朝、妹に起こされ、いつも通り家族と朝ごはんを食べ、妹と父を見送り
母にお昼ご飯なにがいいかと聞かれ、ペペロンチーノと答え
部屋に帰りもう一度眠りについた。
1、2限の講義をサボり、早すぎる昼寝をし、お昼ご飯を食べる。
ろくでもないな。と自分でも思いつつスマホでLIMEをする。
鹿島も朝まで動画編集をし、講義をサボっていた。匠は意外なことに1、2限に出席していた。
まぁ「意外」というより大学生としてはそれが「正しい」んだろうけど。
講義の時間が早いと早起きして眠い中、行くのは嫌だし
遅いと遅いでこのまま寛いでいたいと思って行きたくないという
クズ極まりないことを考えつつも
過去の自分ならこのまま5限も休んで勝手に全休にしようと思っただろうが
もしかしたら妃馬さんと同じ講義かもしれない
という考えが浮かんで行く気が湧いてくる。
2時半頃からそわそわとし始め、服装を決め、ピアスを変え、3時少し過ぎに家を出た。
イヤホンで曲を聴きながら駅までの道を歩き、電車に乗り、終点で降り、電車を乗り換え
大学の最寄り駅で降りて、コンビニに向かう。
コンビニで心の紅茶、通称ココティーのレモンティーを買い、大学の敷地内に足を踏み入れる。
スマホで講義室を確認する。階段を上り、講義室に入る。
講義室内を見渡しても、白い髪もいなければ金髪に近い茶髪も見当たらない。
どうやら匠も鹿島もいないらしい。僕は後ろのほうのテーブルの席に座る。
バッグをテーブルの上に置き、ポケットからスマホを取り出す。
ちょうど鹿島からLIMEが来ていたので、その通知をタップし、鹿島とのトーク画面に飛ぶ。
「いやぁ〜朝まで編集してたし、そのまま1限行こうかな?とは思ったんだけどさ。
まぁ無理だったよねww」
まぁそれはオレも無理だったけど。と思いながら返信を打ち込む。
「まぁ無理だろwてかお前5限あんだろ。」
送信ボタンを押す。トーク一覧に戻る。
妃馬さんからもLIMEが来ていたので確認する。
「今日は5限1つだけなんで <(`^´)>エッヘン」
そのメッセージの後に猫が腰に両手を当て
胸を張ってドヤ顔をしているスタンプが送られていた。
お、キタ。そう思いながら返信を打ち込む。
「お、僕も5限あります。ちなみになんですか?」
その後にフクロウが「?」を頭の上に出しているスタンプを送った。
トーク一覧に戻る。最近使ったアプリの一覧を開き
意味がわかると怖い話のアプリを開き、新しい話を読み始める。
7行ほど読んだところで画面上部にLIMEの通知が出る。
その通知でも読めたが一瞬で「スタンプを送信しました」にかき消された。
読み途中だったが最近使ったアプリの一覧を開き
LIMEのアプリを開き、妃馬さんとのトーク画面に入る。
「お!もしかして同じだったり?ちなみに私はジェンダーと文化です」
そのメッセージの後に猫がワクワクしているスタンプが送られていた。
違った。一気にこの講義に出る意味を見出せなくなった。
もちろんこの講義の単位を取るためというのはあるのだけれど。僕は
「あぁ、残念。違いました」
その後にフクロウがガッカリしているスタンプを送った。
講義室の前の扉から講師の方が入ってきたので
最近使ったアプリ一覧から音楽アプリに飛び、今聴いている曲を停止した。
この講義は課題やテストよりも出席率を重視していたため
ただ席に座っているだけで単位が取れるので、バッグからサティスフィーを取り出し
講師の方から死角になる太ももの上でゲームをし始める。
前からプリントが回ってきた。1枚取り、後ろに回す。チラッっとプリントを見る。
小難しいことが書かれていて、すぐにサティスフィーに視線を移す。
サティスフィーにもワメブロ(ワールド メイド ブロックス)を入れていたので
パス4(パスタイム スポット 4の略称)で鹿島と実況動画を撮っているときに
作っている拠点をサティスフィーで再現し
そこからどういうデザインで、どういうブロックをどう使おうかとシミュレーションする。
その間にスマホを触り、LIMEの通知があったら返信していた。
「では、本日の講義はここで終了します。
来週もプリントを配布して講義をしますが、今日配ったプリントも併用して講義をするので
今日配ったプリントも持ってきてください。ではお疲れ様でした」
その言葉を合図にぞろぞろと早足で講義室を出る生徒たち。
中にはまだゆっくりと友達と話しているグループや
僕のように講義中にゲームをしていて、キリのいいところまでプレイし続けている人や
真面目にプリントになにかを書き込む子、様々いた。
僕はキリがいいところがあるゲームをしていたわけでもないし
鹿島も匠もおらず話す相手もいないので、すぐ講義室を出てもよかったのだが
扉の周辺が通勤、通学ラッシュの駅のようだったので、人が少なくなるまでゲームをしていた。
扉周辺の人が少なくなったので、サティスフィーの電源を切り、バッグに入れ
イヤホンをつけ、スマホで「お気に入り」のプレイリストをシャッフル再生し、講義室を出る。
校舎を出て、大学構内の外を出口の門に向かって歩く。
特に何も考えず、ただ耳元で流れる曲を聴きながら歩いていると
トントンッっと背中を叩かれる。
「ん?」と思い振り返ると、そこには小さく手を振っている妃馬さんが立っていた。思わず
「おっ…」
っと声が漏れる。左手で左の耳からイヤホンを外す。
「お疲れ様です」
妃馬さんが笑顔で言う。
「おぉ、お疲れ様です」
僕もそう返す。続けて
「もうお帰りですか?」
と聞くと妃馬さんは
「「お帰りですか」って言い方。丁寧過ぎですよ」
と笑いながら言う。
「たしかに」
と僕も笑う。妃馬さんの後方を見ると妃馬さんのお友達であろう人たちが3人いた。
さすがにここで「送ります」というのは違うと思ったので
「じゃ、またLIMEしますね」
と言う。すると妃馬さんは「あっ」っという顔をして
「あ、はい。待ってます」
と言ってくれた。嬉しかったし可愛かった。ニヤけそうな口元を必死で堪え、右手を挙げ
「じゃ」
と言い左手で左耳にイヤホンをつける。
妃馬さんも右手を挙げてくれたのを見届けて、振り返り、また大学の出口の門へと歩き出す。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!