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「キス……してもいい?」
「ぁ…うん……」
今までキスの許可なんて取られたこと無かった。相手の気分で勝手にされて、勝手に終わってきた。だから、こうやって気遣われるように扱われることには慣れていなかった。
「ふふw緊張してるの?かわいい……んっ」
「んっ……ぁ…はぁ…」
クチュッ…クチュクチュレロレロ…チュクッ……クチクチクチ……
どちらから出ているかわからない水音で室内が満たされる。口の中では、キャメさんの舌が俺の舌を絡めて貪るように深く深く追ってきた。甘く吸われた舌からは、痺れるような快感が溢れジワジワと脳内を侵食していく。こんなに気持ちのいいキスなんて、初めてかもしれない。求める事に慣れていた俺にとっては、この痛いくらい求めてくれる感覚は、新鮮だった。
「クチュッ……はぁ…はぁ…ヤバいな…」
「んっ……ぁ、なに……がぁ?」
「最後まではするつもり無かったんだけど……」
そう言って俺の手を掴んだキャメさんは、そっと自身の昂りに俺の手を導いた。底では痛そうな程に張り詰めたキャメさん自身があって、少し身じろいでしまった。俺の反応を見たキャメさんは、苦しそうに切なく笑うと、俺の事をギュッと抱きしめた。
「いいよ…無理はしなくて」
「え?無理?」
「そう…今は嫌でしょ?」
「ぁ…いや、おっきくてビックリはしたけど……」
「……なんかありがとw」
「コレで忘れさせて欲しいかも…ニキニキの感覚を上書きしてよ…」
「そう言われると断れないなw」
トンっと俺を押してベッドに押し倒してきたキャメさんは、おでこに小さなキスを落としてくれた。それが、この状況にそぐわないくらい可愛らしいもので、思わず笑ってしまった。笑った俺にムスッとした顔をしたキャメさんは、俺の体から布を全て取り払うと、上からじーっと見つめてきた。そのクマなく見つめてくる視線がなんだかむず痒くて、そっと隠すように身じろいだ。
「隠さないでよ…全部見たいんだから」
「そんな見られるの……恥ずかしいよ」
「こことか……可愛くて食べちゃいたいくらい……」
チュッ……ペロッチュウチュウチュウ…ハムハムハム
「んぁ…急に 舐めないで……ぁぁぁ……」
唐突に胸の突起を吸ったり舐めたり、甘噛みしたり…。もう片方の突起は、爪で弾かれたり捏ねられたり。いきなり与えられた快感の渦に、身体中が悶えて、ビクビクと跳ねてしまった。性急なのに、甘くて優しく求められている感覚は初めてだった。
「やぁ……なにこれ…こんなのしらない……」
「んー?w……きもちい?」
「きもちいい……はぁ…んんんぁぁぁぁ……」
「ほんと可愛い……ニキくんのときもこんなだったの?」
「ちがっ……こんなのはじめて……」
「ふふ…ならよかった……」
「まってまって……そこだけでイッちゃう……」
「ここだけていけるの?……見せてよ……」
「やだやだやだ……んんっぃっ……ぁぁぁぁぁぁ」
しつこいくらい突起を弄られて、俺は全身を強ばらせて達した。自分の腹の上に吐き出した白濁を、そっと手ですくったキャメさんは、それを俺の視界に入るところまで持ってくると、見せつけるように舐めとった。
「んっ……苦いねw初めて舐めたw」
「男初めてなの?……それでそんな事するの?」
「初めてだよ?こんなに欲しくなったのもりぃちょくんが初めて……」
「ぁ……押し付けないで……」
俺に覆いかぶさりながら、自身を押し付けてくるキャメさん。ソコはもう限界まで張り詰めていて、俺の下腹部にゴリゴリと当たっていた。凶暴なソレを感じて、悔しいくらいに後ろが疼く。いつでもニキニキを迎えられるように、会う時は後ろの準備をしている俺は、そっと足を抱えて受け入れるところをキャメさんに見せつけた。
「ね、もう入れて……それちょうだい?」
「……準備……してあるの?」
「ん……ね、ちょうだい……」
「なんか、腹立つな…ニキくんの為なんでしょ?」
「なんでもいいから……ちょうだい……」
「くっ……お説教はあとね……」
苦しそうな顔をしたキャメさんは、素早くゴムを付けると俺の穴にあてがった。そして、グッと力を入れて腰を進めていた。
クプッ……ズズズズ…グプンッ……
「かっはっ……おっき……」
「くっ……すごい……入れただけでイきそう……」
「やだぁ……動いて……」
「腰ゆらさないで……」
入れただけで動かないキャメさんに、早く動いて欲しくて、自分で腰を動かした。その刺激が強かったらしく腰を掴まれ止められてしまった。もどかしくて動いて欲しくて、とっくに潤んでしまっていた目でキャメさんを見つめた。
「そんな顔で見ないでよ……止まらなくなる……」
「いい……乱暴でもいい……はやく……」
「っ……ごめん…もう止まれない……」
思いっきり腰を掴みなおされ、一気に奥までねじ込まれた。息が止まりそうになりながら、ニキニキが与えてくれる感覚と違うソレを思わず締め付けた。
「っは……んんんん……」
「締めないで……はぁ…」
「だってぇ……きもちぃ……もっとぉ……」
「ふぅ……タチ悪いな……」
溜息に混ぜた一言を零すと、キャメさんは強く腰を前後させ始めた。大きく張りつめたものが容赦なく俺の中を広げていく。かき分けられた肉壁が、俺の意図とは関係なく時折キャメさん自身を締め付ける。その度に眉を寄せてなにかに耐える顔は、いつもの優しい顔ではなくて信じられないくらい淫靡で、それだけでもどうしようも無い程の劣情全身を駆け巡った。相手が自分で切ないほどに快感を得てくれている…。ニキニキの時とはまた違った満足感が心を満たしていく。
「あ……え?……なんかくる……」
「んっ……スゴイ締めつけ……はっ……」
「やだ……ヤダヤダヤダこわい……んっんん」
「んっ……だめ……俺も……」
「んんんんっ……やぁぁぁぁぁ……」
「くっ……んっ…はぁ……」
一際大きな快感の波が襲ってきて、俺はつま先を伸ばし全身を強ばらせながら前からは潮を吹き、後ろも同時にメスイキしていた。こんな達し方は初めてで、目の前がチカチカとして目眩がした。同時に中で達したキャメさんも、ビクンビクンと痙攣しながら白濁を吐き出しているのをゴム越しに感じていた。
ズルっと中からそれを抜いたキャメさんは、俺の隣にゴロンと寝転ぶと、上気したままの顔で俺の方を見つめた。そして、俺の事を優しく引き寄せると、頬に手を添えてにっこり笑った。
「りぃちょくん、大好きだよ。ニキくんと色々あったのも分かってるし、彼のことを好きだったのも分かってる。でも、それでも君と一緒にいたいんだ」
真剣な目で優しく伝えられ、俺は心がゆっくりと温かくなっていくのを感じた。ニキニキといる事で、がんじがらめになって固く強ばっていたおれの心。強がって平気なフリをしていたけれど、誰かに認めて欲しくて、その地獄から引っ張りあげて欲しくていつも泣いていた。その心が、凍りついていた心が、キャメさんの温かな言葉で溶かされていく。
「っく……ふっぁ……ぁぁぁ……」
「あー泣かないで…泣かしたいわけじゃないんだ」
「ちがっ……うれしくて……」
泣きすぎて上手く言葉に出来ない俺を、ただ黙って宥めるように頭を撫でてくれる。それが今は本当にありがたかった。そんな優しいキャメさんにちゃんと応えたいとそう思った。
「キャメさん…ありがとう」
「ふふ…お礼言われることしたかな?w」
「好きになってくれて…こんな俺を認めてくれてありがとう」
俺は言葉が下手くそだから、上手く伝えられているかわからない。でも、ちゃんと言いたくて。一生懸命に言葉を紡いだ。
「振られたばっかでまだ分からないけど…」
「うん、そうだろうね」
「でも、キャメさんの隣にいたいって思う」
「無理しなくていいよ?」
「無理じゃない。キャメさんとならいられる気がする」
拙い俺の言葉を一生懸命聞いてくれるキャメさんの顔は、とても優しくてあたたかかった。そんな彼となら、共に歩んでみたいと思った。ニキニキといた時には感じることのなかった安心感。これを大事にしたいと思った。それを俺なりの言葉で伝えたいと思った。
「キャメさん」
「なぁに?」
「こんな俺のそばに居てくれる?」
「もちろん!」
「誰よりも近くに……いてください」
「ずっとずっと隣にいるよ。大事にする」
優しく笑ってそう答えてくれたキャメさんは、大事なものを扱うように頬を撫でて、優しい口付けをしてくれた。唾液を交換し合うような艶かしいものでは無かったけれど、心を満たしてくれるそれが、何よりも愛おしかった。
この気持ちが恋心に変わるまで、そこまで時間はかからないだろう。その時はきっと、俺からちゃんと告白しよう。どんな顔してくれるかな…今から楽しみだ。