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『キスをしないと出られない部屋』 Part.2
1日の大半これに費やしました。今回は🧢×🍈と0️⃣×🦍の2組です。
地雷は下がってね。
🧢×🍈
目を覚ました瞬間、りうは天井を見上げて、ゆっくりと口元を緩めた。
🧢「……ついに来たか」
隣のベッドがきしむ。
🍈「朝一で何言ってんだよ」
メロンが呆れた声を投げる。
🧢「いやこれ絶対そうじゃん。見知らぬホテル、隣にメロン……二次創作でよく見るやつだ」
🍈「何考えてるんだよ。気色悪いからやめろ」
即座に切り捨てられても、りうは気にした様子もない。
🧢「えー、もうちょいロマン感じろって」
🍈「感じるか」
メロンは起き上がりながら部屋を見回す。
整った内装。ホテルのような空間。だが――
🍈「……窓ないな」
その一言で、空気が少しだけ現実に戻る。
🧢「え、マジで?」
りうも身体を起こして確認する。
🧢「ほんとだ。え、ちょっと怖くない?」
🍈「ちょっとどころじゃないでしょ」
メロンはそのままドアへ向かい、ノブを回す。
開かない。
🍈「鍵かかってる」
🧢「うわ、ガチじゃん」
りうもようやく真面目な顔になる。
🍈「……とりあえず状況把握しよう」
メロンがそう言ったとき、ドアの横のプレートに気づいた。
🍈「なんか書いてある」
🧢「ヒント的なやつ?」
二人で覗き込む。
『条件達成により解放されます』
🧢「条件?」
🍈「その下見て」
『キス』
沈黙。
ゆっくりとりうが顔を上げる。
🧢「……お前と?」
🍈「嫌だわ」
間髪入れずに返すメロン。
🧢「いや俺も嫌だけど!なんでよりによってお前なんだよ!」
🍈「それこっちのセリフだよ」
🧢「もうちょいさ、こう…相手はさ、カワイイ女の子とかだろ普通!」
🍈「現実見て。相手は俺だ」
ばっさり切られる。
だがりうはすぐにケロッとした顔に戻る。
🧢「まあでも、たぶんこれそのままじゃないよな」
🍈「そうだね。どうせ別の方法あるでしょ」
切り替えは早い。
二人は部屋の中を軽く調べ始めた。
ベッドの下、クローゼット、壁。
しかし――
🍈「……何もないな」
🧢「ないねー」
あっさり行き詰まる。
そのとき。
🧢「あ、これ見て!」
りうがテーブルの上のタブレットを手に取った。
🧢「注文できるやつじゃん!」
🍈「……は?」
メロンが嫌そうに顔をしかめる。
画面には料理の一覧が並んでいる。
🧢「めっちゃ豪華なんだけど。無料って書いてある」
🍈「無料って…怪しすぎでしょ」
即座に警戒するメロンに、りうはにやにやする。
🧢「えーでもさ、こういうのって一周回って安全じゃない?」
🍈「どこがだよ。むしろど真ん中で怪しいでしょ」
🧢「ほら、毒とかなら逆に分かりやすいし」
🍈「その理屈で食うな」
🧢「腹減ってるだろ?」
🍈「……減ってるけど」
りうはそこで、ぽんとメロンの頭を軽く撫でた。
🧢「大丈夫大丈夫、俺が先に食うから」
🍈「そういう問題じゃねえよ」
🧢「何かあったら俺が倒れるだけだし」
🍈「軽く言うな!」
ツッコミを受けながらも、結局りうに押し切られる形で注文することになった。
しばらくして、配給口から料理が到着し、テーブルの上には豪華な料理が並ぶ。
🧢「うまっ!」
りうが満面の笑みで食べる。
🧢「ほら、何も起きてない」
🍈「……まあ、今のところはね」
メロンも渋々食べ始めるが、すぐに表情が少し緩む。
🍈「……普通にうまいな」
🧢「だろ?信じろって年上を」
🍈「信用できる要素どこだよ」
軽口を叩きながら食事を進める。
ふと、りうが思い出したように言う。
🧢「でさ、キスどうする?」
メロンの箸がぴたりと止まる。
🍈「……最悪の話題出すな」
🧢「いや避けて通れないだろ」
🍈「お前が相手ってのが一番きついんだよ」
🧢「そんなはっきり言うなよ、ちょっと傷つくだろ」
りうは笑いながら肩をすくめる。
🧢「まあまあ、俺はメロンにとってお兄ちゃんみたいなもんだろ?」
🍈「だから余計に嫌なんだよ」
ぴしゃりと切られても、りうはどこ吹く風だ。
🧢「えー、じゃあ何?俺そんなに対象外?」
🍈 「対象に入れる前提で話さないでもらいたいね」
🧢「ショックなんだけど」
言いながらも、口元は完全に笑っている。
メロンはその様子を横目で見て、小さくため息をした。
🍈「お前は平気なのかよ」
🧢「いや普通に嫌だけど?」
🍈「じゃあ笑うな」
🧢「だってお前の反応が面白いんだもん」
にやにやしながら言うりうに、メロンは露骨に顔をしかめる。
🍈「ほんと性格悪いな」
🧢 「褒め言葉として受け取っておくね」
軽口の応酬が続く。
りうはふっと肩をすくめて、少しだけ真面目な顔になる。
🧢「でもさ、マジでどうすんの?」
🍈「……どうするも何も」
メロンは視線を落とす。
🍈「他に方法なかっただろ」
🧢「だよなー」
短い沈黙。
りうはその空気を、わざと崩すように笑った。
🧢「じゃあもういっそ――」
🍈「近い近い、何だよ」
気づけば、りうがぐっと身を乗り出していた。
テーブル越しの距離が一気に縮まる。
🧢「覚悟決めろって!」
🍈「やめろバカ!」
半分ふざけた声と、本気の拒否がぶつかる。
りうが手を伸ばし、メロンが椅子ごと引く。
🧢「逃げんなって」
🍈「逃げるに決まってんだろ!」
🧢「一回くらい――」
🍈「いらねえよそんな一回!」
そのまま、もみ合いになる。
りうは軽く肩を掴み、メロンはそれを振り払おうとする。
じゃれ合いの延長のようで、けれど少しだけ本気の力も入っている。
🍈「やめろって言ってんだろ!」
🧢「いいから一回!」
🍈「だから何の一回だよ!」
その瞬間。
りうの足が、テーブルの脚に引っかかった。
🧢「うわっ」
体勢が崩れる。
前のめりに倒れ込んだ先に、逃げきれなかったメロンの顔。
ほんのわずかなズレ。
ぺち、と軽い音がした。
🧢「……」
🍈「……」
りうの唇が、メロンの頬に当たっていた。
一瞬で離れる。
空気が止まる。
🍈「……は?」
メロンの低い声。
りうも完全に固まっている。
その直後。
カチリ、と音が鳴った。
二人同時にドアを見る。
鍵が外れている。
🧢「……開いた?」
🍈 「……開いたな」
数秒の沈黙。
りうが先に我に返る。
🧢「……いや今のは違うだろ」
🍈「何がだよ」
🧢「事故!完全に事故!」
🍈「分かってるわ!」
メロンは頬を押さえながら睨む。
🍈「最悪の達成方法すぎるだろ」
🧢「俺だって望んでねえよ!」
🍈「頬でいいのかよ……」
🧢「唇が触れればカウントっぽいな」
りうは苦笑して肩をすくめる。
🍈「……ガバすぎるだろこの条件」
🧢 「ほんとそれな」
張り詰めていた空気が、一気に抜ける。
🍈「…まあ、出られるならいいか」
🧢「ああ」
りうは立ち上がり、軽く伸びをする。
🧢「結果オーライってことで」
🍈 「雑すぎるだろ」
メロンはドアに向かいながら、ちらっとりうを見る。
🍈「次はちゃんと考えて動けよ」
🧢「はいはい、気をつけます」
軽く返しながら、りうはその後ろをついていく。
🧢「……ほんと世話焼けるな、お前」
🍈「どっちがだよ」
最後まで軽口を交わしながら、二人は部屋を後にした。
0️⃣×🦍
目を覚ましたとき、れいまるは一度ゆっくり瞬きをした。
見慣れない天井。整った室内。ホテルのような内装。隣には見知った顔のなえごらがいた。
0️⃣「ねえねえ、なえごらさん起きて!なんかすごいことになってるよ」
🦍「んー…まるさん?……なに…」
なえごらはまだ眠そうに目をこすりながら、ゆっくり身体を起こす。
0️⃣「ここホテルの一室みたい。なえごらさん、ここまで来た記憶ある?俺ないんだけど。」
🦍「ごめん、俺もないわ。」
0️⃣「俺ら拉致されたってこと?やばくない?」
れいまるはそのままドアに向かい、手をかける。
開かない。
0️⃣「施錠されてる」
🦍「マジか。ちょっとやばいね。」
なえごらもゆっくり起き上がり、ドアの方へ歩いてくる。
🦍「……あ、これ」
プレートに目を留める。
🦍「出るための条件があるみたいだね」
0️⃣「条件?」
れいまるが隣に立つ。
0️⃣「どれ?」
二人でドア横のプレートを覗き込む。
『条件達成により解放されます』
0️⃣ 「条件?俺たちに何さす気だよ」
🦍 「下に何か書いてある……キスだって」
一瞬の沈黙。
0️⃣「……キス!?」
🦍「キスだって」
なえごらはあっさり言う。対してれいまるは動揺していた。
0️⃣「え、ちょっと待って急すぎない?」
🦍「そうだね。びっくりした」
0️⃣「いやでもさ、これってさ、俺となえごらさんでってことだよね?」
🦍 「そうなるね」
なえごらは変わらず落ち着いている。
れいまるはその場でぐるぐる回り始めた。
0️⃣「え、どうする?え、待って待って待って心の準備とかあるじゃん普通!」
🦍「別に今じゃなくてもいいんじゃない?」
0️⃣ 「いやまあそうなんだけど!」
そこでふと、れいまるの視線がテーブルに止まる。
0️⃣「……あれ、これなに」
タブレットを手に取る。
0️⃣「注文できるやつだ」
0️⃣「え、マジで?しかも無料だ。やばくない?」
🦍「ほんとだね」
画面をスクロールしながら、れいまるの顔がぱっと明るくなる。
0️⃣「酒あるじゃん」
🦍 「あるね」
0️⃣ 「とりあえず飲むか」
🦍「確かに。無料なら飲まなきゃ損でしょ」
0️⃣ 「こういう状況で考え込んでも仕方ないしね」
🦍「確かに」
なえごらはあっさり頷く。
🦍「じゃあ注文お願いしまーす」
0️⃣「OK!適当によさげなやつ頼むね」
手早くいくつか選んで、注文する。
しばらくして、グラスといくつかのお酒が運ばれてきた。
なえごらはグラスを手に取って、軽く持ち上げ、2人分のお酒を注いだ。
🦍 「はい、どうぞ」
ぐいっと一口。
0️⃣「……あ、これうま」
🦍「ほんと?」
0️⃣「うん、普通にうまい」
もう一口、さらにもう一口。
さっきまでの張り詰めた空気が、少しだけ緩む。
れいまるはグラスを揺らしながら、ぽつりと言う。
0️⃣「……なんか、いける気がしてきた」
🦍 「はやくない?」
0️⃣「いやほんとに。なんか今ならいける」
頬がほんのり赤い。
0️⃣「てかさ」
🦍「うん?」
0️⃣ 「俺、酔うと距離感バグるらしい」
🦍「そうなんだ」
0️⃣「だから今、かなり危険」
🦍「へー自覚あるんだ」
0️⃣「ある」
言いながら、じりっと距離を詰める。
0️⃣「……ていうかさ」
🦍「うん」
0️⃣「もしなえごらさんが女の子だったら、俺今もう普通にいってるから」
🦍「なえ子だったらいってるんだ」
0️⃣「いやそれはそうでしょ!ぜったいカワイイって!」
🦍「へえ」
なえごらは避けない。ただ楽しそうに見ている。
その反応が、完全にスイッチを押した。
0️⃣「……いい?」
🦍「いいよ」
あまりにもあっさりした返事。
一瞬だけ間が空いて。
れいまるはそのまま、ぐっと顔を寄せる。
0️⃣「いくからね!?」
🦍「うん」
勢いのまま――
頬に、軽くキスを落とした。
ほんの一瞬。
その直後。
カチリ、と音が鳴る。
0️⃣ 🦍「……え?」
二人同時にドアを見る。
鍵が外れている。
🦍「お、開いたね」
0️⃣ 「え、ちょっと待ってマジで!?」
れいまるが一気に我に返る。
0️⃣「今ので!?頬でいいの!?」
🦍「唇が触れればよかったんだね」
0️⃣「え、じゃあ最初の葛藤なんだったの!?」
🦍「面白かったよ」
0️⃣「絶対見てたでしょ俺のこと!」
🦍「うん、見てた」
0️⃣「うわー!」
頭を抱えるれいまるを横目に、なえごらはスタスタとドアへ向かう。
その後ろを、ふらっとしながら追いかけるれいまる。
0️⃣「……でもさ」
🦍「うん?」
0️⃣ 「今の、ノーカンにしてもう一回やる?」
🦍 「何を?」
0️⃣「いやその……ちゃんとしたやつ」
言いながら、少しだけ照れたように笑う。
なえごらは振り返って、照れた様子もない、いつもの顔で。
🦍「いつかね」
0️⃣「いつか!?」
軽くかわされて、それでもどこか嬉しそうに。
二人はそのまま、騒がしく部屋を後にした。
読んでいただき、ありがとうございました!
コメント
2件

0️⃣🦍のお酒で達成するところが解釈一致すぎます!😆💕
いや、普通に神すぎる✨