだよ、こいつ」
……ほんとにこいつら私を捕まえるつもりだったのか?
「…行きな」
「す、すいませんでしたーー!!」
………はぁ、帰ろ
そうしてまた家路につこうとすると
「あ、あの!」
…めんどくさい予感
「さっきは、ありがとうございました!お礼したいんですが…」
「結構」
私は足を速めた
こういうときは何も気にせずに無視するのが1番
「え、あ、あの!」
その日はそれで帰った
そう、『その日』は
「…………なんで?」
「どうしてもお礼がしたくて!」
「………なんで」
「?お礼がしたくて!」
「そうじゃなくて…」
そいつはなぜか私の家の前にいた
もちろん教えたつもりはない
そのことを説明すると
「調べました!」
…そう簡単には分からないようにしてたんだが
まぁ幸いにも、バレたのは私がブラフとして持っていた家だった
「…何してんの、彼方」
声が聞こえて奥の方を見てみると沙霧がいた。
「………分かんない」
「はぁ?なにそれ」
「こんにちは!お知り合いですか!」
「………まぁ」
「わぁ、とても可愛らしいですね!見惚れちゃいます!」
「………あっそ」
「あ、冗談だと思ってますね!?本気ですから!」
「…………はぁ」
沙霧も会ってすぐだが、こいつがめんどくさいやつだって分かったみたいだ
今まででも類を見ないほどのめんどくさそうな顔をしている
「何があったかはわかんないけどさぁ?誰か分かんないやつとそんなに話したくないんだけど」
私も同意だったので隣で頷く
「ああ!そうでしたね!」
彼は思い出したかのように言い出し、姿勢を正した
「僕は香澄家の次男、昴(すばる)と申します」
…さっきまでの態度で分かりにくかった
服の素材といい、私の家を特定したといい、こいつ相当な家柄だなと思っていたが
「日本の中でも五本指に入る名家のお方が、こいつの何の用?」
「あ!知ってたんですね!」
「そりゃ、まぁ、日本に住んでるやつなら一回は聞いたことがある家だもん」
そう、彼の家は日本を支えていると言っても過言でないぐらいの大きい家なのだ
「で、何の用?」
「あ、つい先日こちらの、えっと」
昴はばつが悪いようにこっちを見てきた
名前が分からなくて詰まってるってとこか
別に名前を呼ぼうとしなくてもいいのにと思う
「……えっっとぉ」
「………彼方」
「パァ☆*:.。. o(*゚▽゚*)o .。.:*☆」
なんか分かりやすいやつだな
「彼方に助けてくださったのでそのお礼をしに!」
「………へぇ」
沙霧はなんでこんなやつを助けた?という視線を私に送る
(私だって助けたくて助けた訳じゃない……)
「あ、」
ふと沙霧が声を上げると何やらいたずらな顔になった
(なんか企んでるな…)
「ねえあんた…昴、だっけ?俺ら今から昼飯食べに行くところだったんだよね」
「あぁ!そうだったんですね!気づかず申し訳ありません!」
「そう、あんたのおかげで予定が狂った。だからさ…あんたが昼飯連れて行ってよ。それをお礼として受け取ってあげる」
…まぁ、こんなことだろうと思った
もちろん、私は沙霧と昼飯を一緒にする予定はなかった
沙霧は嘘を吐くのが上手いんだよな
……てか、なんで沙霧がお礼の提案してるんだ?
「分かりました!では、僕の1番おすすめのお店に招待します!」
そう昴が言うと、どこからともなく見ただけで分かる高級車が来た
「さぁ、お乗りください!」
「おぉ、話早くて助かるわ」
そう言うと沙霧は早々に乗り込もうとする
「……なぁ」
「ん?もしかして恋歌さんのこと気にしてんの?」
沙霧は私がと考えてことを言い当てた
「別にいいじゃん?行く途中でちゃんと連絡するし」
……だからいいとはならないと思うけど
だけど今の私の目の前には、既に車に乗っている沙霧と、キラキラした期待の目で見ている昴がいた
(行くしかないよなぁ)
そうやって、私は諦めて車に乗ったのだった
今思えば、これが始まりだったのだろう