部室に入ると着替え始める影山がいた。
自分の顔を見るなり少し嫌そうな顔をしたのを月島は見逃さなかった。
月「なに、王様独りなの?」
嫌な顔をされたお返しに嫌がる言葉をチョイスする。
影「・・・あ?」
動いていた手が止まり、影山の眉間に深いシワが出来る。
影山の睨みを横目に隣で着替え始める。
月島から話しかけたのに無視をされ余計に腹が立った。
しかし、月島とやり合うより早く体育館に行こうと切り替え、着替えを再開する。
影(・・・圧を感じる)
部活着に着替え圧の正体に目をやる。
月「・・・・」
着替え終わった月島が影山を見下ろしていた。
影「なんだよ」
月「王様さぁ、キスしたことあるの?」
影「・・・は?」
月島からまさかな単語が出てきて影山は理解が出来なかった。
月島はそれ以上言葉を発しない影山を見てフッと笑い、顔を近づけた。
月島と影山の唇が軽く重なって、そっと離れた。
月「キスってこの事ね。K i s sのキス」
影山の耳元で囁いた。
月「あー、スペル言っても分からないか」
固まっている影山に、そう言ってにっこりと笑顔を見せる月島。
外からガヤガヤと声が聞こえた。
他の部員が来る前に月島は部室から出た。
日「影山いたのか」
月島が出てから、少したって日向や山口が部室に入ってきた。
山「影山?」
反応のない影山に山口は近寄り、顔の前で手を振る。
日「おい!影山、どうした!」
山口の行動にも反応がないため、着替え終わった日向が肩を叩く。
肩を叩かれ我に返る。その時、月島に言われたこと、されたことを思い出した。
一気に顔に血液が集まった感覚がした。
日「!?か、影山真っ赤だぞ!!かお!」
日向は急に赤面した影山に驚き、後ろに数歩下がった。
影「!!るせぇ!ボゲ!」
日向に顔色を指摘された影山は口元を腕で隠し、そう怒鳴ると乱暴に部室のドア開け出て行った。
2022/11/30
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!