「ローレンお前これなんて書いてんの?」
ぺらり、見せられた紙には自身が書いた企画の殴り書き。
今は収録休憩の休み時間。
ローレン・イブラヒムと、不破・葛葉で別の収録だったが、休憩時間になって移動した先の楽屋でばったりと鉢合わせたので、どうせならと一緒に休憩を取ることにした。
いわゆる、せめよんメンツで。
またこの4人でなんかおもろいことしようよ。そう言うとなんだかんだ優柔不断で他人に任せるメンバーだからか、じゃあローレンなんか考えて。といつもの無茶振りが始まった。
この先輩たちほんと終わってるよ……と一瞬思ったが、でも確かに、自分でも考えないと集まりなんてしないかと思い直して自分なりに面白くなりそうな企画を考えてみたのだが、その前にどうやら判別不能らしい。せっかく書いたのにひっどい。
「わとゆがごっちゃになってるし!バランスどうなってんだよ」
「まぁ俺らがローレンのこと言えるほど字上手いかって言われるとじゃない?」
「んはは、俺もよく読めない言われるわ」
そういやくっさんもミナトもそんな上手くなかったような…イブは読めるぐらいには綺麗だった、かな?
「くっさんは魔界から来て学んだからある程度汚いのもしょうがないんじゃない?」
「いやでも俺3歳からやり直してるから実質普通の人と変わんねーよ?」
「じゃあダメだわ。もっかい3歳から学び直そう」
「え、普通にお前らも道連れにするよ?3歳からやり直しね?」
あれやこれやと軽口を叩き合うが、イブラヒムは普通に優秀。葛葉は適当なりに小さい頃から日本で学び、不破も…ひとまず大学まで出ているなら勉強もちゃんとやった…時期もあったんだろう。
そうなると、まともに勉強もせず、日本語すら翻訳機を通している自分がなんだか急にみじめになった。
「あれ、ロレってエデンで高校とか行ってたん?」
「あ、いや……行っ…てないすね」
「ふーん。じゃローレンが一番赤ちゃんやな」
「赤ちゃんマ?!」
赤ちゃんて。いつもながらミナトの言うことは飛んでてよくわからないが、その言葉にひとつも馬鹿にしている様子はなかった。
「しゃーねーから俺が教えてやるかぁ」
「葛葉に教えられることってあんの?」
「っておーーーーーい!」
はーーこのメンツはやっぱり安心する。たのしい。
無意識に緊張してたようで身体をほぐすと無性にタバコが吸いたくなった。
「タバコ吸ってくる。それまでに企画目通しといてよ」
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