短い小説
今私は広い広い大きなお城の真ん中で踊っているの
優雅に足を踏んで、まるで舞踏会に参加しているようで気分が踊る
黒いドレスを靡かせて
アン・ドゥ・トロワのステップで素敵な方と身も心も踊らせる
あぁなんて素敵なのかしら
貴方と踊れるだけで私はこんなにも幸せになれる
弾むような音楽もいつかは終わりへと向かう
でも私たちの心の音楽は終わらない
軽やかに妖艶に踊り続ける
貴方の足が絡まっても私は止まらない
蜜月の関係は永久に離れない
どれだけ肉が剥がれ落ちても私たちは踊り続ける
貴方の真っ白な鼻をなぞって、真っ白で骨のような手をとって
目は真っ黒な空洞、そんな空洞は互いに見つめ合う
周りはピアノの軽快な音と共に炎に包まれる
私たちは一体どこまで堕ちて行けるのかしら
これからも永久に踊ることを夢見て
これは一人の女と貴方の物語