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5話 囁きの嘘と星の裂け目
夜は、静けさの仮面を被る。
その仮面の裏で、世界は裂け目を増やしていく。
セリオスの空は澄んでいるはずだった。
だが今夜は、どこか濁りがあった。
淡い灰色の薄膜が星々の輪郭をにじませ、街灯の結晶は風に触れても鈴のような清音を返さない。
祭壇の周りに立つ石の輪、祈りの痕が刻まれた床板、通り過ぎる者の吐息。
——すべてが微かに遅れているような、律動の乱れが広がっていた。
リュナは祭壇にひざまずき、水晶盤を胸元に抱えた。
指先でさざ波のようなひびを撫でるたび、盤は内側から光を起こし、微細な振動を返す。
今夜は、その震えがいつもより熱を帯びていた。
焦燥と期待、それから名もなき圧力。
彼女の脈に合わせて水晶は震え、星の断片が泡粒のように浮いては弾けた。
「聞こえる……?」
囁き声は、彼女自身のものだ。
夜に紛れて消えそうなほど弱い。
だが返ってきたのは、異様な鮮烈さを持つ音だった。
星の声は唐突に明瞭になり、彼女の耳の奥で形を持った。
——北東。橋の端。沈んだ塔の影。
その下で名が息をしている。
視界がふっと、別の場所に滑るように移り変わる。
浮島の端に架かる古い橋、石板に苔の薄膜が貼り付き、そこから下へ、雲の底に飲み込まれつつある塔の基部が見えた。
塔はかつて観測所として使われていたものだ。
星図の破片、歯車、心臓の破片のような金属片……そして「名が息をしている」という不可解な言葉だけが、彼女の胸の内で鼓動と重なった。
「リュナ?」
背後から、低く落ち着いた声がした。
シエルだ。
彼女は夜の外套を揺らし、リュナの肩に視線を落とす。
瞳は冷静だが、奥に揺れる影は消えない。
ルナは少し遅れて現れ、薄い灯りを手にしている。
灯りの下でジュリの姿が動いた。
彼女は巻物を抱え、祭壇の壁の文字を指先でなぞっていた。
「今、星が——」
リュナは言葉を探し、それを掴んだ。
「北東の橋へ行けと囁いた。
沈んだ塔の影に、『名』が息をしていると」
ジュリの眉が、ほんのわずか寄った。
「『名が息をしている』……比喩か、あるいは術語の断片。だが、その場所なら古い基部が残っている。記憶の溜まりが生じやすい」
「行くべきだわ」
シエルは短く言った。
「私とリュナ、それからルナで向かう。ジュリは図書館に戻って、契約の文言の照合を続けて」
「レンは?」
ルナが問う。
「港から戻り次第、装置の素材を洗ってもらう。ミコトはまだ地上の連絡待ちなの」
シエルの判断は速い。
だが、その声音にわずかな硬さが隠れている。
彼女自身が、星の声の突然の明瞭さに警戒を抱いたのだろう。
三人は夜の橋へ向かった。
浮島を縫う道は、今夜に限って遠く感じられた。
結晶灯の光は、風が触れても冷たく揺れるだけで、いつもの柔らかな反射を見せない。
橋の欄干には水滴が溜まり、下の雲海がゆっくりと渦を巻いていた。
沈んだ塔の基部は、橋の影から斜めに見下ろした先に、黒い歯車の化石のように横たわっていた。
石と金属の層が交互に露出し、そこかしこに古い符の刻印が失われた線で残っている。
塔の根元には、円形の窪み。
——心臓の座のような空洞。
があり、その縁に白い粉状のものが積もっていた。
「ここね」
リュナは水晶盤を掲げ、呼吸を整えた。
「星の声、もう一度……教えて」
風が止む。
雲海の音が遠ざかる。
瞬間、彼女の視界に鮮明なイメージが流れ込んだ。
——名はここに寝ている。目覚めさせるには、ひとつ、命を捧げよ。
リュナは凍りついた。
喉の奥に、乾いた痛みが走る。
彼女の指は無意識に水晶盤を強く握り、ひびの線がきしむ。
「リュナ?」
ルナの手が彼女の肩に触れ、温もりが伝わる。
「何を聞いたの」
「……『ひとつ、命を捧げよ』って」
彼女は震えを抑えようとした。
「名を目覚めさせるために」
シエルの瞳が狭まる。
「それは——星の声の言葉?」
リュナは頷いた。
ルナの手から温もりが離れ、空気が寒くなる。
彼女たちはそれぞれの沈黙の中で、目の前の選択肢を見つめた。
——失われた名前、消されていく存在。
目覚めさせるために命を捧げる
——誰の命を、何のために。星祭壇で聞いた噂が、彼女たちの背後に影として立ち上がる。
記憶の図書館は代償を求める。最も純粋な記憶は、与える者の一部を奪う。失ったものは、戻らない。
ルナが、静かに首を振った。
「星の声は時々、過剰な代償を囁く。苦しみの形に寄り添いすぎると、声は歪むことがあるの。誰かの痛みや焦りが強いほど、囁きは代償へ傾く。私は何度も見た」
シエルは塔の縁に膝をつき、刻印の残滓を指でなぞる。
「ここで何が起きたのか、確かめましょう。星の声が囁く代償が必要なのか、それとも——嘘なのか」
彼女の指が石に触れるたび、暗い線が微かに光った。
過去の痕跡が、見えない層で蘇る。
ルナは灯りを低く掲げ、リュナは水晶盤に意識を集中させる。
音のない音、色のない色。
塔の根元の空洞から、淡い振動が立ち上がった。
——箱。布。名札。消えた名。笑う影。条件。血。封。
断片は、あまりにも速く過ぎていく。
リュナはそれを掬い取ろうとするが、指の間から零れる砂のように消える。
ルナが彼女の呼吸を整えるよう、背中に手を添え、温もりを伝える。
シエルは刻印の並びに、小さな違和感を見つけた。
線が、ひとつだけ逆向きに結ばれている。
儀式の回路が、どこかで反転されているのだ。
「待って」
シエルは低く言う。
「この結び目、逆に編まれている。通常の封印は、記憶の糸を外部へ逃がさないために結ぶ。でもこれは——糸を内側へ引きずり込むためのもの。名を眠らせるための結び」
リュナの耳で、星の声が再び囁いた。
——捧げよ。お前の名で足りる。
血の気が引いた。
彼女は自分の喉元に手を当てる。
名を捧げる。
——それは、存在の繋がりを手放すこと。
彼女が星の声を聞く術そのものが、崩れることを意味する。
「私の名で……足りるって」
ルナは強く首を振った。
「駄目。名を離せば、あなたは——」
彼女は言葉を選び、強い視線でリュナを見つめる。
「あなたの繋がりが薄くなる。ここにいる私たちの声が、あなたに届かなくなる。星だけが届くようになる。そんなの、孤独すぎる」
シエルは、静かに立ち上がった。
「星の声が代償を囁くのは、弱いときよ。誰かの感情に触れて、形を歪めることがある。今、その誰かが私たちの中にいる。誰の痛みが、囁きを重くしているのか——」
風が、橋の端で小さく鳴った。
足音が近づく。
暗闇の向こうから、レンが姿を現した。
彼の瞳は夜を切り裂くように鋭く、手には薄い金属板が握られている。
彼は何も言わず、塔の縁にそれを置いた。金属板は薄く震え、刻印の線の上で微弱な共鳴を起こす。
「装置の断片に残っていた配列だ」レンが短く言う。
「逆向きの結び目に反応する。外に向かう力を、内側に沈める」
シエルが頷く。
「星の声が『捧げよ』と囁くのは、ここで力が正しく流れていないから。代償を差し出すと、回路が自動的に満たされる。だから、囁く——代償で穴を塞げ、と。でもそれは、意図的な誤導かもしれない」
「誰の意図?」
ルナが問う。
リュナは、水晶盤の中から、別の震えを感じ取った。
星の声は、彼女が耳を傾けるほど形を変える。
今夜の声は、あまりにも彼女の胸の震えに似ている。
焦り、不安、恐れ
——ミコトの顔、銀貨、母の影。それらの残響が、彼女の耳の奥で囁きを重くしていく。彼女は息を吸い、低く呟いた。
「……私の感情が、声を歪めてるのかも」
ルナは目を閉じ、祈るような声で答える。
「星の声は鏡になることがある。心の溝に水が流れ込んで、溝の形そのものを『声』にして返してくる。あなたが深い溝を抱えているほど、声はその形をなぞる」
レンは塔の空洞を覗き込み、金属板の反応を見つめる。
「別の方法で回路を満たせるはずだ。代償ではなく、共鳴で。装置の配列に別の音を重ねる」
シエルは頷き、足元に簡易の観測陣を描いた。
青白い線が石の上に流れ、塔の刻印と重なる。
ルナは灯りを低く、リュナは水晶盤をそっと空洞へ近づける。
星の断片が、ひびの谷間から震えを起こす。
「捧げなくていい」
ルナは、リュナの耳元で囁く。
「聞くの。声の中の嘘、過剰な部分。その外側に、薄い真実の層がある。そこだけを掬い取って」
リュナは目を閉じた。
声が来る。捧げよ。
——という重い線。それに重なる、別の、薄い線。場所。名札。封。回路の結び。「捧げよ」は声の外側の膜で、触れれば大きく弾む。だが、その内側に、静かな囁きが隠れていた。
——結び目をほどけ。外へ流せ。名は息をする。
リュナの指先が、水晶のひびの一本をなぞる。
彼女の胸に、薄い安心が広がる。
声の膜が、どこかで音を変えた。
彼女は囁いた。
「……ほどけば、流れる」
シエルは陣に指を走らせ、逆結びになった刻印の交点を切り離す。
金属板が低い音を鳴らす。
ルナが息を合わせ、灯りの熱を刻印に移す。
外へ——外へ——外へ。
回路は、少しずつ開いていく。
塔の根元の空洞から、息のような音が漏れた。
夜気に溶け、橋の影で微かに響く。
リュナの耳の中で、星の声は静かに複数の名前を並べ、その最後にひとつ、途切れた名を置いた。
——〈アデル〉
ルナが目を見開く。
「名前……!」
リュナは、胸の内に小さな震えを抱いた。
「眠っていた名。息をしてる」
シエルは陣を閉じ、塔の刻印が沈黙に戻るのを見守った。
「代償なしで引き戻せる部分が、まだある。『捧げよ』は——声に混ざった嘘。あるいは、誤誘導」
レンは短く息を吐いた。
「誰かが、意図的に声を重ねているかもしれない」
リュナは水晶を抱え直し、振動の余韻を胸に押し当てた。
「……『捧げよ』って言葉、私たちの中の何かに、異様に響いた。私たちの誰かの痛み——その形を、声がなぞっていた」
ルナは、橋の向こうの暗がりに視線を向けた。
足音が近づく。
ジュリだ。
彼女は息を少し乱し、巻物の束を抱えている。
「契約の文言の照合が終わった。『代償』の語は、二重の意味を持つ。支払いと、置換。術式の古いバリエーションには、『代償の形を交換する』という方法が記されている。命ではなく、時間。名ではなく、関係。置換は危険だが、役割を救う余地がある」
リュナは、胸の水晶を見下ろす。
「私の心が、声を重くした。捧げよ——って響かせた。嘘は、私の中にもある」
ジュリは彼女の肩にそっと触れる。
「誰も責めない。声は鏡だ。私たちが深く傷ついたとき、鏡は傷の形を返す。それを嘘だと見抜けるなら、真実の層へ降りていける」
レンは橋の欄干に背を預け、夜空を見上げた。
黒い彗星は今夜も尾を引いている。
だがその隣には、かすかな新しい光が会話のように瞬いていた。
「ここで名前をひとつ取り戻した。次は——契約の根源へ」
シエルは頷き、夜の空気に短い言葉を落とす。
「私たちは『捧げよ』に乗らない。置き換える。流す。繋ぐ」
ルナの眼差しが柔らかくほどけた。
「でも、ひとつだけ気になることがある。声の歪み方が、誰かの感情に強く引っ張られてた。リュナだけじゃない——誰かが、星の声そのものを引き寄せてる。器のように」
沈黙が落ちた。
彼らは互いに顔を見合わせる。
夜風が一瞬強くなり、橋の結晶が低く鳴いた。
星の声は、彼らを見ている。
「器は、まだ名乗らない」
ジュリが静かに言う。
「でも、兆候は出る。囁きが一人に寄る。感情の重みが声の形を決める。
誰かが——無意識に、星の意思を受け止めている」
リュナは自分の胸の震えを聴きながら、ゆっくりと頭を上げた。
「それが、私なら——」
「違う」
ルナは静かに遮った。
「今夜の声は、あなたに重く響いたけど、同時に別の場所へ引かれていた。港の方へ。潮風の匂いの方へ。あなたじゃない誰かが、声の重さを抱えている」
レンの瞳が、ほんの一瞬揺れる。
彼は何も言わず、橋の影へ目を向け、そこに立つ。
——誰もいない空気を見つめた。ミコトの気配。
地上の港から戻る途上で、彼女の胸に揺れている銀貨の光。母の名。忘れた顔。契約の痕跡。彼は目を閉じ、一度だけ短く息を吐いた。
「……戻ろう」
シエルが言った。
「この名前——〈アデル〉を図書館に運んで、記憶の断片を呼び戻す手続きを進める。『捧げよ』の嘘は、私たちの中の溝から生まれる。溝を浅くする方法を探す」
祭壇へ戻る道は、行きよりも短く感じられた。
塔の根元で拾い上げた名は、薄い糸になって彼らの指に絡み、灯りの熱で形を保ち続けた。
図書館の扉が開き、ジュリは名を扱うための道具。
——蝋、布、小瓶——を並べて、慎重に儀式を始める。
ルナは微かな歌を編み、言葉にならない音で名を温める。
シエルは回路を正し、レンは外界の素材の特性をチューニングする。
リュナは水晶盤に耳を当て、声の外側の膜をもういちど触れ、嘘の揺れ方を確かめる。
「……薄く、波打ってる。誰かが泣いているときの、声の揺れ方」
ルナは、そのつぶやきにそっと頷いた。
「泣いている声は、祈りに似ている。祈りは、時に嘘を呼ぶ。だから、歌でやわらげるの。祈りが自分の形を思い出すように」
名は、ゆっくりと図書館の空気に馴染んだ。
〈アデル〉という音の並びが、剝がされた紙の端のように脆いまま、しかし確かにそこに置かれた。
ジュリの目に小さな光が宿る。
「戻った。全てではない。ただ、息をすることができる」
「私たちは、捧げなかった」
シエルが言う。
「嘘に乗らず、ほどいた」
レンは短く頷く。
彼の視線は祭壇の外へ滑り、港の方角へ落ちる。
「ミコトが戻ったら、声の重みの偏りを確認しよう。彼女が器なら——彼女が背負うものを、手放す術が必要だ」
リュナは水晶盤を抱え、静かな決意を胸に沈めた。
星の声は、鏡だ。
嘘も真実も映す。
彼女の手は、今夜初めて、嘘を掬わずに真実だけを取り出せた。
心の溝を浅くするために、彼女は自分の痛みに名前をつけることを学ばなくてはならない。
痛みの名は、祈りの反対側にある。
祈りに似た呼吸は、嘘を呼ぶ。
だから、歌を覚える。彼女はルナの歌を、少しだけ真似た。
夜はまだ終わっていない。
図書館の窓の外で、黒い彗星が尾を引き、その横で新しい星が瞬いた。
ジュリは巻物を閉じ、祭壇の脇に置かれた小さな祠に目をやる。
そこには、古い写真が静かに揺れ、風のない空気の中で薄く光っている。
「嘘を見抜く術があるなら、契約の根本も見抜けるわ」
ジュリはささやいた。
「代償の置換。命ではなく、時間。時間ではなく、物語。物語なら——分け合える」
ルナは微笑み、シエルは短く頷いた。
レンは無言で銃を解き、部品を布で拭いながら視線を外に向けた。
彼は皆の背を見守る役目を選ぶ。
彼の目に宿る硬い光は、崩れない。
だが彼の胸の奥にも、無名の溝があることを、彼自身はまだ知らない。
ドアが、静かに開いた。
潮風の匂いが、夜の図書館に薄く流れ込む。
ミコトが立っていた。
彼女の手には、古い銀貨。
顔には疲労。
瞳には複数の光。
——痛みと決意と、少しの安堵。
「名前、取り戻せた?」
彼女は低く問う。
「ひとつだけ」
リュナは優しく答えた。
「〈アデル〉。息をしてる」
ミコトは微かに笑い、銀貨を指の中で転がした。
「良かった。
……港の倉庫で、契約の亀裂を見た。
差し出すための皿と、流し込むための管。条件が、いくつか
ジュリは頷き、巻物を差し出す。
「置換の方法の可能性を見つけた。命ではなく、時間。名前ではなく、関係。物語なら——分け合える」
ミコトの瞳がわずかに揺れた。
彼女は銀貨を握り締め、沈黙のあとに、ほんの短い息を吐いた。
「……もし、私が、器なら」
ルナの口元が揺れ、リュナは胸の水晶を強く抱いた。
シエルは彼女に近づき、肩に手を置く。
「確かめる。急がずに。声の重さが、あなたに寄っていくなら、その重さを分散させる術を探す」
ミコトは目を閉じ、銀貨の冷たさに唇を触れさせる。
「捧げるつもりはない。嘘は、もう信じない。私の名も、私の物語も、誰かと分ける」
図書館の灯りが、彼女の横顔に薄い影を置いた。
外では、星の声がまた揺れた。
嘘の膜は薄くなり、真実の層がわずかに厚みを持つ。
彼らの心の溝は、今夜ほんの少し浅くなった。
祠の写真は揺れ、夜は深まる。
星の声は真実だけを囁くわけではない。
声は鏡であり、時に傷の形を返す。
だが彼らは、その傷に名前をつけ、歌でやわらげ、回路をほどいて流す術を学び始めた。
「次へ行こう」
シエルが静かに言った。
「契約の根元へ。置換を見つけに。嘘の膜を剥いで、真実の層を繋ぐために」
リュナは水晶盤を胸に当て、目を閉じた。
彼女の内側で、星の声がかすかに震える。
捧げよ。
——ではない。ほどけ。流せ。分けよ。彼女はその言葉を、一語ずつ心に書き留めた。
夜の窓の外で、新しい星がひとつ、ゆっくりと瞬いた。
それは、嘘の膜越しでも見える程度の、柔らかい光だった。
彼らはその光を見つめ、誰も口にはしなかったが、心の奥で同じ答えを結んだ。
——捧げない。 ——ほどく。 ——分け合う。
そして、名前を取り戻す。
物語を繋ぎ直す。
嘘の囁きを越えて、
星の裂け目の向こう側へ。
5話 囁きの嘘と星の裂け目 End