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「身体影響症候群」
何気ない日常
そんな日常に突然現れた
「旭ー!!」
大きな声が廊下に響く
呆れた声で言った
「どうしたんだよ」
「おいおい〜聞いてくれよぉ〜」
こいつの名前は山口
いつも俺に大したことない相談をしてくる
「その顔嫌がってんな?そうだよな?」
山口が俺の顔をジーっと見てくる
「あぁ、そうだよ」
「…ま、とりあえず!早く話を聞いてくれ!」
(嫌なことは無視かよ…)
「俺の体がなぜか傷ができてるんだよぉ」
シャツをめくって腹を見せてきた
俺は驚いた
相当でかい傷だったからだ
クマに引っ掻かれたような、痛々しい傷だ
「そんなでかい傷なぜかで済まされるわけないだろ」
「んー、記憶にないわぁー」
「おかしいよなぁ〜俺、昨日どこも行ってないのに」
「昨日その傷ができたのか?」
「あぁそうだよ」
昨日は山口が体調不良で学校を休んでいた
「頭、おかしくなったのか?」
「はぁー?体調不良だったからって頭おかしくならねぇーよ」
体調不良とその傷…
「…小説で同じ話があった。身体影響症候群だった気がする」
「小説と同じにするなよ!しんたいえいきょーしょうこうぐん?ってやつは何なんだよ!」
「心が傷つくと身体にも傷がつくんだ」
「例えば、悪口を言われて心が傷つくだろう?傷ついた分が身体に影響して傷がつくんだ」
「…な、なるほどって言いたいけど……そんな話信じられるかよ…」
焦り気味で言った
「お前、昨日何かあっただろ」
びっくりした顔でこちらを見る
「は、はぁ?何もねぇよ」
「隠すの下手くそだな」
「……」
山口が黙り込む
「一体何があったんだよ」
小さい声で話出した
「俺、父ちゃんが亡くなって、母と2人の生活してるんだよ」
「でも、近所の同級生が母子家庭なのがおかしいって言っていじめてくるんだ」
「だから、その傷が?」
「昨日は体調不良で休んで、変な夢ばかり見て、悪魔しか見なかった。同級生がこちらを見てずっと真顔で見てくるんだ」
次の日、起きたらベッドに汗がびっちょりで、震えが止まらなかったよ」
「…よく分かった。俺はお前を見過ごすわけにはいかないな」
目が輝いていた
「旭珍しいぃー!俺の相談なんて無視してたのに!」
「今回は無視することじゃないだろ」
「旭………」
山口の目がうるうるしていた
「俺たちだけじゃそのことは解決できない
先生の力が必要だ」
「お、おう!」
_数日後、山口は亡くなった
俺今、お葬式にいる
信じられない、今の状況 が
突然死なんて症候群でしか考えられないだろ
俺の、せい?
先生に相談して……それから何があったか知らない、もしかして相談したことによって何か起きたんじゃないか
「旭くん、大丈夫ですか?」
知らない人に 急に声をかけられて驚いた
「え、……」
黙り込んでしまった
涙が出ない、悲しいのに
「急に亡くなられるんなんて…旭くん、いつも一緒にいるじゃない?何か心当たりがないかしら…」
心当たり…そうだよ、心当たりでいっぱいだよ
「…………」
声が震えている
話していいのか、いや、話すべきなんだ
でも、身体影響症候群なんて信じてもらえるのか
「大丈夫よ、無理して話さなくて」
後ろを向いて歩いて行った
知らない…誰なんだ…あの人
…話せなかった、話せばよかったのに
次の日、先生に話を聞いた
「お〜旭、どうしたんだよ」
お前は山口の担任だろ、何でそんな平気そうなんだ
「先生、山口のことについて知ってますよね?」
先生は顔を顰めた
「聞かない方がいいぞ、死にたくなければ」
思わない言葉が出てきて驚いた
死ぬ?冗談だろ?
「冗談はやめてください」
「冗談じゃない、これ以上聞くな」
笑いながら言っていて気味が悪い
絶対先生は山口と関係がある
絶対だ
「…言えないのですね、お時間取らせていただきありがとうございます」
扉を強く閉めた
廊下に響いた
山口の声も響いていたな…
_ それから半年が経った
二月二日、 急に目の前が真っ黒になった
そして、光が見えてきた
「旭ー!!」
この声、山口?!
「山口?!!」
「おいおい急に大きな声出すなよぉ〜」
「山口!何で?」
「ん?何のことだ?」
今までは夢だったのか……
そうだよな、ありえないよ…
「旭〜聞いてくれよぉ〜」
「どうしたんだよ」
「聞いてくれるなんて珍しいな!」
そう言ってシャツをめくって腹を見してきた
俺は目を擦った
夢で見た光景と全く同じだったからだ
「俺の体がなぜか傷ができてるんだよぉ」
同じ言葉…
「……痛々しいな」
「だろぉ〜?何でだろうなぁ」
「お前何か隠してるだろ」
家庭の話が同じか確かめた
「嘘はつくなよ」
「……」
山口は黙り込んだ
「旭はすごいな〜、」
小さい声で話し出した
「俺、父ちゃんが亡くなって、母と2人の生活してるんだよ」
「でも、近所の同級生が母子家庭なのがおかしいって言っていじめてくるんだ」
「昨日は体調不良で休んで、変な夢ばかり見て、悪魔しか見なかった。同級生がこちらを見てずっと真顔で見てくるんだ」
次の日、起きたらベッドに汗がびっちょりで、震えが止まらなかったよ」
同じだ……予知夢でこんなに同じなことあるか?
きっとタイムスリープだ
信じられないけど、信じるしかない
「俺がお前を助ける」
「そんなこと言われたら照れるだろぉ〜」
ニコニコ笑っていた
笑顔を見ると先生を思い出してしまう
「絶対に担任の先生には相談するな」
山口は戸惑っていた
「な、何でだよ」
「お願い、絶対にやめてくれ」
「まぁ、旭がそこまで言うなら仕方ない」
(納得してくれてよかった…)
「今から、他の先生に相談しに行こう」
「おう!」
_数日後旭が亡くなった
なぜだなぜだなぜだなぜだ
何で…?
他の先生に相談したのに
手の震えが止まらない
「旭くん、大丈夫?」
この人は誰なんだ
「あなたは、誰ですか?」
「もぉ〜旭くんったら失礼ねぇ〜私は優斗の母よ」
山口の母?!この人が?確かに顔は知らなかった、
「す、すみません、あの、」
「どうしたのかしら?」
「心当たりってありますか?」
「心当たり…仕事から帰ってきた時には、もう…私にはどうしてこうなってしまったのかわからないわ」
確かに、そうだよな
「そうですか…話が変わりますが、山口の担任の先生について何か知っていますか?」
さっきまで悲しそうな顔が一気に怒りの顔へと変わった
「あいつのことなんか知らないわ!なんてことを質問してくるの?!」
「え、すみません」
あんなにも怒っているなんて、先生は絶対関係あるな
「あなたも話してた時からつつかれるみたいでイラつくわ!」
早歩きでどこかへ行ってしまった
…もっと聞けばよかった
仕事から帰宅した時の時間を聞けばよかった
帰宅する前に山口に電話したら、何かわかるかもしれない
また、タイムスリープするかわからないけど
あ、
あることに気づいた
山口とはよく話してるのに、連絡先を交換していないことを
「とにかく、山口の母を追わなきゃ」
俺のお母さんに聞いた
「山口の母はどこに行った?」
「急にどうしたの?山口くんのお母さんならトイレに駆け込んで行ったよ」
「ありがとう」
トイレの入り口付近に待って、出てきた
「何でここにいるのよ?早くどっかへ行きなさい!」
「聞きたいことがあるんです。お仕事から帰宅時間を教えてください」
「……6時半よ」
すんなり教えてくれて意外だった
「本当ですか?ありがとうございます」
「…嘘はついてない、けどこんなこと聞いて何するつもり?」
「それは……」
言いかけた途端俺のお母さんが来た
「そんなにワーワーやってるけど、何かあったの?」
山口の母は焦りながら
「いいえ、息子さんからお仕事の帰宅時間を聞かれたので」
俺のお母さんがこっちを見た
「そんなこと聞いてどうするの?ほら、早く行くわよ」
手首を掴まれ、お母さんは山口の母に何回もお辞儀をして家に帰った
「そんな必要のないこと聞くんじゃないの!」
お母さんに怒られてしまった
「は、はい」
そして、半年後の二月二日
俺はこの日を覚えている
今日、タイムスリープをする
するはずだ
だが、タイムスリープしなかった
二月三日朝になり、後悔ばかり考えていた
すると、目の前が真っ黒になった
あの時と同じだ!
目の前から光が見えて
「旭ー!!」
山口の声だ
「どうしたんだ」
「聞いてくれよ〜相談したいことがあるんだ」
「毎日6時から電話していいか?」
変な質問に山口は戸惑う
「はぁ?何?俺のこと好きなの?」
「違う、その相談に乗る代わりに毎日電話をさせてくれ、条件だ」
「旭、変だなぁー」
山口が1分くらい悩んでいた
(すぐ受け入れると思っていたら山口がこんなに悩むなんて)
悩んでいる時、誰かが俺のことを読んだ
「旭くーん!!!こっちにきてくださいーー!!!!」
ものすごい大きな声だ
山口がすぐ口を開けた
「ほら、呼んでるだろう?早く行ってあげなよ」
焦っている
「わ、わかった」
呼んでいる女のそばに行った
「何?」
「旭くん!君、タイムスリープしてますよね?」
「は?」