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スマイル視点


sm「ただいまー」

「…まだ帰ってないか」

親はいない

きんときは遅くなる

…1人か

なんやかんや一人の時間はなかったけど、何をすればいいものか

とりあえず、まずは勉強かな

成績もキープしたいし、とにかく頑張らなきゃ

…あいつも頑張ってるのに

成績もテストも上位だし、俺と同じくらい

でも、あいつはこれ以上詰め込んだらきんときが…

俺がきんときに対して出来ることはとても少ない

勉強を教える必要も無い

両親を説得するのも時間がかかる

説得するのはきっと効果なんてない

…どうすれば

とにかく、俺はきんときの傍にいてあげるだけでも

もしかしたら何か変わるかも──

*プルルルル

電話。

知らない番号のため、恐る恐る一応出てみる

sm「もしもし…」

*「もしもし、こちらスマイルさんの番号でお間違いないでしょうか?」

sm「はい、大丈夫です」

「そちらは?」

*「こちら白尾病院です」

sm「病院っ…?」

聞いた瞬間背筋が凍る

両親の身になにかあったか

でも、一番あって欲しくないのはきんときだ

あいつは……

*「弟のきんときさんが学校の屋上から飛び降りたのか、酷い重症で今病院へ向かっています」

「まだ意識はあるため最善は尽くします」

嫌なフラグが立ってしまったようだった

学校の屋上から飛び降りた?

…流石に、耐えきれなかったのか

sm「…分かりました、すぐそちらに向かいます」

*「ありがとうございます。では」

今すぐ、泣きたかった

でもそれどころじゃない

急いで向かわないと

白尾病院ならそれほど距離もない

大きめの病院だけど、近くにあるから本当にありがたい

準備をして、自転車を使いすぐに向かう

既に母さんには遅くなると連絡は入れた

機嫌が悪くなるかもしれないからきんときの名前は一切出さず、あくまで委員会や部活という瞑目で。

いつもの道が長いように感じる

こういう時こそ早く着いて欲しい

見慣れている道のはずなのに、知らない場所な気がしてならない

でも、ほぼもう目の前に病院はあった

駐輪場に自転車を停めて、中に入る

病院内では走ることはせず、歩いていると話しかけられた

*「あっ、スマイルさんですか?」

sm「ぇあ、っ、はい…」

「あのっ、きんときは…」

*「きんときさんは今治療室にいます」

「なんとか一命は取り留めそうですが…」

sm「ですが…?」

*「記憶喪失とかの心配は無いと思いますが、今後四肢1部に不自由が出来てしまうかと」

sm「………」

返事はしなかった

いや、返事ができなかった

何を言われてるか、理解できなくて、したくなくて

きんときの身にそんな不幸があるとは

考えたくもなかった

sm「でも、とにかく生きているだけ良かったですっ…ありがとうございます」

深々と頭を下げて、治療室付近の廊下の椅子に座り待つ

気を煩わせるためにスマホを見ても、本を読んでも、イヤホン越しに曲を聴いてもきんときのことが離れなくて

なにかできることがなかったのか、とても悔しくて

悔しくて

もう、どうしようもできないようだった。









𝒏𝒆𝒙𝒕↪

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コメント

2

ユーザー

コメント失礼します。 間違えてたら本当に申し訳ないんですがsmさんとknさん逆になってるってことないですかね...?

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