カイネス
↓
あの時僕は見てしまった。
愛しい人が穢れた女と歩いていた事。
あの時僕は見てしまった。
愛しい人が穢れた女と幸せそうに微笑んでいた事。
あの時僕は見てしまった。
穢れた女が愛しい人を汚してしまう事。
気づいた時には、僕は急ぎ足で家に戻り、
必要最低限の荷物を持って
愛しい人との思い出がいっぱい詰まった家を
最後のメッセージも残さずに出ていってしまった。
「さようなら。 カイザー。」
言うことも聞けない駄犬でごめんなさい。
勝手に離れる事をどうか許してください。
そう心に言い聞かせ、涼しい風に当たりながら
海辺を歩いた。 そう。とにかく歩いた。
都会に行けば、僕は、
もうこの世に存在して居ないんじゃないかと
思うから。
僕は俯いて冬の海を感じながら
ひたすらに歩いた。
「おい、ネスぅ?」
背筋が凍った。
なんで?どうして?
振り返ったらダメだ。この方は…
僕が離れると決意した大切な人だから。
僕は無視して歩き続けた。
いきなり僕の腕に重い衝撃が走った。
🥀「俺を無視して何処へ行く…ネス。」
🪄︎︎「離してください…!」
🥀「言う事が聞けないのか?」
🪄︎︎「黙って下さい!」
🪄︎︎「貴方と僕はもう終わったんです!」
🥀「はぁ…こんな事になるなら…」
🥀「家から出さなければ良かったか。」
言ってる意味が全く分からない。
カイザーは僕を使い勝手のいい犬としか
思ってなかったんだね。
…いやそんなこと分かりきったことか。
🥀「おい、帰るぞ。」
僕は無視した。とにかく走った。
あぁ…そうだね。僕は逃げちゃった。
🪄︎︎「う゛ぐッ…?!」
瞬く間に、鈍い音と同時に激痛が走った。
痛い。苦しい。
カイザーは僕の首を蹴ったんだ。
意識がどんどん離れてく…。
🥀「愛の巣へ帰ろう♡ ネス♡」
ここで僕は、意識が途切れた。
数時間、経ったのかな。
目を覚ますとそこには、
片手に刃物を持ったカイザーと
日光を通さない窓のない部屋があった。
僕は悟った。殺されるって。
必死に足掻いて暴れたよ。
でもそれがカイザーからしたら煽りだったみたい。
🥀「歩けないようにしてやるからな♡」
凄く怖かった。涙が出て震えてしまって。
ぐちゃぐちゃ、と音がする。
その度僕は泣き叫び、足をぐちゃぐちゃにされてしまった。
もう足感覚ないや、って時に…
満足になったのかな?
あぁ…ようやく終わる。痛いな…。
🥀「お前は俺だけを見ていればいい。」
🥀「わかったな?♡」
…
🪄︎︎ 「はい♡」
狂愛?
はい、そうです♡♡
終__.
コメント
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なにこれ、天才?