夜の路地裏にて、水橋 トアは1人 煙草を吸いながら暗闇の空を見上げていた。
「…はぁ..とうとうバレちゃったか…」
「にしても…あれは僕も驚きだったな… 笑」
どこか儚いような声で、そう呟く。
「…あれ、トア。ぼーっと突っ立って何してんのさ」
「…?」
「あ、夏妃。居たんだ」
城ヶ崎 夏妃。トアの戦友である。
「トアが悩み事なんて珍しいじゃん」
「悩み事なんて、僕がすると思う?」
「ははっ、そうだね。ごめん ごめん 笑」
夏妃が乾いた笑い声をもらす。
「…ところで、何でここにいるの?」
トアが問いかける。
「さぁ?…何でだと思う?」
「…」
暫く沈黙が続くと、夏妃は何かを思い出したような
顔をして 話し始めた。
「あぁ、そうだそうだ」
「何?」
「…まあ、君は知ってると思うけど、最近厄介な奴が動き始めてるんだよね」
「…それがどうかした?」
夏妃はふっと笑い声を漏らすと、 煙草に火をつけ、
吸いながら再び話し始める。
「立華の姉妹…知ってるでしょ 」
「…!」
「……あの面倒な奴らか…今の動きはどう?」
「大分怪しいところまで来てる。早くしないと何が起こるか分からないかも 笑」
それを聞いて、トアは呆れたような顔をする。
「…ちょっと、何その顔」
「どうしてもっと早く教えてくれなかった…?」
「あははっ、仕方無いでしょ。どこにも情報が出回ってなかったんだし…」
トアが少しだけ顔を逸らす。
「…あれで落ち着いたと思ったんだけどな」
「まあまあ、あいつらそう簡単に諦める奴じゃ無いでしょ〜」
「夏妃…さっきから随分と余裕そうだな…」
「そう見える?」
「以外と」
「いやいや、内心大焦りだよ?」
そう言って夏妃はニヤっと笑う。
どこからどう見ても焦っているようには見えない。
「はぁ…本当かな?」
「うんうん。本当 本当 笑」
「まあ、そんな情報聞いてしまったんならこんな事してないでさ」
「もっと立華達の情報探らないとだよ」
「うん、そーだね。僕も手伝うよ」
「当たり前」
そう言って、2人は暗闇へと消えていった。
コメント
2件
凄い、なんか最高(?)(語彙力喪失) 続きめっちゃ楽しみ…!!
次回▶♡×100 (師匠の書き方参考にしてます。)