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今日は晴れ晴れとした日曜日。特に用事もなく、家で怠惰に過ごす男の子が居た。
「ったく、優秀な弟を持つと嫌になるな」
愚痴をこぼす彼の瞳に反射するのは最近買ったRPGの画面である。レベリングをサボってストーリーを進めていたら、突然出てきた中ボスに為す術もなくコテンパンにやられてしまった事をきっかけにレベル上げ厨になってしまったという所だ。
そんなことはどうでもいい。それより優秀な弟の話をしよう。というのも弟は今から10分前に徒歩で家を出てしまった、図書館で勉強しに行くという理由で。ゲームセンターや友達と遊ぶなどではなく、勉強だ。お前は優等生か、と思ったが実際優等生なので何も言えずにそのまま見送った。
普通の兄ならば弟に負けないように見送った後、机と対面してシャーペンを握るのかもしれないが・・・俺が今握っているのはコントローラーだ。兄としての威厳はブラジル辺りを彷徨っていて二度と帰ってくることはないであろう。俺は俺、アイツはアイツだ。受け継がれた遺伝子がそもそも違うのだと割り切っている。
俺は寝転がりながらそんなことを考えていた。
さらに10分後、優等生で真面目な弟から連絡が来た。
「問題集を忘れた・・・? 何やってんだよ・・・」
ドジをかます弟は問題集を持ってきてほしいと追加で送って来た。タダ働きはしない主義の俺は弟にメッセージを送る。
「見返りは・・・っと」
数秒後、冷蔵庫にあるアイスと送られてきたところで俺の決意は固まった。
自分で取りに戻ってこいよ、とは思うがアイスのために弟のパシリとなる。俺はそういう男だ。
5分間で準備を終わらせ、俺は意気揚々と玄関ドアを開ける。そして駐められてある自転車を引いて跨いだ。
さぁ、飛ばすか。
弟の歩く速さは毎分80m、兄の自転車の速さは毎分330mとする。記述された時間を用いるとして、次の問を答えよ。
(1)兄が出発してから何分後に弟に追いつくか求めよ。なお、弟は到着していないものとする。
(2)出発してから5分後に、忘れ物に気づいた兄は一回家に戻ってから再度出発した。家から図書館までの距離を3,700mだとすると弟が到着するまでに兄は忘れ物を届けることが可能か。また、可能な場合は合流地点から図書館までの距離を、可能ではない場合は兄は何分遅れたか求めよ。