これは、とある日のことだった。
僕の所属している美術部の先輩が、僕にいいバイトがあると話しかけてきた。
「なぁ秋斗、いいバイトがあんだけどさ。」
「…そうなんですか?」
僕は、咄嗟に反応してしまう。
僕も高校生だ、お金にはいつも困っている。
「あぁ、これなんだけどな?ねてるだけっていうすげぇ簡単なバイトなんだぜ?」
すると、先輩が僕にスマホ画面を見せてくる。
お金に困っている人必見!!
寝ているだけの簡単なバイト!
勤務時間は5時間
12:30〜5:30まで
日給10万円
なんだこれ、凄い怪しそうだ。
しかし、僕はそれをすんなり飲み込んでしまった。
徹夜の絵描きで疲れていたのだろう、
そうして僕はここに来た。
「こんにちは、君が応募してくれた白野秋斗っていう子?」
「はい、僕が白野秋斗です。」
そういうと、見た目二十代から三十代のお兄さんが、僕に一枚の紙を渡してくれる。
一週間の曜日が書かれた欄がある。
「じゃあ、これから一週間のシフトを入れようか。」
凄い、なんかバイトっぽいな。
…バイトだけど。
「あ、一度入れたら取り消せないから、しっかり考えていれてね?」
そうして僕は、一週間びっしりとシフトを入れた。
寝ているだけとはいえ、こんなに寝れないだろ。
そんなツッコミはしないでね?
それをお兄さんに渡すと、お兄さんは奥の部屋へと案内してくれる。
「あの、僕は具体的に何をすればいいんですか?」
そう聞くと、お兄さんは振り返って、
「HPに書いてなかったかい?寝てればそれでいい。」
そう言うと、お兄さんは一つの扉を開ける。
「さぁ、ここだよ。」
開けられた扉の奥には、ベッドが一つ置いてあるとてもシンプルな部屋だった。
「じゃあ、始めようか。」
それが、地獄の始まりだっだ…
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