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何度も
「う、うわあああああああああああ」
肺が無烈に酸素を求めている。息が苦しい。僕は絞り出すような声で呟く、
「なんなんだよ、・・」僕はこの頃毎日同じ夢を見る。
夢の中で僕は荒波が立つ崖の上にいる。
人かげがジリジリと僕に近づいてくる。
「お前誰だよ」
そんな僕を横目に奴は一歩一歩踏みしめる様に僕に近づいてくる。
ようやく奴の顔が見える。
奴は僕の友人の純だった。
僕は文字通り崖っぷち。
そして彼は吐き捨てるように呟く。
「死ねば良かったのに」
ここで視界が真っ暗になり僕は飛び起きる。毎日毎目この夢の繰り返し。
別に、純と喧嘩してるわけでも、何か因縁があるわけでもない。
ピロン♪
突然の通知
「誰だよ、」見れば純だった。
「暇だから、電話していいw?」返信をする前に、もう電話がかかって来た。
「もしもし?」いつも通りの純の声。
「どした?」
いつも通りのたわいのない話。
僕は何の気なしに夢の話をしてしまった。
「そっか、ちょっとその夢今度は隅々まで見てみれば?」
「お、おう」
「後俺もさ、・」そこで突然電話が切れた。
電波悪いのだろうか。
僕は慌てて、純にメッセージを送る。
「すまん、電波悪いみたいだ。さっきなんか言いかけてたがどうした?』
すぐに返信が来た。
「いや、なんでもない。夢の件頑張れよw』
夜になり、僕は寝なくてはならない。
寝たくないと言いつつ、ベットに横になれば勝手に眠りについてい
る。
また、同じ夢。でも今目は少し違う。
起きる直前、純が何か言っていることに気がついた。
『5』
次の目も同じ夢
『4』
次の目も、次の目も同じ夢
『3』『2』
どうやらカウントダウンのようだった。
今日はおそらく『1』だろう。
今目も同じ夢なのだろうか?
でも今日は違った。
「死ねばいいのに」そう吐き捨てた純は泣いていたのだ。
彼は身を翻し僕とは反対方向に歩いていく。
「お、おい待てよ!純!純!」
彼はこちらを振り向きをせず、どんどん前に進んでいく。
くるっとこちらを振り向いたと思ったら、「バイバイ」
そんなのおかしいだろ
僕は思わず叫んだ。
たんだん意識が遠のく。
何度も、何度も
僕はどうすれば、純を止められるのだろうか。
純への連絡履歴だけが無様に残る。
もう帰ってこないくせに