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「楓姫のことで花月がキレた!?」

「うん…少なくとも私にはそう見えた。楓様が喫茶店に来たんだけど、廊下で順番待っているときに周りの子たちに悪口言われて…居づらくなっちゃって……。楓様のことを皆”理事長の娘”とか”あいつ”とか言っているのを聞いて、何で誰も名前で呼んであげないのって怒ってた。何で誰も楓様を見てあげないの、って……。それで、楓様を嫌ってる人たちがグラスを花月ちゃんに投げつけた。」


「それをあの花月が……。」

 

「こんなこと言ったら不謹慎かもしれないけど、花月ちゃんが言い合いになったときね、カッコいいなって思ったの。楓様のこと大切にしてるんだって…感動した。」

「花月は……人のこととなるとすごく強くなるから。いつも自分のことなんか考えないで人のことばかり考えてる。」

 

「そんな花月に私たちもいつまでも甘えてる場合じゃない。結愛、自分たちのことは自分たちで片付けよう。それがたとえ楓様を助ける形になるとしても……私たちのこれからが変わってしまうとしても……。」

「あずさ……。」

 

「いや、もう君たちが何かする必要はないよ。ここからは……楓姫自身がやること。楓姫が自分の言葉で…自分の力で乗り越えなければいけないことだよ。」

 

「それでも……なにかできないのかな……私たち。ペット制度があったことは本当だけど、楓様の命令でいじめや暴力をしてきた時点で私たちも同罪。楓様だけに責任をとらせるわけにはいかないよ。」

「桃瀬くん、あとの掃除は君たちにお願いしてもいいかな?私たちは……私たちのすべきことをしてくるから。」

 

「分かったよ。」

生贄の花嫁~Lost girl~

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