TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで
シェアするシェアする
報告する

スマイル視点


sm「ただいまー」

「…まだ帰ってないか」

親はいない

きんときは遅くなる

…1人か

なんやかんや一人の時間はなかったけど、何をすればいいものか

とりあえず、まずは勉強かな

成績もキープしたいし、とにかく頑張らなきゃ

…あいつも頑張ってるのに

成績もテストも上位だし、俺と同じくらい

でも、あいつはこれ以上詰め込んだらきんときが…

俺がきんときに対して出来ることはとても少ない

勉強を教える必要も無い

両親を説得するのも時間がかかる

説得するのはきっと効果なんてない

…どうすれば

とにかく、俺はきんときの傍にいてあげるだけでも

もしかしたら何か変わるかも──

*プルルルル

電話。

知らない番号のため、恐る恐る一応出てみる

sm「もしもし…」

*「もしもし、こちらスマイルさんの番号でお間違いないでしょうか?」

sm「はい、大丈夫です」

「そちらは?」

*「こちら白尾病院です」

sm「病院っ…?」

聞いた瞬間背筋が凍る

両親の身になにかあったか

でも、一番あって欲しくないのはきんときだ

あいつは……

*「弟のきんときさんが学校の屋上から飛び降りたのか、酷い重症で今病院へ向かっています」

「まだ意識はあるため最善は尽くします」

嫌なフラグが立ってしまったようだった

学校の屋上から飛び降りた?

…流石に、耐えきれなかったのか

sm「…分かりました、すぐそちらに向かいます」

*「ありがとうございます。では」

今すぐ、泣きたかった

でもそれどころじゃない

急いで向かわないと

白尾病院ならそれほど距離もない

大きめの病院だけど、近くにあるから本当にありがたい

準備をして、自転車を使いすぐに向かう

既に母さんには遅くなると連絡は入れた

機嫌が悪くなるかもしれないからきんときの名前は一切出さず、あくまで委員会や部活という瞑目で。

いつもの道が長いように感じる

こういう時こそ早く着いて欲しい

見慣れている道のはずなのに、知らない場所な気がしてならない

でも、ほぼもう目の前に病院はあった

駐輪場に自転車を停めて、中に入る

病院内では走ることはせず、歩いていると話しかけられた

*「あっ、スマイルさんですか?」

sm「ぇあ、っ、はい…」

「あのっ、きんときは…」

*「きんときさんは今治療室にいます」

「なんとか一命は取り留めそうですが…」

sm「ですが…?」

*「記憶喪失とかの心配は無いと思いますが、今後四肢1部に不自由が出来てしまうかと」

sm「………」

返事はしなかった

いや、返事ができなかった

何を言われてるか、理解できなくて、したくなくて

きんときの身にそんな不幸があるとは

考えたくもなかった

sm「でも、とにかく生きているだけ良かったですっ…ありがとうございます」

深々と頭を下げて、治療室付近の廊下の椅子に座り待つ

気を煩わせるためにスマホを見ても、本を読んでも、イヤホン越しに曲を聴いてもきんときのことが離れなくて

なにかできることがなかったのか、とても悔しくて

悔しくて

もう、どうしようもできないようだった。









𝒏𝒆𝒙𝒕↪

この作品はいかがでしたか?

231

loading
チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚