テラーノベル
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三年後。
あの日、港で交わした約束も。
逃げ続けた夜も。
血に染まった過去も。
すべては少しずつ、思い出へと変わっていた。
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朝。
カーテンの隙間から柔らかな光が差し込む。
🎼📢「……朝か。」
キッチンから、味噌汁のいい香りが漂ってくる。
🎼🌸「いるまー! 朝ごはんできたよ!」
🎼📢「今行く。」
リビングへ向かうと、テーブルには温かな朝食が並んでいた。
🎼📢「相変わらず料理うまいな。」
🎼🌸「毎日作ってたら上達しただけ。」
二人は顔を見合わせ、小さく笑う。
「いただきます。」
その何気ない一言が、二人にとって何より幸せだった。
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らんは高校を無事卒業し、進学という新しい道を歩み始めていた。
🎼🌸「今日、授業ちょっと長いんだ。」
🎼📢「終わったら迎えに行く。」
🎼🌸「ほんと?」
🎼📢「約束。」
らんは嬉しそうに笑う。
🎼🌸「じゃあ頑張れる。」
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一方、いるまは修理工場で働き続けていた。
同僚たちと笑い合い、汗を流し、夕方になると家へ帰る。
昔のように誰かを警戒して歩くこともない。
「普通」の毎日。
それは、命を懸けて手に入れた宝物だった。
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夕方。
🎼🌸「ただいま!」
🎼📢「おかえり。」
その二つの言葉が、毎日のように交わされる。
もう逃げなくていい。
もう怯えなくていい。
ここが、二人の帰る場所だった。
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休日。
二人は再び、あの海を訪れた。
波はあの日と変わらず、静かに砂浜を撫でている。
🎼🌸「覚えてる?」
🎼📢「あぁ。」
🎼🌸「ここで約束した。」
🎼📢「『全部終わったら海へ行こう』ってな。」
らんはゆっくりとうなずく。
🎼🌸「ちゃんと叶ったね。」
🎼📢「約束は守る主義だからな。」
二人は顔を見合わせ、笑い合った。
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しばらく波の音を聞いていると、らんがぽつりと呟く。
🎼🌸「あの頃の俺は、生きることが怖かった。」
🎼🌸「でも今は……。」
🎼🌸「明日が楽しみ。」
いるまは静かに微笑む。
🎼📢「俺もだ。」
🎼📢「お前と出会わなかったら、こんな未来はなかった。」
🎼🌸「俺も。」
🎼🌸「あの日、助けてくれてありがとう。」
いるまは少し照れくさそうに笑った。
🎼📢「何回礼を言うんだ。」
🎼🌸「何回でも。」
🎼📢「じゃあ俺も。」
🎼📢「生きててくれて、ありがとう。」
らんの目に涙が浮かぶ。
でも、その涙は悲しみではなかった。
希望の涙だった。
⸻
夕日がゆっくりと海へ沈んでいく。
オレンジ色に染まる世界の中で、
二人は肩を並べて歩き始めた。
🎼📢「帰るか。」
🎼🌸「うん。」
🎼📢「おかえりって言える場所へ。」
🎼🌸「ただいまって帰れる場所へ。」
二人の足跡が、波打ち際の砂浜に並んで刻まれる。
波はやがてその跡をさらっていく。
それでも――
二人が歩んできた時間は、
決して消えることはない。
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どんなに暗い夜でも。
隣に大切な人がいるなら、人はまた前を向いて歩いていける。
白玉くん
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碧
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#らんいる
くらげ
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コメント
1件
ああ、35話読んだ…。いや、もう、本当によかった。 3年後、ちゃんと二人が「普通」の幸せを掴んでるのが、心の底からじんわりきたよ。いるまが「生きててくれてありがとう」って言うシーン、泣くわ。あの約束がちゃんと叶って、今は「明日が楽しみ」って言えるらんが本当に眩しい。 夕陽の海、並んだ足跡…あの地の文全部が優しくて、読んでてこっちまで温かい気持ちになれた。この結末、ちゃんと二人が歩いて掴んだ宝物だね。おつかれさま、そして本当にいい物語をありがとう。