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その笑顔には敵わない。  短編小説

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その笑顔には敵わない。 短編小説

1 - その笑顔には敵わない。

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2024年03月20日

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すれ違った瞬間、どこからか懐かしい空気を感じた。振り返ると何度も自分の瞳にうつした、褐色色の目がそこにあった。

「…あ、…」上手く声が出せない。

ソイツは察したように俺に近ずき、顔を覗いてきた。

「少し、話そうか。」笑った時にクスッと出す声が変わらない。

俺が前世で愛した女だ。

✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚

「久しぶり…というか、何百年ぶりかな?」

「あぁ。お前も記憶があるようだな。」

前世を超えて長い間会っていなかったからか、

何を話して良いか分からない。元気にしてたか?

と言うのも何だかおかしく、それ以前にまた

俺達が巡り会って良かったのか。という考えが頭によぎった。巨人のいる世界は何もかも失うのが早かった。仲間も、希望も、愛する奴も。

コイツに関しては辛いことばかりだった。

巨人と人間の闘いから、人間同士の争いになった頃は今までと全く状況が異なった。

段々とコイツの表情が薄くなる姿を正直見ていられなかった。ひとりでなんとかしようとする性格はコイツの悪い癖だった。

どの人間よりも最善の手を尽くそうとし、最期には

残された仲間を信じ、あの翼を背負って命を絶った。今思えば、コイツは幸せだっただろうか。

コイツらしい死に方が出来たのだろうかと今世でも

何度も思った。だからせめて、来世というのが在るならば、何にも縛られず生きて欲しい。

もちろん、俺にも会わずに。コイツらしい生き方をして欲しいと。

「なんだよ。クソつまったような顔して。」

「なぁ、ハンジよ。」

「な、なんだよリヴァイ。」

「愛してる。もう俺から離れるな。」

「!?!?」

違う。こう言いたいんじゃない。

早く、ここから離れろ。今すぐ、おい 俺の身体動け。

「ずっと好きだった。」

違ぇ。クソが。何で止まらないんだこの口は。

「…ね、」

「…..なんだ。」

「その言葉をずっと待ってた気がするよ。」

泣きながら笑うハンジを見て思った。

あぁ、誰が離すもんか。

〜fin〜

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