Fuyuさんの「没作品たち」というお話の中の「誰かの病み」の続きを書かせていただきました🫶🏻︎💕︎︎
Fuyuさんの精神的に揺らいでいく描写が本当に素敵で、ああいう表現ができたらと思って書いてみたのですが、全然うまくいかなくて……笑
このあとの文章には、少し繊細な心の描写が含まれています。無理のない範囲で読み進めてください🙌🏻
夜が静かに、しかし容赦なく降りてきた。街灯の明かりに照らされて、彼——ほとけは、ゆっくりと歩いていた。ポケットに手を突っ込み、肩をすぼめながら。何度目か分からないこの無力感。心を締め付ける重たいものが、足取りを鈍らせる。
「ぼくなんて……」
何度も心の中で繰り返す。
迷惑ばかりかけてきた。応援してくれるリスナーたちにさえ、きっと重荷だっただろう。
それでも、そんな中で、ふと頭をよぎる言葉があった。
——「もうちょっとだけ頑張ってみようかな。」
どこかから、かすかな光が漏れている気がした。目を凝らすと、それは見慣れた配信アプリの通知だった。
おそるおそる開くと、そこにはファンたちからのコメントが並んでいた。
『いむくんの声に救われたよ。』
『今日も頑張れたのは、ほとけくんがいたから。』
『無理しないでね。生きてるだけで、充分なんだから。』
画面が滲んで、文字が読めなくなった。ほとけはその場にしゃがみこんで、震える手でスマホを抱きしめた。
「……そんなこと言われたら、また、頑張りたくなるじゃんか……。」
彼はふと思った。
消えたいと願う自分を、誰かが見つけて、抱きしめようとしてくれている。たとえ直接触れられなくても、画面越しでも、確かに。
——それでも、怖い。
明日も、生きることも。
また誰かを傷つけてしまうかもしれない自分も。
でも、それでも——。
ほとけは立ち上がった。
夜空を見上げる。星一つない闇に向かって、小さく叫んだ。
「ぼくは、-hotoke-を…やめたくない…!」
言葉は誰にも届かないかもしれない。
それでも、声にすることで、自分自身に誓うように。
もう一度、立ち上がるために。
足元に転がっていた小さな石を蹴飛ばして、彼は歩き出した。どこに向かうのかなんて分からない。でもいい。今はただ、一歩踏み出すことが全てだった。
スマホの画面には、新しい通知がまたひとつ灯った。
『今日も、生きてくれてありがとう。』
ほとけは泣きながら笑った。
ぐしゃぐしゃな顔で、前を向いて。
まだ知らない街の灯りが、彼を優しく迎えてくれた。
𝑯𝑨𝑷𝑷𝒀 𝑬𝑵𝑫__
コメント
1件
続きありがとうー!! 最高だったよ!!